アパレルECのトレンド判明!購入に失敗した商品の行方は?(シンクエージェント調べ)

利根川 舞

記者の論点:ファッションECの買い方に注目をすると、なぜファストファッションやフリマアプリが流行しているのか、そういった部分が見えてくる。

実店舗よりもECの方が売上好調?

 今年の冬は記録的な暖冬となり、コートなどの防寒衣料が店舗で売れにくかったという話があるが、株式会社シンクエージェント(以下「シンクエージェント」)が消費者のファッションECでの買い方について調査を行った結果、ファッションECでの売上は、実店舗と比べて好調で、明暗が分かれたという。

調査によれば、回答者の過半数がインターネットで年間3万円以上の買い物をしており、驚くことに年間5万以上と答えた人は36%にものぼった。

また、実店舗を含む総購入額のうち、ECでの購入額が半数であると答えた人は全体の41%という結果になった。

それらの結果をもとにシンクエージェントでは「年間EC購入額」と「ECで買う率」を掛け合わせて次の4つのセグメントを設定。

4つのセグメントの中では、『店舗でもECでもよく買う人』が最も年間購入額が多く、ファッション全般でみて、良い消費者といえる。

買い物好きはネットショップも頻繁に活用!

買い物好きはネットショップも頻繁に活用!

 『店舗でもECでもよく買う人』には、「実店舗で商品をみた/試着した商品をECで買う」と答えた人が55.2%と、多くみられた。また、 『もっぱらECでよく買う』と答えた人でも、38%が店舗でみた商品を買うと答える結果となり、あまりファッション商品を買わない消費者と比べて、明らかな違いが出ている。

フリマアプリの普及がECの買い物を後押し?

フリマアプリの普及がECの買い物を後押し?

 さらに、買い物に失敗してしまった時の対処については、『店舗でもECでもよく買う人』『もっぱらECでよく買う人』では、約5割が、返品したり買取りサービスに出したりしている。

一方、あまり買わない人では『諦めて着る/諦めて着ない』と答えた人が多く、対照的な結果となった。メルカリなど気軽に処分できるサービスの普及が、ECでの買物を後押ししていることが推測できる。

近年、ファストファッションブランドの台頭が非常に目立つ。流行の変化が激しいファッション業界では、品質を維持しつつも値段を抑えた商品にニーズが集まりやすく、実際にそれが実現しているのが現状だ。

そのため、ファッション商品を購入する機会も増えたが、逆に、飽きてしまった洋服や購入したもののサイズ選びを失敗した商品など手放される機会も多くなっている。そのニーズに応えたのがフリマアプリといえる。

フリマアプリの存在がECでの買い物を後押しし、その商品がフリマにまわるという循環が生まれる。しかし、その一方でお金がまわっているように見えて、実際は同じ部分でぐるぐるとまわってしまい、新しいものを作り続けているメーカーやブランドに戻りにくいという問題もある。ファッション業界では実店舗に比べ、好調であるという結果が出ているとはいえ、ファッション系のネットショップを運営する事業者も注意する必要があるだろう。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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