ニールセン、オンラインショッピングの利用動向レポートを発売~生存戦略としての情報収集~

ECのミカタ編集部

 視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区、以下ニールセン)は、PC版インターネット視聴率情報Nielsen NetView(ニールセン ネットビュー)が持つオンライン視聴測定ログ情報と、調査対象パネルの詳細な商品所有/認知情報や他メディアの接触情報などを融合したデータベースサービスであるNetView Lifestyle Powered by Video Research Interactive(ネットビュー・ライフスタイル パワードバイ ビデオリサーチインタラクティブ、以下NetView Lifestyle)をもとに、PCユーザーのEコマースサイト利用状況を発表した。

 2017年6月時点で、インターネット利用者全体のうち83%の人が、オンラインショッピングサイトで消費財や耐久財を購入したことがあった。商品カテゴリーごとでは、消費財をオンラインで購入したことがある人が73%であるのに対し、耐久財は80%と、その割合が高くなっていた。また、オンラインで購入する頻度では、1か月に1回以上購入する人が60%を占めていた(図表1)。

 次に、オンラインで購入する頻度と実店舗で購入する頻度を比較すると、消費財は実店舗で購入する頻度が高い人が55%と半数を超えていた。一方で、耐久財はオンラインで購入する頻度が高い人が46%と、実店舗で購入する頻度が高い人(36%)よりも多くなっていた(図表2)。

 オンラインで定期的に購入している理由としては、消費財でも耐久財でも、「実店舗よりも安く購入できるから」という人が最も多くなっていました。2位以下ではカテゴリーにより違いがみられ、消費財では「重い物やかさばるものを持って帰らなくて良いから」、耐久財では「実店舗よりも品揃えが良いから」という理由が上位に挙がっていた(図表3)。

 また、オンラインショッピングの配送に対する意識について、配送方法に関して重視されていたのは、「一定金額以上購入すると、送料が無料になる」ことと「早く届かなくても良いので、送料が無料になる」ことだった。ともに一定条件化で“無料”になることが、72%の人に求められていた。次いで、「同じタイミングで購入した複数の商品をまとめて配送してくれる」を重視している人が52%となっていた(図表4)。

  ニールセン シニアアナリストの高木史朗は、次のように述べている。「調査結果をふまえると、インターネットユーザーにとってオンラインショッピングは一般に浸透している状況といえます。ただし、消費財と耐久財とを比較すると、オンラインで購入される割合は異なっています。メーカーやショップ運営企業にとっては、商品カテゴリーごとのオンラインショッピングの消費動向を把握したうえで、今後どの程度オンラインショッピングに対して投資すべきか、対応する場合は未購入者がバリアーに感じている点や、利用者がメリットに感じている点を把握し、何に注意すべきかを考える必要があります。

 また、近年話題になっている配送に関しては、とにかく早く届くことよりも無料であることが重視されていました。また、単に早く受け取れることよりも、受け取るために自宅で待機しなければいけない時間を減らしたいと感じている消費者が多いと想像できます。ショップの運営企業にとっては、オンラインショッピングの利用頻度を上げるために、配送業者と連携しこうした消費者のニーズに応えたサービスを提供していくことが重要なポイントの一つとなるでしょう」。

生存戦略としての情報収集

 インターネットユーザーにとってオンラインショッピングが一般に浸透している今、こういった調査結果をいかに早くサービスに反映していくかが、ECサイトには問われている。シェアリングエコノミーが浸透しだした今、時間帯指定を1時間刻みにするなど、配送業者との連携の仕方は無数に考えられる。

 消費者のニーズと配送業者のトレンドをいち早くつかみ、うまく融合してサービスに反映していくことが、今後ECサイトが生き残る道である。

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