【Criteo2017年第1四半期決算】堅調な業績を発表。事業投資にも積極的

ECのミカタ編集部

 Criteo S.A.(本社:フランス)は、パフォーマンスマーケティング(成果報酬型のマーケティング手法)のテクノロジー企業である。同社は、2017年3月31日を末日とする第1四半期の決算を発表した。

 Criteoは、デジタルパフォーマンス広告業界における、世界的なリーティングリーディングカンパニーだ。高度な技術、豊富なデータに基づくインサイト、測定可能なROI(投資効果)の提供をもとに、ユーザーの行動を分析。そして、ユーザー個人に合った、関連性の高い広告を配信し、成果へとつなげる。

売上は前年同期比29%増の5億1,700万ドル

 この度、同社は2017年第1四半期における決算を発表した。売上高は、前年同期比29%増の5億1,700万ドルとなっている。
 税引前利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した値であるEBITDA。これは、設備投資額が巨大な企業において、本業の収益が安定成長しているのかを評価する指標だ。そのEBITDAに、固定資産除却損などの調整を加えた「調整EBITDA」は、前年同期比16%増の5,600万ドルだった。

 フリー・キャッシュフローは、企業本来の営業活動により獲得したキャッシュフローから、現事業維持のために投資へ投入したキャッシュフローを差し引いたものである。この額が多いほど、企業には自由に使えるキャッシュが多いことを意味している。Criteoのフリーキャッシュフローは、前年同期比136%増の1,600万ドルとなった。
 また、純利益は前年同期比22%減の1,500万ドルだった。これには、HookLogic, Inc.買収による会計上の影響がある。

「価値が広く受け入れられている」とコメント

 CriteoのCEO(最高経営責任者)であるエリック・アイヒマン氏は、「第1四半期には 30%の大幅増収を達成しました。これは、コマース企業とブランドに対応したパフォーマンスマーケティングのプラットフォームの価値が広く受け入れられていることを示しています」と語る。ベノワ・フイヤンCFO(最高財務責任者)は「当社は引き続き潤沢なキャッシュフローを創出する一方、事業への投資を行っています。収益性を伴う高成長も相まって、当社ビジネスモデルは差別化された魅力的なものとなっています」と述べている。

 キャッシュフローをより多く生み出し、事業投資を怠らない姿勢。そして、それが収益性へとつながっていく。数字として見える形で成果が上がっているのは、Criteoの事業モデルが日進月歩で価値を生み出している何よりの証明だ。

売上の堅調な伸び率と技術の有望なパフォーマンスを両立

 ユーザーの伸びとともに、複数のデバイスを横断してユーザーがマッチングされ、それが売上の増加につながる結果となった。複数の広告市場につながることで収益性を高める、次世代ヘッダービディング技術は、100以上のメディアに接続され、極めて有望なパフォーマンスを提供している。
 同社のクライアント純増数は950超となり、当四半期末におけるコマースとブランドのクライアント総数は1万5,000を超えた。また、事業全体では90%の顧客維持率が維持されている。
 同一クライアントをベースとした売上も、引き続き堅調な推移だ。また、現在開発を進めているビデオ製品に関しては、複数の米欧大手クライアントとのパートナーシップを開始した。初期の結果は良好であり、今後の需要増加が見込まれる。

 既存の広告事業において堅調に売上を伸ばし、かつ高度な技術を用いた新たな事業投資にも抜け目はない。今後、Criteoのさらなる成長が期待できる決算報告となった。


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