ヤフー決算発表 気になる新サービスは?2018年度 第1四半期

ECのミカタ編集部

ヤフー株式会社(以下「ヤフー」)が2018年度 第1四半期の決算発表を行なった。

6月の株主総会で川邊氏が正式に社長に就任したヤフー。勝負の年とも言える今年度だが、先日に新決済サービス「PayPay」を発表し、新規事業であるモバイルペイメント事業に力を入れている。その影響はあるのだろうか。

まず売上収益は2,318億円(前年同四半期9.0%増)となった。しかし肝心の営業利益は475億円(前年同四半期8.9%減)となっている。営業利益が伸び切らなかったのは新規事業への投資分となっており、下期にむけて回収を行い、営業利益を増加させると前向きな姿勢を見せている。

セグメント別業績

セグメント別業績

【メディア事業】

メディア事業は売上収益、営業利益共に前年を超えており、順調な成長が見られる。ユーザー数の増加、利用時間や利用回数も増加傾向にある。さらにYahoo!知恵袋のサービス改善にAIを活用したことも発表された。これにより9ヶ月程度の処理が1日で終わることになり大幅な業務改善が達成された。

特筆すべきことは検索連動型広告売上収益が5年ぶりの二桁成長を達成したことだろう。表示デザインの変更や、カテゴリ補足オプションの提供など複数の施作が功を奏した形だ。スマートフォン動画広告も約3倍もの成長率を記録している。

スマホ動画の普及は今後も多くの世代に浸透していくことから、まだまだ成長の余地はあるように思える。

【コマース事業】

コマース事業の売上収益は12.5%増と順調だ。しかし営業利益はアスクル倉庫の火災の影響により下降傾向となっている。

しかしECの取扱高は10%増と順調だ。Yahoo!プレミアム会員ID数も2.000万を突破し、サービスの拡大が期待できる。特にYahoo!ショッピングは25%増とその成長は目覚ましい。

気になる新事業「モバイルペイメント」

気になる新事業「モバイルペイメント」

先日発表されたヤフーの新決済サービス「PayPay」。ソフトバンクとヤフーが50%ずつ出資し運営を行う。

ソフトバンクとのグループシナジー効果に期待が持てるのはもちろん、Yahoo!ウォレットで培った4,000万を超える顧客基盤を活用することができる。

もちろん新サービスということで他サービスとの連携や、技術提供元のPaytmのテクノロジーの活用も行なっていく。

Paytmはインドでは3億人もの利用者数を誇るリーディング企業で、技術力には定評があると言える。

今後はPayPayが広告・ECなどの既存サービスはもちろん、飲食店などの新規事業の立ち上げの際にも連携をし、収益化に力を入れていく。

モバイルペイメント事業の勝算は

すでにモバイルペイメント事業はアップル、楽天、アマゾン、アリババなど大手企業が鎬を削っている。新規参入を行ううえでヤフーに勝ち目があるのか懐疑的な視点を持つ人もいるだろう。

しかし新規事業ではあるが、ソフトバンクとの連携、インドですでに実績を持っているPaytmからの技術提供など、外堀を固めてから満を持しての参入と言える。

下期にかけて利益は向上すると宣言をしている以上、成果を注視しておく必要があるだろう。

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