ヤマト運輸、三重県との連携で県産品を世界に運ぶ!

利根川 舞

記者の論点:島根県に続き三重県とも協定を結んだが、両者それぞれの「良さ」をアピールしていく協定となっている。

 三重県とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(以下「ヤマト運輸」)、ならびにANAホールディングス傘下の株式会社ANA Cargo(以下「ANA Cargo」)は、伊勢志摩サミット開催で国際的な知名度が高まる中、地域経済の活性化を図るため、「三重県産品の販路拡大に向けた連携協定」を締結し、昨日県庁にて調印式を行った。

三重県は、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれ、古来より多様な食文化を育んでおり、伊勢エビやあわびなど日本を代表するブランド商品を多数有している。また、伊勢神宮・忍者・海女など三重県ならではの歴史や文化を楽しもうとする訪日外国人旅行客の増加や、今年5月の伊勢志摩サミット開催を控え、海外からの注目も高まっている。昨年11月にはANAホールディングスと観光振興や県産品の販路拡大について「包括連携に関する覚書」を締結し、さらに、香港やシンガポールなどアジア圏への販路拡大を狙う県内事業者を支援するため、那覇空港までの国内輸送費を助成する全国初の制度「沖縄国際物流ハブを活用した三重県産品輸出支援事業」を創設した。

ヤマト運輸とANA Cargoは、平成26年5月からパートナーシップを強化し、沖縄国際物流ハブを基点とした、アジア圏へのスピーディーかつ高品質な輸送ネットワークを構築し、日本全国の「旬」の食材を鮮度を保ったまま配達する「産直・お取り寄せモデル」の具現化の支援などに取り組んでいる。

このたび、三重県とヤマト運輸、そしてANA Cargoは連携協定を締結し、それぞれが有する資源やノウハウを有効活用して、三重県産品のアジア圏における物流と商流のネットワークを拡充し、県内事業者の販路拡大に向けて連携して取り組んで行くという。

今回締結された「県産品の販路拡大に向けた連携協定」での主な三重県の役割は、「沖縄国際物流ハブを活用した三重県産品輸出支援事業」に参画している県内事業者を対象に、県内から那覇空港までの国内輸送費を最大50%助成する。さらに、公益財団法人 三重県産業支援センター等と連携し、県内事業者と海外バイヤーをマッチングさせる商談会でのビジネスサポートを通じ、県内事業者の販路拡大を支援する。

一方、ヤマト運輸とANA Cargoは、アジア圏へ最短翌日に輸送する国際間の小口保冷輸送サービス「国際クール宅急便」などの輸送サービスを通して、高品質な県産品の販路拡大を支援する。また、県内事業者が海外とのビジネスを積極的かつ安心して展開できるよう、輸出支援セミナーの開催や輸出時に必要な書類の作成など事務手続きの支援を行うという。

各地を盛り上げるヤマトの取り組み

 ヤマト運輸は昨年10月には島根県、ヤマトホームコンビニエンスと地域活性化や県民サービスの向上のための「包括的業務提携協定」を締結した。この島根県との「包括的業務提携協定」によりヤマト運輸は島根県のご当地キャラクターを使用したオリジナルデザインの送り状や宅急便BOXの制作などを行っている。また、ヤマトホームコンビニエンスは島根県への移住及び定住の促進を支援している。

三重県産品の販路拡大に向けた支援や島根県の観光地・居住地としてのアピールなど、都道府県に合わせた支援で各地を盛り上げていこうという取り組みは、地方経済を盛り上げるためには必須であると考えられる。

また、今月上旬にはヤマト運輸と伊勢丹シンガポールならびにANA Cargoはシンガポールで越境ECサイトを開設し、「お取り寄せ」モデルの実現に向けての取り組みを開始。第一弾の商品はは福岡県産「あまおう」であるが、今後三重県産の食材が取り扱われていくかもしれない。島根県での取り組みでは輸出支援セミナーも行われるということなので、今後輸出を考えている三重県の事業者はぜひ参加してみてはいかがだろうか。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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