【やってみた】楽天の楽びん!とAmazonのプライムナウ

注文してから商品がすぐ届く!そんな通販サービスをご存じだろうか?当日配達を超える、即時配達を提供するのは、楽天株式会社(以下、楽天))とアマゾンジャパン株式会社(以下、Amazon)の2社。楽天が提供する「楽びん!」とAmazonが提供する「プライムナウ」、特徴やその配達方法には違いがあるが、どちらも注文してすぐに届けてくれるという意味で競合サービスと言えるだろう。

この2社のサービスを聞いて、ふとこんな疑問が浮かんだ。「結局、どっちが早く届くんだろう??」という訳でECのミカタ編集部でやってみた。弊社のオフィスは恵比寿にあるため、双方のサービスで対象エリアに入っているのだ。と言っても、あくまで配送先が恵比寿だったらの結果。配送先が変われば結果も変わる可能性があることは頭に置いておいてほしい。

まず、「楽びん!」と「プライムナウ」のサービスや利用条件を確認しておく。下の表を参考にしてほしい。

※2016年1月25日時点

「楽びん!」の取扱商品数は約450点。これらを配送車に積んで巡回しており、最短20分で商品が届くサービスだ。特徴的なのは対象商品にカフェメニューや出前が含まれている点で、温かいコーヒーを届けてもらうことができる。

「プライムナウ」の取扱商品数は約1万8000点。こちらは倉庫からの出荷になり、配達時間は1時間以内とされている。利用にはAmazonプライム会員になる必要がある。


早速注文!としたいのだが、楽びん!を注文するには専用のアプリが必要となるため、まずダウンロードする。プライムナウはプライム会員限定のため、今回は30日間無料お試しでプライム会員に登録した。

さあ、準備が整ったので、注文する商品を探し始めた。まず、お届け先を指定し、それから商品を探す手順だ。「みんなでお菓子を食べよう!」といくつか商品名で検索するとプライムナウでは通常のネットショッピングのようにスムーズに商品が見つかった。一方、楽びん!は取扱商品数がプライムナウほど多くないため、見つからない、売り切れという商品が少なくなかった。商品を探して感じたことだが、楽びん!はお菓子よりもベビー用品等に力を入れているのかもしれない。

注文するものが決まったので、決済画面に進み楽びん!、プライムナウの注文ボタンを同時に押した、現在の時間は午後3時ちょうど。さあ、どちらが先に届くだろう。

左:プライムナウ注文完了画面
右:楽びん!注文完了画面

商品が届くのを待っている間、アプリ上には、配達情報(商品の場所・配達員・予想到着時刻など)が掲載される。画面は下のようなイメージ。配達してくれるのは、楽びん!の松岡さんとプライムナウの吉田さんのようだ。

左:プライムナウ配達状況画面
右:楽びん!配達状況画面


そうこうしていると、先に到着したのは、「楽びん!」なんと注文からわずか18分だ!恐ろしい早さだ。届いたのはこのような商品。カフェメニューからはスコーンを注文した。コーヒーは残念ながら売り切れだった。

そして、楽びん!の速さに感動していると、プライムナウが届いた。所要時間は40分。楽びん!には及ばないが、こちらも充分早い。プライムナウで注文したのはこのような商品。冷凍食品などにも対応しているので、このようにアイスも購入でき、オレンジジュースも冷えている。

楽びん!VSプライムナウ 純粋な速さ比較では楽びん!の勝利となった。同時に2つを使ってみた感想としては、プライムナウの商品数はやはり魅力だったと言わざるを得ない。楽びん!で売り切れていたものが、プライムナウですぐに見つかったという点では、プライムナウに軍配が上がる。

2つのサービスは最低購入金額も違う。楽びん!は980円以上、プライムナウは2500円以上だ。金額、速さ、商品数などを考慮するとどちらがいいかと単純に聞かれると答えられない、それは状況によって異なるだろうと思う。

しかし、今回の実験で感じたのは、EC業界に身を置くものとして、ただ感心している場合ではないということだ。対象エリアが限られているとは言え、20分で通販が完結する時代になっている。送料や配達スピードなど大手だからこそ成し得る事業と対等に戦っていくには、それなりの工夫が必要だ。商品力やブランド力、丁寧な対応など様々な手法を用いて差別化を図っていく、そういった考え方がどのECショップにおいても必要だと、そう感じた。