売れるECサイトの商品ページとは?作成のコツから媒体別の作成方法まで徹底解説

ECのミカタ編集部

商品ページの作成前に必要な準備

多くのユーザーは商品ページから商品の情報を取得して購入するかどうかを決めます。そこで大切なのが、「必要な情報が網羅されている商品ページ」であること。ユーザーが購入しやすい商品ページにするためにも、以下の項目を事前に準備しておきましょう。

商品の基本情報


商品ページには、次のような基本情報が必須です。
 ●商品名
 ●商品の写真
 ●送料
 ●商品紹介のためのリード文
 ●サイズ、カラーバリエーション、特徴
 ●材料、成分
 ●価格

これらの基本情報はすべての商品ページに記載する内容となります。また、自社ECサイトかECモールでの出品なのかに関わらず、できるだけ多くの情報を整理して伝えることが大切です。基本情報が多くて文章にするとわかりづらい場合は、箇条書きや表を作成するなど工夫してみましょう。

商品の登録


あらかじめ洗い出した商品の基本情報を、ECサイトに登録していきます。このとき、商品ページの見やすさを考慮するのはもちろん、できるだけ管理しやすい状態にしておくのがおすすめです。たとえば、Tシャツを販売する場合であれば、「サイズ」と「色」にわけて、それぞれの在庫数を登録します。

情報を細かくするほど登録時の手間はかかりますが、管理のしやすさと機会損失を防ぐためにも意識しておきましょう。あまりに点数が多い場合は、商品登録代行を利用するのも1つの方法です。

商品のターゲット設定


商品ページを作成する際は、「商品を購入するであろうターゲット」を設定しておきましょう。ターゲットを設定しておくことで、より魅力的で売れやすい商品ページになります。年齢や性別、職業、年収、世帯人数などからセグメント(分類)して、ユーザーの現状を具体的に想像してみましょう。

たとえば、「痩せたい」という同じ悩みでも、男性なら「かっこよく」、女性なら「美しく」というように、響くポイントが異なります。このような違いがわかるのは、ターゲットを明確にしているからにほかなりません。ターゲットを明確にするからこそ、デザインやキャッチコピー、商品説明文で訴求すべきポイントが明確になり、”刺さりやすい”商品ページを作りやすくなります。

競合商品のリサーチ


ECサイトを成功に導く1つの要素として、「競合商品との差別化」があります。競合商品がどのような商品ページで販売されているのかを事前にリサーチし、自社商品の強みや差別化ポイントを把握しましょう。

もっとも簡単なリサーチ方法は、実際に商品名で検索してみることです。検索でヒットした商品ページをみて、どの部分がわかりやすく、逆にどの部分がわかりづらいかなどをチェックしてみましょう。競合商品の商品ページをそのままコピーするのはNGですが、よいと感じた部分を自社ECサイトの商品ページに取り入れるのもよいです。

商品画像の用意


商品ページには、ターゲットに「欲しい!」と思ってもらえる画像を用意しておきましょう。商品画像がない、もしくは商品イメージがわからない商品ページはユーザーに不安を与えることになります。

多くのユーザーは思っているよりも不安に対して敏感なため、商品画像が1枚違うだけで売上が変わることもめずらしくありません。

また、商品ページの画像以外にも、広告用のバナーやカテゴリーリンク用のバナーなど、サイト内のさまざまなパーツに商品画像を使用します。どのような商品なのか?使用したときにどう見えるのか?など、イメージしやすい商品画像を用意して、ユーザーに安心感を与えて購入されやすい商品ページを作りましょう。

売れる商品ページに必要な要素

売れる商品ページには、いくつかの必要な要素があります。これらの大切な部分を見逃してしまうと、売れない商品ページになりやすいため、注意すべきポイントともいえるでしょう。

ここでは、売れる商品ページに必要な要素を紹介します。

ターゲット層へ向けたデザイン


ECサイトの商品ページは、ターゲット層へ向けたデザインにしましょう。「対象者を限定すると、売れなくなるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。とくにECサイトは視覚からの情報がすべてとなるため、いかに「自分に必要なものだ」と思ってもらえるかが重要です。

たとえば、シンプルなTシャツを販売する場合なら、「20代の女性ならポップで明るいイメージ」「40代の男性なら落ち着いたイメージ」という感じで配色やイメージ画像、キャッチコピーなどが考えられるでしょう。このようにターゲットを軸として商品ページを考えると、自然とどのようなデザインにするべきか判断しやすくなります。

