リピート率とは?計算方法や業界別の平均、上げる方法を解説

ECのミカタ マーケティング部

リピート率とは?計算方法や業界別の平均、上げる方法を解説

リピート率は、ECサイト運営を成功させるための重要な指標です。しかし、リピート率の計算方法や目指すべき数値、リピート率が低い場合の改善方法を知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、リピート率の概要や業界別の平均値、具体的な改善施策を説明します。ECサイトの運営でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

リピート率とは

リピート率とは、新規顧客のうち、どの程度がリピート購入してくれたかを示す割合です。新規顧客の獲得も大切ですが、再購入してくれる顧客が増えれば売上が伸びるため、ECサイト運営においては重要な指標とされています。

リピート率が高い場合は、購入した商品に対する顧客満足度が高いと考えてよいでしょう。

反対にリピート率が低い場合は、再購入に至るほどではなかったと考えられます。特にBtoCのEC販売や、定期通販をおこなっているショップでは、リピート率が売上に影響するため、対策が必要です。

リピート率とリピーター率の違い

リピート率と似た言葉に「リピーター率」があります。リピーター率は、特定期間の総顧客数のうち、リピーターがどのくらいの割合だったかを示す数値です。

リピート率と異なり、リピーター率は高ければよいというものではありません。リピーター率を求める計算式から、その理由を説明します。

特定期間のリピーター率=特定期間のリピーター数÷特定期間の総顧客数×100

特定期間の総顧客数は、その期間の「新規顧客数+リピーター数」です。この計算式に当てはめると、新規顧客数が少ない場合、リピーター率が高くなります。

つまり、新規顧客が獲得できていないということです。リピーターが購入をやめてしまうと、売上が大きく下がることが懸念されます。

では、リピーター率が低ければよいのかというと、そうともいえません。リピーター率が低いということは、新規顧客数は多いものの、リピートには至っていないということです。商品に何かしらの問題があることも、考えられます。

安定したサイト運営をおこなうためには、新規顧客とリピーターの両方を増やすことが必要不可欠です。リピーター率は、顧客層のバランスをみるための指標として確認するようにしましょう。

リピート率の目安・理想

リピート率の理想的な数値は業界によって異なりますが、目安としては、消費財であれば50%程度、アパレルでは35%程度、耐久財では30%程度といわれています。

日用品などの消耗品で、なおかつ低価格な商品は、顧客が定期的に購入することも多く、リピート率が高くなる傾向にあります。

一方で、比較的高単価な耐久財は買い替えの頻度が少なく、比較検討期間をとるケースも多いため、リピート率は低くなるというのが、一般的な傾向です。

新規顧客とリピーターの割合の理想は?

新規顧客とリピーターの割合は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート氏が発見した「パレートの法則」をもとに考えるとよいでしょう。「80:20の法則」ともいわれるこの法則の基本は、「物事の成果の80%は、全体の20%に相当する要素が生み出している」という考え方です。

例えば、売上に当てはめると「企業の売上の80%は、20%の優良顧客によりもたらされる」ということができます。この法則に従えば、20%の優良顧客を維持することが、売上の安定につながるといえるでしょう。

もう1つ、マーケティング関連では、「新規顧客よりもリピーター顧客を増やすほうが、コストがかからない」という「1:5の法則」という理論があります。新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持する5倍のコストがかかるという考え方です。

そのため、新規顧客を獲得する施策をしながらも、リピート率を増やす施策をバランスよく実施することが重要です。

これらの点を踏まえて、売上に貢献する全顧客のうち20%はリピーターであるのが望ましいといえるでしょう。

リピート率の計算方法

リピート率は、以下の式で割り出すことができます。

リピート率=特定期間内のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100

リピート率は、初回から2回目の購入に至る割合を算出することが一般的です。ただし、3回目以降の購入や前回購入後半年以内に購入したリピート率を求める場合もありますし、特定の商品や購入形態、店舗ごとなど、状況を限定するケースもあります。

リピート率を計算するうえで大切なことは、商材の特性や目的に照らし合わせて方法を検討することです。効果的にリピート率の対策や施策の効果検証ができるように、算出方法を考えましょう。

画像リンクの例 画像リンク

【業界別】リピート率の平均

ひと口に「リピート率が重要」といっても、商品やサービスの特性によってリピート率の平均は異なります。そこで、業界別にリピート率の平均値と特徴をみていきましょう。

アパレル

アパレル業界の平均リピート率は、35%程度です。気に入ったブランドであればリピーターになる可能性が高い反面、1つのブランドだけを買い続けることは少ないため、全体の平均数値としてはさほど高くありません。

ブランド力がある場合や、SNSを活用したファンコミュニケーションがうまくいっている場合は、リピート率が50%に達することもあります。ネットで気になる商品を調べてから店頭で試着するという顧客が多いことを踏まえると、オンラインショップとリアル店舗を連動させた施策も効果がありそうです。

化粧品

化粧品のリピート率の平均は、50%前後です。自分の肌に合っていればブランドスイッチが起きにくいこと、ラインでそろえたりカラー違いで購入したりと、クロスセルが起きやすいことが理由と考えられます。

