フロムスクラッチ約32億円の資金調達で目指す3つのキーワード

ECのミカタ編集部

マーケティングプラットフォーム「b→dash」の開発・提供を行う株式会社フロムスクラッチ(本社:東京都新宿区、以降フロムスクラッチ)は、株式会社産業革新機構(本社:東京都千代田区)、Rakuten Ventures Japan fund(本社:シンガポール)、既存株主などを割当先とする第三者割当増資等により、総額約32億円の資金調達を完了したと発表した。

 フロムスクラッチはこれまでに、北米を主な活動拠点とするDraper Nexus Venture Partnersをはじめ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズや電通デジタル・ホールディングス、グローバルブレイン、日本ベンチャーキャピタルらから約13億円の資金調達を実施しており、「b→dash」をリリースした2014年10月以降の累計調達総額は約45億円に達した。

 「b→dash」は、企業のマーケティングプロセス全体のデータを統合し、一気通貫で分析するSaaS型のマーケティングプラットフォーム。集客から営業管理領域(SFA)まで、WEBマーケティングを一元管理することができる。b→dashの最大の特徴はデータの取得はもちろん、取り込み、統合、加工、そしてデータの活用に至るまでのすべての機能をオール・イン・ワンで提供しているという点。日本人向けに制作されているのでUIも洗練されていて、操作が直感的にわかるよう設計されている。

フロムスクラッチが見据える第四次産業革命

 昨今、企業のビジネス、そしてマーケティング活動を取り巻くテクノロジー環境が急速に発展し、あらゆるものがデジタル化・データ化されるようになり、AI、IoTが実装される第四次産業革命と呼ばれるデータの取得・統合・活用やその関連技術の開発は国家の競争力の源泉と言われ、その重要性はますます高まっている。

 そういった市場環境を踏まえ、既に国内有数のビッグデータを取得・統合・活用するマーケティングプラットフォームである「b→dash」は、強みでもある「データ統合基盤の開発強化」と「データの高速処理エンジンの開発強化」を加速させ、企業が直面するデータ課題の解決に注力していくとしている。

 さらに、「b→dash」が統合・管理するビッグデータに、人工知能技術をはじめとする最先端技術を組み合わせることで、マーケティング・プロモーション領域における新たなデータソリューションの開発を、技術提携機関である研究所やパートナー企業と共同して進めていくとした。

「高速クラウド型プラットフォーム」「人工知能」「データの統合技術」

「高速クラウド型プラットフォーム」「人工知能」「データの統合技術」

 「今後のマーケティングプラットフォームは、オンプレミス型からクラウド型に移行していくのは確実」とフロムスクラッチの代表・安部氏は語っており、クラウドで大量のデータを瞬間的に処理することにリソースを注いでいくとした。

 また、すでに大量に取得してあるビッグデータを活用した、人工知能の開発、データの統合技術の強化も急ぐ。マーケティングオートメーションは水面下でここまで進化しているのだ。今回の資金調達でフロムスクラッチがどこまで未来に手を伸ばせるのか、「高速クラウド型プラットフォーム」「人工知能」「データの統合技術」という3つのワードとともに遷移を注視していきたい。

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