世界初!メガネスーパーがVeAssistモバイル版導入

石郷“145”マナブ

 せっかく来たお客様の興味関心を失わせることなく、また、離脱させることなくいかに惹きつけ続けるか。ECサイトはこの部分に関して、これまで以上に意識しなければならなくなっているように思う。理由は言うまでもない。そのための仕組みがどんどん進化しているから、だ。株式会社メガネスーパーが運営する「メガネスーパー公式通販サイト」は、世界で初めて、VeAssist(ヴィ・アシスト:以下、ヴィ・アシスト)のモバイル版を導入して、そのジャンルに先鞭をつける。

ヴィ・アシストとは何か?その効果とは?

 ヴィ・アシストとは、商品詳細ページ等からの離脱を防ぐことを目的として、閲覧していた商品に関連するほかの商品をレコメンドする機能。Ve Interactive(本社:イギリス 日本法人:Ve Japan株式会社)が提供している。ユーザーが興味を持っていそうな他の商品を表示することでサイトへの滞在を促し、コンバージョンへ導く。またVeAssistは検索機能を持ち、サイト内の商品検索をすることもできる。この機能に関して、モバイル版は存在していなかったが、提供され、メガネスーパーがいち早く対応させたというわけだ。

 実際、効果のほどは、どうなのだろう?これまで、同社は、PC版ではVeAssistを取り入れているが、VeAssistによる購入はスマートフォン経由では 71%を占め、タブレットは 12%、デスクトップは 17%となっている。自社 EC サイト全体の 63%がスマートフォンから商品を購入しているが、 VeAssist 経由の商品購入はスマートフォンからの購入比率がさらに高くなる傾向にある。

 さらに、通常の自社 EC サイト全体の新規ユーザーの購入比率は 35%に対し、VeAssist 経由の新規ユ ーザーの割合は 69%となっており、新規のユーザーの獲得にも効果が出ている。 また、商品詳細ページの離脱率は 19.1%から 18.6%に改善している。

お客様を集めたその後にこそ、チャンスがある。

 メガネスーパーというと、言うまでもなく実店舗の存在が思い浮かぶ。だが、思うに、だからこそこの会社は常に店員がリアルにお客様と向き合い、お客様の気持ちに、どう応えられるかに向き合ってきた。おそらく肌感覚で、入ってきたお客様をどうやっておもてなしをするかに関しては、どこよりも強く意識しているように思う。メガネスーパーの自社 EC サイトは、平成 28 年 4 月期 第 3 四半期累計期間の売上前年比 152% と成長を続けているが、そういう姿勢が発揮されているのも、その要因の一つではないか。事実、同社は、ZenClerkやFLIPDESKなどWeb接客ツールなどの導入に積極的である。

 勿論、商品の品揃えなども重要であるが、これからの時代を思えば、接客なのではないか。来るスマホの時代に、いかに、適切な接客をするか、という部分にこだわりを見せる、メガネスーパーの姿勢に、ECの未来が見える。EC店舗もまた、接客の重要性を考えてみてはいかがだろうか。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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