SNSやYouTubeでインフルエンサーが発信している商品を買うケースも増えているため、リピート率を上げるためには、タイアップ投稿やコラボ商品の開発も効果がありそうです。

食品

食品のリピート率の平均は、40%前後です。価格的に購入のハードルが低く、毎日のように消費される品でもあるため、豊富な商品ラインナップにすることで、リピート購入につなげやすくなるでしょう。

ただし、例えばお菓子類は定期的に新商品が投入されるなど、競争が激しい業界であることも確かです。商品力や、キャンペーン情報の共有・クーポン配布など購入後のアプローチ体制に力を入れることが求められます。

健康食品

健康食品の平均リピート率は、50%程度です。健康に関しては、購入して摂取すればすぐに効果が出るというわけではないため、継続購入する顧客が多く、リピートにつながっていあります。

ただし、体に影響する商品ということもあり、購入前のリサーチは、入念におこなうことが多いようです。新規顧客の獲得に向けては、信用を獲得し、摂取を習慣化してもらえるような働きかけや工夫を考えるとよいでしょう。

飲食店・居酒屋

飲食店のリピート調査では、 外食した回数に占めるリピート利用の比率は77.5%と高い数値が出ています。特に、ファストフードや立ち食いの店舗、牛丼・ラーメン専門店のように、気軽に立ち寄れてコストパフォーマンスに優れた業態は、リピート率が90%を超えています。

また、カフェやファミリーレストラン、回転寿司など、お気に入りの店舗となっていたり、家族利用が多いという場合も、80%を超えるリピート率です。

一方で、夕食での利用が多い居酒屋、バーやバルなど飲酒が中心の業態では、65〜70%程度のリピート率となっています。また、フレンチやイタリアンのお店は30〜50%程度と、飲食店の中では低めの数値となっています。

これらの業態の店舗は、競争率が高いゆえに、「さまざまな店舗に足を運んでみたい」といったニーズや比較ニーズが顧客の潜在ニーズとなっていることが関係しているのかもしれません。

参考:飲食店リピート実態&要因調査|株式会社リクルートライフスタイル

美容室・美容サロン

美容室や美容サロンのリピート率は、3カ月スパンでみると15〜30%、6カ月では20〜40%となっています。具体的には、メンテナンスも含めて定期的に通う必要のある美容室やネイルサロン、アイラッシュサロンなどは、30〜40%ほどのリピート率です。

一方、エステサロンやリラクゼーションサロンのように、体の不調を感じたタイミング、あるいはご褒美感覚で利用する店については、20%前後のリピート率となっています。

参考:2022年最新版!新規リピート率調査| | ホットペッパービューティー

整体・整骨院

整体・整骨院のリピート率の平均は、50〜60%です。治療を目的として来院することが多いため、初回来院のきっかけをつくり、クオリティの高い施術ができれば、リピーターになってもらえる可能性は高いといえるでしょう。

また、Googleマップなどの口コミを参考にする顧客が多いため、リピーターの増加とともによい口コミが増えれば、新規顧客の獲得にもつながります。

参考:【整骨院】リピート率の重要性|一般社団法人 全国統合医療協会

EC(通販)サイトのリピート率は?

扱う商材によっても異なりますが、ECサイトの平均リピート率は30%程度です。

具体的には、アパレル・化粧品では約26%、健康食品・サプリメントは約30%といった数値で、リアル店舗に比べると低いといえるでしょう。

理由として考えられるのは、接点がオンラインに限られており、リアル店舗と比べ、親しみが生まれにくい点です。顧客にとってリピートをするか否かの判断基準は商品力のあるなしや価格帯だけではありません。リアル店舗には、店舗スタッフの対応や立地の良さなど「また足を運びたい」と感じさせるポイントがいくつもあります。

また、ECサイトでは1つの画面で複数店舗の商品をかんたんに比較でき、「より良い」条件の商品を顧客が見つけやすいという特徴をもちます。そのため、リアル店舗に比べ顧客のグリップが難しくなるといえます。

競合サイトひしめく中では、顧客に選ばれる工夫や、顧客満足度を高める施策の有無が、リピート率を大きく左右します。

参考:e コマース顧客維持マーケティング|Shopify

リピート率が高い商品の特徴は?

次に、リピート率が高い商品の特徴を確認しておきましょう。2つ紹介します。

適正価格の消耗品

ティッシュペーパーやトイレットペーパー、洗剤など、使用頻度の高い日用品やスキンケア用品などは、リピート率が高い傾向があります。

これらの消耗品は基本的に使い捨てなので、人にもよりますが、1つ決めたものを購入し続ける傾向にあるからです。ただし、使い捨てとはいえ価格が安すぎると、「この商品、本当に大丈夫なのか」など不安に思われることもあるため、安すぎず高くもない適正価格で販売することが大切です。