ファーストビュー(メインビジュアル)


ファーストビューは、商品ページが表示されたときにユーザーが最初にみる画面(エリア)のことです。表示された画面に対して興味がわかなかったり、印象が悪かったりすると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。そこで、ユーザーの興味関心を惹きつける画像やキャッチコピーなど、メッセージ性をもつ情報でアピールしましょう。

ファーストビューは、そのページの続きを読んでもらうための重要な役割をするエリアとなるため、ユーザー自身の気持ちを考慮して作ることが大切です。

CTA(購入)ボタンのデザイン・位置


ECサイトにおけるCTAボタンは、「購入」「注文」「カートに追加」などの購入につながるボタンリンクのことで、できるだけわかりやすく明確にしておくことが重要です。というのも、せっかく商品を購入したいと思ったユーザーがいても、CTA(購入)ボタンが見つけられなければ、大きな機会損失となりかねません。

扱う商品やサイトデザインによって異なりますが、色や文言、サイズ、位置などを工夫してみましょう。

また、CATボタンは「設置すればよい」というものではありません。設置したあともABテストをおこなうなど、少しずつ改善してコンバージョン率を高めましょう。

キャッチコピー


ターゲットの心をつかむようなキャッチコピーを掲載し、注目を集めましょう。とはいえ、パッとみるだけで興味がわくようなキャッチコピーを考えるのは思いのほか難しいものです。そこで、キャッチコピーを考える際は、以下のポイントを意識してみましょう。
 ●ターゲットを絞る
 ●感情に訴えかける
 ●リズム感を大切にする
 ●ベネフィットを提示する
 ●数字をうまく使う
 ●ストーリー性をもたせる

商品情報(コンテンツ)の充実


商品に関する情報を充実させることも、売れる商品ページに必要な要素です。商品名や色、サイズ、特徴、機能といった基本情報に加えて、商品にまつわるコンテンツを充実させることで、より商品やブランドを身近に感じてもらえるようになります。

たとえば、購入後の使用方法や使用時のコツ、効果的な使い方などの商品自体に関することでもよいですし、生産者の声や商品ができるまでの開発ストーリーなどもよいでしょう。

お客様の声(商品レビュー)


どのような商品でも、多くのユーザーは購入前に「失敗したくない」と考えています。そこで、商品を購入したお客様の声を掲載しておきましょう。

実際に使ったことのある顧客からの声を提示することは、購入を迷っている意思決定の手助けになります。レビューの内容によっては、関連商品の追加購入につながることもあります。

読み飛ばしても印象に残るページ設計


多くの現代人は忙しく、すべての情報をじっくり読んでくれるユーザーは、ほぼいないと考えるべきでしょう。そこで意識したいのが、読み飛ばしても印象に残るページを作ることです。

イメージ画像や見出し、装飾などを工夫して、忙しいユーザーがスクロールしても全体像が把握できるようなページ作りを心がけましょう。

サイトの回遊性


商品に関連するキーワードを検索してたどり着いたユーザー、もしくはSNSから集客したユーザーのどちらであっても、商品ページをみて「購入する」もしくは「購入しない」を判断することになります。

しかし、1つの商品ページだけをみて離脱されるのは少々もったいないといえるでしょう。というのも、実店舗と同じように、ECサイト内にはほかにも取り扱っている商品があるはずです。

そこでレコメンド機能を設置したり、セールページのバナーを貼り付けたりして、ほかのページにもアクセスを集める工夫をしてみましょう。商品ページ単体で考えるのではなく、全体を通して回遊しやすいサイト設計を意識すると、売上につながりやすいECサイトになります。

サイト全体のページ速度


ECサイトでは、ページが表示される速さも重要です。表示速度が遅いと離脱率・直帰率が高くなるだけでなく、検索エンジンからの評価も下がってしまいます。

Webサイトの表示速度を測定してくれる「PageSpeed Insights」などのツールを使って、自社ECサイトのページ表示速度を測ってみましょう。

サイトの表示速度をあげるには、画像サイズを圧縮したり動画の埋め込み方法を変えてみたりと、さまざまな方法があります。また、改善ポイントを提案してくれる測定ツールもあるため、指定された項目のなかで優先度の高い内容から対応していくとよいでしょう。

