ショッピングシーズンに向けアプリ内収益が大幅増 Adjustが2021年「Eコマースアプリレポート」を公表

ECのミカタ編集部

モバイルマーケティング分析プラットフォームであるadjust(アジャスト)株式会社(本社:独・ベルリン、代表取締役社長 兼 共同創業者:ポール H. ミュラー、日本ゼネラルマネージャー:佐々直紀)は、Adjustと米モバイルアプリ調査会社のSensor Towerのデータに基づくショッピングアプリの最新トレンドを分析した「Eコマースアプリレポート2021」をリリースした。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

アプリ内支出・滞在時間ともに増大

アプリ内支出・滞在時間ともに増大

消費者はアプリ内で多くの金額を支出しているだけでなく、1日あたりのアプリ内滞在時間も増えている。セッションごとの平均アプリ滞在時間は世界的に着実に増加しており、2019年は10.07分、2020年は10.42分、2021年は10.56分を記録した。2021年で最もアプリ内滞在時間が長いのはEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)で、セッションあたり10.97分を記録している。

iOS 14.5以降の世界とオプトイン

iOS 14.5以降の世界とオプトイン

Adjustのデータは、App Tracking Transparency(ATT)のオプトイン率が平均17%あることを示している。これは、業界の当初の予測よりも高いものだ。Adjustは、ユーザーが関連性のある広告の価値についてより深く理解するようになるにつれて、同意率が今後も継続して高まると予測している。

ECを牽引するモバイルアプリ

各キーパーソンからは次のようなコメントが出されている。

Adjust、共同創業者兼CEO、ポール・H・ミュラー(Paul H. Müller)氏

「モバイルアプリはEコマース業界を牽引するリーダー的存在です。最も印象的なのは、世界中で店舗が徐々に営業を再開しつつも、Eコマースアプリが成長を続け、さらに多くの新規顧客を獲得しつつ、獲得済みのユーザーのリテンションも確保していることです。これは、モバイルが便利で最適化されたエクスペリエンスを顧客に提供できていることを示しています。ロイヤリティの高い顧客を獲得して維持することで、ブランドは年末年始にかけてのホリデーシーズンで引き続き成長することができるでしょう」

Sensor Tower、モバイルインサイト責任者、ランディ・ネルソン(Randy Nelson)氏

「モバイルコマースはようやく、一部の主要なショッピング市場に留まらず世界的な現象となり、APACとLATAMが特に爆発的に成長しました。一方、Eコマース分野の先駆者たちは、米国や中国などのすでに確立された市場でユーザーベースを増やし続けています。小売大手と新規参入企業は、年末のショッピングシーズンにデジタルチャネルでさらに大きな成長を遂げるでしょう」

Adjust、日本ゼネラルマネージャー、佐々直紀氏

「日本におけるEコマースアプリの成長はめざましく、Adjustが以前行った調査によるとインストール数は2019年から2020年にかけて31%、2021年に入ってからは9%の伸びを続けています。またセッション数の伸びはさらに大きく、2019年から2020年にかけて51%、その後も17%の成長を続けています。この数年で培ったカスタマーベースを元に、先日ご紹介したコネクテッドTV広告 やソーシャルコマースなど、多角的なチャネルでのキャンペーンを活用して、更なるビジネスの成長の支えとなるツールをAdjustは今後も提供して参ります」

同社によれば2021年、世界のEコマースアプリのインストール数は前年比10%増、インストール数はAPAC(アジア太平洋地域)で9%増、LATAM(中南米)で11%増、EMEAで15%増となっている。Sensor Towerのデータは、Eコマースカテゴリーの世界トップ10のアプリを示している。

2021年現時点でのEコマースアプリのグローバルトップは、東南アジアおよび台湾で最大のEコマース・プラットフォームShopeeで、2020年トップだったAmazonを抜いた。Shopeeは近年南米へ開拓し、今年はブラジルで最も高いインストール数を記録した。

2021年で最もセッション数が増加したのはLATAM:世界規模での成長率は12%増でしたが、LATAMでは27%増となり、APACでは10%増、EMEAではさらに多い13%増となった。継続率は、2020年に比べて2021年第1四半期にわずかに低下した後、第2四半期に回復した。

アプリインストール後の1日目を見ると、2020年第1四半期と第2四半期の継続率は21%だったが、2021年第2四半期は26%に上昇。2021年第2四半期は他の四半期よりも高い継続率を維持し、7日目は17%、15日目は14%、30日目は11%を記録した。

アプリ内収益は2021年に大幅に増加し、2021年5月にこれまでで最大の収益を上げ、10月、11月、12月の収益が過去9ヶ月を上回った。2020年のAdjustのEコマースアプリの収益トレンドを考慮すると、今年のショッピングシーズンは史上最高の収益をもたらす可能性があるだろう。

ECのミカタ通信22号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事