書籍ネット通販県1位は京都、家電ネット通販県1位は【JADMA調べ】

ECのミカタ編集部

公益社団法人 日本通信販売協会(以下、JADMA)では、全国47都道府県ごとの通販利用の実態を把握することを目的に、直近1年で通販を利用したことがある20代から60代の男女計10,000人を対象にインターネット調査を実施した。今回は本調査を基に、「書籍」「家電」の通販利用を明らかにしていく。

書籍、“ネット通販派”が“リアル店舗派”を上回った

書籍、“ネット通販派”が“リアル店舗派”を上回ったJADMA調べ

 調査結果によると、書籍を通販で購入したことがある人が5,659人(56.6%)であった。通販での書籍購入経験者に「書籍の購入において、ネット通販とリアル店舗のどちらを利用することが多いか」と尋ねると、43.1%が“ネット通販派”、35.1%が“リアル店舗派”であった。

 都道府県別にすると、ネット通販で書籍を購入する人が多い「書籍ネット通販県」の1位が京都で57.6%となった。一方、実際の店舗で購入する人が多い「書籍リアル店舗購入県」では、1位が滋賀県で41.4%となり、隣県同士にも関わらず、書籍の購入スタイルがはっきり異なる結果となった。

JADMA調べ

 「家電」については、通販で購入したことがある人が4,156人(41.2%)であった。通販での家電購入者にも「ネット通販とリアル店舗のどちらを利用することが多いか」と尋ねると、34.9%が“ネット通販派”、36.8%が“リアル店舗派”となった。

 都道府県別では、ネット通販で家電を購入する人が多い「家電ネット通販県」は、長野県(49.4%)が1位となり、全国平均を14.5ポイント上回った。2位が青森県(45.5%)と、上位2県は半数近い結果となった。一方、実際の店舗で購入する人が多い「家電リアル店舗購入県」では、1位が徳島県で52.3%となり、通販利用経験者への質問にも関わらず、半数以上が“リアル店舗派”という結果になった。

「送料無料」「ポイント」が購入を後押し

「送料無料」「ポイント」が購入を後押しJADMA調べ

 通販を利用する時の行動に関して、全国平均では、送料を無料にするために目的の商品以外も買い足す「送料無料買い」が46.1%で最も高かった。次いで、ポイントや割引クーポンに惹かれて購入する「ポイント買い」(40.4%)、広告や情報に惹かれて衝動買いをしてしまう「衝動買い」(17.1%)と続いた。

 その中の「ポイント買い」と回答が多かった「通販でポイント買い県」は、1位が兵庫県(50.0%)で、2位以下が徳島県、滋賀県、大阪と続き、関西圏の府県が上位を占めた。一方、「衝動買い」と回答が多かった「通販で衝動買い県」は、1位が新潟県で24.5%であった。その他、「送料無料買い」と回答が多かった「通販で送料無料買い県」は、徳島県が53.5%で1位となった。

 今回の調査結果を踏まえると、「書籍」はネット通販で購入する人が多く、「家電」はネット通販で購入する人も多いが、未だ実店舗での購入が多い結果となった。やはり、家電は「一度自分の目で確認しておきたい」という気持ちがあり、実店舗で購入する人が多いのだろうか。EC化率が上昇している家電ですら、実店舗が多いということからすれば、実店舗をもつECサイトにおいては、店舗への誘導が購入の可能性を生むきっかけにもなるということだ。

 それでも、最近では、ネット通販で家電をまとめて購入すると割引されたり、実店舗よりも価格が下がっていたりと工夫が見られ、ネット通販利用者が増加していることも事実だ。EC化率が上昇している家電ですら、実店舗が多いということからすれば、取り組み次第で、更に伸びる可能性があるということでもある。

 さらに、「送料無料」や「ポイント」に心が揺らぎ、購入する場合も多いことが判明した。こういった購入者の心理を踏まえた上で家電をネット通販で販売すると購入者が増え、“ネット通販派”を増やすことができるのではないだろうか。

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