興味関心を持ってもらえるような商品説明文を書く

売れない商品ページによくあるのが、「商品の特徴やスペックのみを書く」ということです。もちろんこれらは商品情報として欠かせない内容ではありますが、それだけでは売れる商品ページにはなりません。ここでは、商品説明文を作成する際のコツを3つ紹介します。

商品説明には「6W2H」のフレームワークが有効


商品についての情報を正確かつ漏れなく記載するためにも、「6W2H」を活用しましょう。「6W2H」とは、8つの項目で構成されるフレームワークで、以下の要素を整理して盛り込みます。
 ●What(なにを)・・商品情報
 ●When(いつ)・・発売日、発売期間、セール期間
 ●Where(どこで)・・販売する店舗、メルマガ、原産地情報
 ●Who(誰が)・・ショップ名、生産者、メーカー
 ●Whom(誰に)・・ターゲット像
 ●Why(なぜ)・・ 商品の価値、ストーリー、
 ●How(どのように)・・商品の選び方・買い方、お客様の声
 ●How much(いくらで)・・価格、セール価格

これらの項目に商品の情報をすべて当てはめるためには、しっかりとユーザーが感じる疑問点を洗い出す必要があります。ユーザーの立場に立って疑問点をすべて洗い出すことで、「不安を感じさせない」商品説明文を作成できるようになるでしょう。

商品の魅力はどこか?ベネフィットから提示する


商品の魅力を伝えるためにも、最初にどのようなベネフィットがあるのかを提示しましょう。ベネフィットとは、その商品を購入することでユーザーが得られる価値のことです。似た言葉に「メリット」がありますが、メリットは商品の長所や利点を説明するもので、ベネフィットとは若干異なる意味で使われます。

ベネフィットは以下の3種類にわけられ、商品やターゲットによって使い分けることで最大限の効果に期待できるでしょう。

 ●機能的ベネフィット・・簡単、軽い、安い、美味しい など
 ●情緒的ベネフィット・・楽しい、安心する、幸せ など
 ●自己実現ベネフィット・・自信が持てる、自分らしくなれる など

商品説明は「お客様目線」が有効


商品説明文を作成する際に「スペックやメリットしか思いつかない」という場合、お客様目線が欠けているのかもしれません。「商品を売りたい」という気持ちが先行すると商品のよさを伝えようとしすぎて、ターゲットが本当に知りたいと思っている情報が欠如してしまうことがあります。

しかし、あくまでも商品説明はターゲットのためのものです。そのため、お客様目線で商品説明文を読んだときに、「価値を感じられるか」「購入したあとの未来がイメージできるか」などを常に確認しながら作成しましょう。

実績は積極的に提示する


商品やブランドに何らかの実績があれば、積極的に提示するのがおすすめです。商品ページで購入を迷っているユーザーにとって販売個数や受賞歴などの実績は、不安をやわらげる要素の1つとなります。

ECモール内での「デイリーランキング」や「週間ランキング」なども立派な実績のため、ランクインした経験があれば提示しておくとよいでしょう。

魅力的な商品画像を用意する

売れる商品ページを作るには、魅力的な商品画像が必須です。どんなによい商品でも、画像から魅力が伝わらなければ購入されることはありません。

魅力的な商品画像を用意するためにも、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。

社内で賄えない場合はプロに依頼する


商品の撮影が社内で賄えない場合は、プロのカメラマンに依頼するのがおすすめです。
「最近のカメラは性能がよいので、誰が撮影しても同じ」と思っている方もいるかもしれませんが、やはりプロが撮影した商品画像は魅力的にみえるもの。

また、本格的な商品画像を用意するには撮影テクニックだけでなく、機材を揃えなければなりません。しかし、プロのカメラマンが使用するような機材を揃えるにはコストがかかりますし、社内スタッフが使いこなせるとも限らないでしょう。

コストをおさえたい場合はメイン画像のみプロにお願いするなど、バランスがとれる最適な方法を考えるのがおすすめです。

撮影前にどんな写真にしたいかイメージをしておく


商品の撮影前には、どのような写真を掲載したいのかイメージしておきましょう。撮影時に構図や撮り方を考えていると、効率が悪くなります。

また、実際に商品ページを作り始めてから「こんな写真が欲しい」というイメージが湧いてくると、再度撮影が必要になるかもしれません。どのような画像が欲しいのかを事前に洗い出し、チェックリストを作っておくと撮影漏れが無くなります。

