【比較してみた】楽天/ヤフー/DeNA/Eストアー受賞

2016年に入り、楽天、Yahoo!ショッピング、DeNAショッピングと、大手モールの2015年のショップ大賞の発表が続き、独自ドメインの運営に関しても、Eストアーのショップ大賞が発表された。ECのミカタ編集部では各表彰式で取材を行ってきたが、発表が出揃ったここで、2016年のEC市場を予想すべく、その結果を振り返り比較してみた。

楽天/ヤフー/DeNA/Eストアー各大賞の特徴

 楽天、Yahoo!ショッピング、DeNAショッピング、Eストアー、それぞれの賞の特徴は以下の通り。

●楽天 Shop of the Year(ショップオブイヤー)
お客様の得票数、売上、注文件数、売上の伸張率、お客様対応などを指標とする。総合賞上位10位の他、ジャンル賞各上位3位、サービス賞(あす楽賞/スマートフォン・タブレット賞/海外販売賞/中古販売賞/ギフト賞/定期購入・頒布会賞/Racoupon(ラ・クーポン)賞/ソーシャル賞)、特別賞(新人賞/CSR賞/動画賞/ベスト店長賞/10年連続賞)を表彰。

●Yahoo!ショッピング BEST STORE AWARDS(ベストストアアワード)
お客様からの評価、売上などを指標とする。総合賞上位5位と、2015年は成長率に焦点を当てた大賞が新設された。その他、部門賞各上位3位、特別賞(新人賞/ スマートデバイス賞/ニュースレター賞/カスタマーケア賞/中古アイテム賞/ショッピングクーポン賞/復興デパートメント賞/ご当地eコマース賞)を表彰。

●DeNAショッピング BEST SHOP AWARD(ベストショップアワード)
売上・評価・お客様による得票などを指標とする。総合賞上位3位の他、特別賞(三菱UFJニコス特別賞/auショッピングモール賞/トレンド賞/新人賞)を表彰。

●Eストアー ネットショップ大賞
受注件数・売上・成長率・リピート率・会員数を指標とする。金賞・銀賞・銅賞の他、カテゴリ賞、新人賞、47都道府県より1店舗ずつ全国銘店賞を表彰。

総合賞上位店舗から見えてくる、強い店舗の特徴

総合賞上位店舗から見えてくる、強い店舗の特徴2015年各モール総合賞の比較。各社サイトより。

 上表に記載されているのは、楽天、Yahoo!ショッピング、DeNAショッピング、Eストアーの総合賞を受賞した店舗だ。特徴としては、まずモールでは、単価の高い家電、健康食品も強いことが分かる。楽天の6位以降、新人賞などを見ると、コスメやアパレルなども強さを見せている。

 一方で、独自ドメインの店舗が利用するEストアーでは、モールとは全く違う傾向が見られる。上位3位は、食品、アパレル、アイドルグッズとまったく違うジャンルが並び、そのジャンルの中でも、一般的な商品ではなく、強い独自性を持つ店舗だ。

 この傾向からは、モールでは簡単に価格が比較できることもあり、安く、便利で、一般的受けする商品が優位に立つことが分かる。一方の独自ドメインでは、ある意味ニッチな商品、だからこそ価格で競わずとも求める人には確実に購入される、そんな商品が優位に立つことが分かる。まとめると当たり前のようにも思えるが、ここまで明らかな違いを見ると、商品の特徴とターゲットに合わせて、売る「場」というものをきちんと選ばなければいけないことが分かる。

特別賞から見えてくる、モール・店舗ごとの特徴

特別賞から見えてくる、モール・店舗ごとの特徴2015年各モール特別賞の比較。各社サイトより。

 上記は、総合賞以外の特別賞などのジャンルだ。総合賞はどうしても売上重視になってしまうため、特にモールでは、単価の大きい商品を扱う店舗が優位になりがちだ。だが特別賞では、それ以外のところ、カスタマーサービスであったり、店舗ごとの工夫が重視される。これは、各モール、企業において、売上以外に何を重視するかを表しているとも言える。ここからも、EC店舗が、自分達の扱う商品がどこに向いているのか、判断できるのではないだろうか。

 売上を上げ、利益を出し、そうやって日々事業を継続していく。だがその過程では、迷うときや、落ち込むときもあるだろう。そんなとき、こういった賞が設けられていることは、受賞店舗にとって励みになることはもちろん、その他の店舗にとっても刺激になることではないかと思う。ただ賞を狙うというよりも、今、どういった店舗が求められているのか、今後の戦略に積極的に活かしてもらいたい。