オリジナリティ・希少性が高い商品

オリジナリティのある商品、限定されたストアでしか購入できないような希少性のある商品も、リピート率は高くなります。

例えば、特許取得品や高い技術をもつ人にしか作れないもの、ユニークなアイデアが光る商品などです。

このような商品は、ものづくりへの熱意を顧客が感じ取ってくれるうえに、ブランドイメージを確立しやすいことが強みといえます。商品への信頼度が高まれば、継続的な購入にも期待できるでしょう。

リピート率が低い場合に考えられる原因

では、リピート率が低い場合の原因は、どんな点にあるのでしょうか。

商品やサービス自体の質の問題

初回購入時に、商品やサービスに対して不満があれば、リピートしたいとは思わないでしょう。そのほか、問い合わせの対応や接客態度が原因で、リピート率が低くなることもあります。リピート率が低い場合は、お客様アンケートを実施するなどして、満足できた点、できなかった点を集約して分析し、改善策を立てることが大切です。

他社に乗り換えてしまった

競合他社への乗り換えも、リピート率の低下につながる原因の1つです。他社への離脱を防ぐためには、マーケット調査を怠らず、他社にはない商品機能や価格、サービス内容などをアピールしていきましょう。短期で改善したい場合には、自社製品のターゲット層を絞り込み、重点的に販促活動をするといった方法もあります。

リピーター獲得の対策が不足している

商品やサービスに不満がなくても、再度の購入を促す工夫がなければ、リピート購入にはつながりにくくなります。再び購入したいという気持ちになってもらうためのキャンペーン、PR活動などを検討してみましょう。

画像リンクの例 画像リンク

ECサイトでのリピート率を上げる方法

ECサイトの運営で重要なリピート率の向上。どのようにすれば上がるのでしょうか。その施策を紹介します。

リピート率を分析する

まずは、現状のリピート率をきちんと算出し、分析する必要があります。例えば、リピート率の推移を確認し、施策の効果検証を実施することも、その一環です。リピート率の向上がみられた施策については継続することもできますし、さらにブラッシュアップすることもできます。

逆に、成果が出なかった施策については問題点を洗い出しましょう。そのうえで、新たな施策を考えます。

そのほか、顧客データをもとにして、リピート率の高い顧客属性を把握することや、リピート率の高い商品を特定することもおすすめです。このようにして顧客のニーズを把握し、より効果的な施策が打てれば、リピート率の向上が見込めます。

CRMに取り組む

Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)を略した「CRM」は、顧客と良好な関係を築くことを目的としたアプローチ手法です。顧客の状況を把握して適切にアプローチできれば、リピート率も上がるでしょう。

例えば、下記のような施策が挙げられます。

  • 購入日からの日数に応じたメール・DMを送付する。
    • 購入日から日の浅いタイミングでは、商品の使用方法や商品レビューなどを伝える。
    • 2回目を購入するタイミングで、継続購入することのメリットを伝えたり、お得なクーポン・キャンペーンの案内をおこなったりする。
  • 顧客の誕生日に、お祝いメッセージとともにクーポンを発行する。

ほかにもアイデアはあります。自社製品に合ったアプローチ方法を考えてみましょう。

顧客満足度を上げる

リピート購入してもらうためには、商品への満足度の高さは欠かせない要件です。リピート率が低い場合には商品を見直し、改善点がないかを確認します。口コミやアンケートなどを活用して、顧客のリアルな声を拾い上げて分析し、改善をはかりましょう。

また、さまざまなチャネルで顧客との接点をもち、ブランドに親近感や好感をもってもらうことも、顧客満足度、ひいてはリピート率の向上へとつながります。

例えば、メルマガ購読やLINEの友だち追加、自社アプリへの誘導といったことが挙げられます。会員制度を設定し、会員限定価格での購入、購入価格に応じたランクで特典の付与といった仕組みもおすすめです。

ECサイトのリピート率を上げる施策はプロに相談するのが1番◎

リピート率の計算方法や重要性、業界別のリピート率、リピート率を上げる方法について解説しました。リピート率を向上させることは、安定したEC運営はもちろん、売上拡大のためにも欠かせないことです。

しかし、リピート率の分析の方法や効果的な施策は商材ごとに異なるため、施策の実施に向けた体制づくりには、時間と労力を要します。さらに、リピート率向上に取り組むためには専門的な知識も必要です。自力で取り組むには、ハードルが高いといっても過言ではないでしょう。

そこでおすすめしたいのが、マーケティングの専門家やECサイトを運営するプロのサポートを受けることです。とはいえ、そういった事業者を探すのも大変ですし、予算などの兼ね合いもあるためスムーズに見つかるとも限りません。

そんなときに役立つのが、ECのミカタです。

ECのミカタでは、EC運営のプロである運営代行会社やコンサルティング会社と、EC販売事業者をつなぐマッチングサービスを提供しています。

しかも、ECサイト運営事業者の利用は無料です。

ECサイトの運営はこのような売上アップの施策はもちろん、集客や業務効率化なども最適化していく必要があり、自社の力だけで売上拡大を目指すのは至難の業です。

ビジネスの成長加速に最適なパートナーと最短で出会えるECのミカタを、ぜひ利用してみてくださいね。

EC運営の無料マッチングサービスのお問合せはこちらから