「プレミアム消費」から「利便性重視」のスタイルへ(野村総研調べ)

ECのミカタ編集部

全国1万人アンケート!ECの消費実態を調査

株式会社野村総合研究所(以下、野村総合研究所)は、訪問留置法で生活価値観や消費実態を尋ねる「生活者1万人アンケート」を実施。その調査結果を11月17日に発表した。なお、「生活者1万人アンケート」は、3年おきに実施されており、2015年は、7~8月の期間、全国で15歳~79歳の男女個人1万人が対象となった。

野村総合研究所の発表によると、2012年から2015年にかけ、回答者に占める共働き率は、49.2%から54.7%に増加。景況感は回復基調にあり、景気の見通しについて「良くなる」と答えた人が5.7%から11.6%に増えている。また、スマートフォンの個人保有率は2012年の22.8%から51.8%へと増加、タブレット端末の個人保有率も4.8%から18.4%に増え、情報端末の普及が急速に進んでいるとのこと。

こうした状況下、野村総合研究所が分類した「4つの消費スタイル」の動向では、「利便性消費(=購入する際に安さよりも利便性を重視)」の割合が、2000年の37%から2015年には43%へと増加し、「価格にこだわらず、便利な手段を利用して欲しいものを買う」という人が増えている。なお、2000年の13%から2012年の22%まで増加傾向にあった「プレミアム消費(=自分が気に入った付加価値には対価を払う)」の割合は、横ばいの傾向に。製品にこだわりはなく安ければ良いという人は、2000年の40%から24%へと減少した。

着実に利用率を高めているECでは、利用者の年間平均利用回数が2009年の11.0回/年から2015年の14.8回/年へ。消費の際の情報源としても「携帯端末で利用するインターネット」が大きく伸びている。
なお、「実際の店舗に行かずに、インターネットだけで商品を買うことがある」と回答した人の割合は、2012年の27.5%から2015年には37.1%へと上昇した。その一方、テレビCMなど、その他メディアの参照度は減少しているが、実際に店舗に行くなど、店頭・店員を情報源とするという人の数は、相対的な高さを保っている。

野村総合研究所は、同調査結果から、インターネット通販利用は拡大したが、購買時の情報源としてのリアル店舗の重視度はいまだ高いとまとめ、インターネットの消費への活用が、地方部や高年齢層に普及し、インターネットでの消費経験がさらに高度化することで、購買時の情報源としての各メディアの力関係は今後も変わっていくと予想している。

ショッピングのエンターテイメント性などを重視する消費者は多く、単に便利だからという理由だけで消費のすべてがオンラインショッピングで行われるようにはならない。今後は、実店舗で確認、通販で比較・購入といったスタイルが定着していくのではないだろうか。


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