イメージ写真+ディティール写真は併用する


ECサイトの商品画像は、モデルが着用・使用している「イメージ写真」と、商品単体で撮影する「ディティール写真」を用いるのが一般的です。

イメージ写真は商品を使っている姿や使用した場合にどうなるのかなど、購入前のユーザーの想像力を膨らませるのに有効で、ディティール写真は商品の色、形、細部などを伝えることを目的としています。両者は異なる役割をするため、どちらも用意しておきましょう。

【媒体別】商品ページの作り方

「ECモールでは、どの商品ページも変わらない」と思っている方も多いでしょう。しかし、実は自社ECサイトと同じように、ECモールでの商品ページの作り方によって、売上が変わることもあります。ここからは、媒体別に商品ページを作る際のコツを紹介します。

楽天市場


楽天市場では、検索結果に競合商品が一覧で表示されます。そのため、とくに重視したいのが「競合商品との差別化」です。検索結果に表示されるサムネイル画像には重要な情報を盛り込み、一目でユーザーの注目を集めて流入を増やしましょう。

また、商品ページではターゲットが重視する情報を大きめの文字にしたり、「当ショップでの購入がお得」という視点で優位性を示したりするのもよいです。
楽天市場は「楽天サーチ機能」によって、ユーザーが入力したキーワードと関連性の近い商品が表示される仕組みとなっています。そのため、商品名と商品説明文に商品に関するワードを盛り込むなどのSEO対策にも取り組みましょう。

amazon


Amazonの商品ページでは、出品者が設定できる項目が限られています。具体的に設定できる項目は「商品画像」「タイトル名」「販売価格」「商品説明文」「商品仕様文」などで、これらのなかで出品者は商品をターゲットにアピールしなければなりません。

また、Amazonでは、メーカーや業者が作成した商品説明文・商品画像を使っている出品者も多いです。そこで、あえてオリジナルの商品説明文や商品画像を用意して、競合商品との差別化を図るのもよいでしょう。

Yahoo!ショッピング


Yahoo!ショッピングで商品ページを作る際は、特徴がはっきりとわかる商品画像を用意し、商品タイトル・商品説明文に情報を盛り込みましょう。

Yahoo!ショッピングを利用する多くのユーザーは、検索結果やカテゴリリストから商品ページへと流入します。しかし、商品ページにアクセスしたすべてのユーザーが商品を購入することは基本的にありません。そのため、最初に訪れた商品ページで「買わない」と判断したユーザーがほかのページにも興味をもつよう、回遊率を高められるようにサイトを作り込むことも重要なポイントとなります。

Shopify


越境ECに強いShopifyは、有料のデザインテンプレートやアプリを積極的に活用して売れる商品ページを目指しましょう。情報を整理してシンプルでわかりやすいページ構成にすると、購入されやすくなります。

また、Shopifyの大きな特徴ともいえるのが、決済方法の豊富さとセキュリティの高さです。ユーザーに「このショップなら安心して購入できる」と思ってもらうためにも、運営者とショップの信頼性を高める情報をしっかり記載しておきましょう。

BASE


BASEは簡単にショップを開設できるテンプレートやアプリが豊富に揃っています。その一方でカスタマイズ性が低く、選んだデザインテーマでショップの全体構造が決まるといっても過言ではありません。とはいえ、ロゴ画像やキャッチコピーを設定したり、連携したSNSを積極的に運用したりと、できることはたくさんあります。

また、競合商品よりも魅力的な商品画像を用意し、思わずクリックしたくなるような画像をサムネイルに設定することも大切です。商品名・商品説明文は伝えたいことを簡潔にまとめ、一目でどのような商品なのかがわかるようにしましょう。

まとめ

モノが溢れる今、まったく競合がいない商品というのは、ほぼないと考えてよいでしょう。そのため、ECサイトで売れる商品ページを作るには、競合商品をリサーチして差別化を図ったり、お客様目線に立って考えたりと、さまざまな工夫が求められます。販売する商品のターゲットを設定し、訴求力のある画像やキャッチコピー、商品説明文を用意して、売れる商品ページを目指しましょう。


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