2018年春、ファッション市場の消費者動向は?【マクロミル社調べ】

ECのミカタ編集部

株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役グローバルCEO:スコット・アーンスト、以下「マクロミル」)は、2018年春シーズンに購入するファッションアイテムや、普段のファッションアイテムの購入実態などを調査し、結果を公表した。

今回の調査テーマは、ズバリ「ファッション」

マクロミル社では、旬な情報や話題のトピックスについてアンケートを行い、ニュースレター「HoNote通信」として調査結果を公表している。

vol.106となる今回の調査テーマは、ズバリ「ファッション」だ。幅広い年齢層の女性を対象に、2018年春シーズンに購入するファッションアイテムや、普段のファッションアイテムの購入実態などについて質問し多くの回答を得ている。以下その内容を見て行く。

◆調査概要
調査主体 :マクロミル
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象 :全国15歳~49歳の女性(マクロミルモニタ会員)
割付方法 :平成27年国勢調査による、
性別×年代(5歳刻み)の人口動態割付/合計1,000サンプル
調査期間:2018年2月28日(水)~2018年3月1日(木)

※本文の数値は四捨五入した整数で表記。
※百分率表示は四捨五入の丸め計算、合計が100%とならない場合がある

2018年春に買いたいファッションアイテムは?

2018年春シーズンに購入する、もしくはすでに購入したファッションアイテムを尋ねたところ、7割の人が「トップス」を挙げ、アイテムの中で最多だった。各アイテムの中でも、冬から春で特に色合いや質感の変化が目立つのが、トップスだという推測も成り立つ。次いで「ボトムス」が55%、「靴、シューズ」が48%で、それぞれおよそ半数の人が購入の意向を示す結果となった。

また、購入すると回答した人に、2018年春シーズンにそれぞれ何点程度、購入するかを尋ねたところ、トップス、ボトムス、小物の3アイテムでは、平均購入予定点数が2点以上とその他のアイテムに比べて多く、特にトップスでは、平均2.8点を購入する予定であることが分かった。

どこからファッションの情報を得ている?

次にファッションに関する情報は、どのように入手しているかについてだ。回答者全体の結果を見ると、最も多かったのは「店頭」で60%、次いで「ファッション誌」が39%、「TV」が33%だった。

また、年代ごとの回答に注目すると、若い世代はその上の世代よりも、「SNS」を使ってファッション情報を入手する割合が高い傾向であることが分かった。具体的に結果を見てみると、回答者全体では「Instagram」が22%、「Twitter」が9%の利用状況であったが、10~20代では「Instagram」が 37%、「Twitter」 が22%、一方で30~40代では「Instagram」が 14%、「Twitter」 においてはわずか2%だった。

あの「ZOZOスーツ」の認知度は?

ファッションに関する話題と言えば、2017年に、“身体の寸法を瞬時に採寸することのできる伸縮センサー内蔵の採寸ボディースーツ”「ZOZOスーツ」が注目された。注文が殺到し、注文をしたものの未だに受け取れていない人も多いという報道もあるが、消費者の間で「ZOZOスーツ」がどの程度認知され、また利用されているのだろうか。

結果を見ると、「利用したことがある」と回答した人は現時点ではまだ2%弱。人気殺到で生産が追い付かないというニュースもあるが、その状況が低い“利用率”に影響していることも伺わせる。また、「利用したことはないが知っている」が16%、「名前は聞いたことがある」が15%、「知らない」と回答した人は67%だった。

ファッションもフリマアプリで購入する?

ファッションアイテムを購入する方法として、フリマアプリやオークションサイトはどの程度利用されているのだろうか。

ファッションアイテムを、フリマアプリやオークションサイトで購入する人は全体の13%で、これらの方を対象に具体的なサービス名(アプリ・サイト名)を尋ねたところ、利用率が最も多かったのは「メルカリ」で72%だった。また、「ヤフオク!」や「フリル」はそれぞれ3割程度の利用率で、その他のサービスは6%となっており、ポイント差から見ても、「メルカリ」に人気が集まっている様子がうかがえる。

ファッションに対する意識は?

最後に、消費者はファッションに対してどのような考えを持っているのか尋ねた結果だ。以下のファッションに対する5つの考えや実態について、あてはまるかどうかを「はい」と「いいえ」の2択で尋ねている。

◆ファッションに対する考えや実態
1. ファストファッションを利用することが増えた
2. 衣服はワンシーズンで使い捨てることが多い
3. いつも流行を踏まえたアイテム選びをしている
4. 流行よりも、自分らしさを大切にしている
5. 個性的なスタイルよりも無難なものを選ぶことが多い

まずは、ファストファッションについてだ。若者だけの流行にとどまらず、もはや定番化しているファストファッションだが、6割が「利用が増えた」と回答した。

手に入れやすい価格帯で人気のファストファッション、流行を取り入れて1シーズン使い切りの方が多いのかとも考えられるが、衣服を「ワンシーズンで使い捨てる」と回答した人は1割未満の結果となった。

この結果からは、ファストファッションは、“流行を取り入れて使い捨てる”という使い方よりも、“普段使いの中へ自然に取り込む”という使い方をしている人が多いといえそうだ。

また、「いつも流行を踏まえたアイテム選びをしている」人が29%だったのに対し、「流行よりも自分らしさを大切にしている」人は89%だった。さらに、81%が「個性的なスタイルよりも無難なものを選ぶことが多い」と回答している。10~40代女性においては、“流行”よりも“自分らしさ”や“無難であること”を、ファッションの基準にしている人が多いことが浮き彫りとなった。

急成長するEC市場の中でもファッション分野は市場の力強い牽引役となっている。今回の調査では、世代ごとでのSNS利用動向の違いや、話題をさらった「ZOZOスーツ」の認知度などが明らかとなった。2018年春に留まらず今後もこうした変化しやすいユーザーの動向をとらえることがECビジネスを成功に導くカギとなるだろう。


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