【朝刊】見過ごしではいけない、EC業界の不正行為（4月20日版）

楽天市場が取り組む「安心・安全に向けた取り組み」

　今日注目したいのは、EC業界における”不正”の話だ。

　昨日より3連載として掲載を開始したのは、楽天株式会社（以下、楽天）が開催した「安心・安全に向けた取り組み」に関するセミナーについて。1本目となる昨日の掲載分では、”模倣品の取り締まり” に関して楽天市場事業 上級執行役員 河野 奈保氏の講演内容がまとめられている。

　少し驚いたのだが、楽天市場では、偽造品販売と知的財産権侵害行為を理由に、過去1年間で500に近い店舗に対し、「契約解除」という措置を取ったというのだ。つまり、楽天市場において不正行為を働いている店舗が少なからず存在するということだ。楽天市場として模倣品を排除、安全なショッピングができるよう取り組みを進めていると言い、出店店舗と協力して品質の管理・維持・好評に常に取り組んでいく姿勢だ。

　もう1件、詳細は近日の公開予定ではあるが、購入者側の不正”EC万引き” について興味深いお話を伺ったので、この場で少し触れておきたい。購入者の不正とは、クレジットカード決済や後払い決済など、商品の到着後に支払いが発生する取引において商品だけを受け取って、支払いをしないことを指す。ここで注意したいのは、うっかり支払いを忘れたのではなく、意図的に支払っていない点だ。このように不正に入手された商品は、多くの場合CtoCマーケットなどで転売されているという実態があるのだそう。

　上記2件の話題から思うことは、ひょっとすると、EC業界は不正や犯罪に対する注意や警戒心が少し足りていないのかもしれないということだ。今回の2つの話題にECサイトは直接挙がっていないが、気づかぬうちに不正に巻き込まれているということもありうる。ECという特性上、人物や行動が見えにくい。それゆえに見たくないこと、不都合なことはなかったこととしてしまっていないだろうか？実店舗であればどんなに小さなお店でも玄関の鍵をかけるのに、ECサイトは玄関が開けっ放しになっている。もしかしてそんな状況なのかもしれないと不安を覚えた。今後も着実にEC業界が拡大していくためには、”不正”は最小限に抑えたいもの。そのために必要なのは、モールや店舗、購入者も含めて、EC業界で起こっている”不正”にもう少し、目を向けてみることなのかもしれない。

昨日4月19日のNews一覧

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