再春館製薬所、地域に根ざした復興支援スタート

利根川 舞

「今後も熊本になくてはならない会社」再春館製薬所

 4月に発生した熊本地震の震源地である熊本県益城町に本社を構える株式会社再春館製薬所(以下「再春館製薬所」)が、今回の震災において被災し稼働停止となっている「益城町学校給食センター」の学校給食支援として、弊社「社員食堂」から6月6日(月)より7月27日(水)までの37日間、益城町の小中学校全7校を対象に1週間で約3,300食の温かい汁物等のおかずを給食として提供するという。

 益城町の小学校は5月9日より授業を再開し、その翌週、5月16日から給食を再開。ただし、5月31日まではパンと牛乳などの簡易給食、6月1日からは業者の弁当となっており、当面の給食センター再開の見通しは立っていないという。そこで、熊本県体育保健課から「社員食堂」を有する再春館製薬所へ相談があり、今回の支援が実現した。

 再春館製薬所では、社内で社員食堂を運営しており、毎日約1,000食の食事を社員に提供している。今回、社員食堂の「少しでも栄養価が高く、温かいものを食べてもらいたい」という想いから、1学期が終了する7月27日までの37日間、1日に1~2校、1週間で約3,300食の温かい汁物のおかず(豚汁やコーンクリームスープ、カレースープなど)を週替わりで提供するそうだ。

 また、現在再春館製薬所で社員食堂を担当する社員はパート勤務を含め23名在籍しているが、今回の学校給食支援に伴う人員の不足も想定されることから、学校給食センターの稼働停止に伴い退職を余儀なくされたパート勤務の方を再春館製薬所パート社員として雇用した。

 そして、再春館製薬所は「今後も熊本になくてはならない会社」として地域復興に長く向き合っていくために、6月1日より、新設部署「復興支援部」の稼働も開始。避難者の「心のつながり」を育めるような地域支援活動を続け、再春館製薬所のこれからの活動が「元気な熊本」を取り戻す一助になれるよう、より一層努めていくという。

 もともと熊本市で設立した再春館製薬所。1993年の冬から敷地内でイルミネーションイベントを開催し、ヒルトップへの移転後も「サンクスイルミネーション」として開催。残念ながら、昨年のイルミネーションがラストとなったのだが、地元熊本への感謝、愛が感じられる。

EC通販企業だから、できること。

 今回の震災に際し、多くの企業が支援を行ってきた。再春館製薬所では、元々地域に根ざしており、社員食堂を持っていたからこその支援であった。例えば、離れた地にいるEC通販業者は何ができるのか。その答えが”インフラ”にあるような気がする。

 まず、EC通販業者というのは、誰もが商品を届けるためのインフラを持っている。今回の震災でも、配送業者が対応できないほどの物資が急に集まってしまったりと、話題になっていたが、もともと倉庫や配送業者とのつながりを持っていることで、現地のインフラが整ったのと同時に支援物資を送ることも可能なのではないだろうか。もちろん、タイミングを間違えば現地の混乱を招くことになる。現地との綿密な連絡が絶対となる。

 続いては、ITインフラだ。企業として、募金を始めようとした時に、0から始めるのでは動線が確保しづらい。しかし、初めからインターネット上にページを持っていれば、そこから告知もできるだろう。もし、余裕があるのであれば、売り上げの一部を募金へという形をとることもできる。もちろん、これらの方法が全てというわけでなく、その状況に合わせた支援が必要となる。

 インターネットで商売をしているからこそ、できることがあるのでは、と思うことが度々ある。それは「地方創生」などでも同様なのだが、EC通販企業は、地元にいながらも世界を相手にして商売をし、人を雇い、地元の経済を回すことができる。EC通販企業だからこその強みがそこにはあるのだ。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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