【食べてみた】「小倉屋松柏」から学ぶ本当の顧客満足とは

ECのミカタ編集部

店長 松下浩一郎さん

乾燥あかもくをいただきました

 インターネットがようやく普及し始めたころに、EC店舗を始めた店舗がある。それは、大阪で天然真昆布や天然わかめなどを販売している株式会社 小倉屋松柏「昆布専門店 小倉屋松柏」だ。

 以前、記事でも取り上げた「てるくにでんき20周年パーティ(https://goo.gl/jWE003)」にて、「小倉屋松柏」の店長である、松下浩一郎さんにお会いすることができ、「良かったら、これ食べてください。」と「乾燥あかもく」をいただいた。

「乾燥あかもく」

 私たちECのミカタ編集部は、日々EC店舗さんに向けた情報を発信する立場でありながら、EC店舗さん一店一店にフォーカスした店舗取材も行っている。しかし、そうした店舗さん達が販売している商品を実際に、手にとって、食べてみて、使ってみて、ということはできないでいた。

 今回、「小倉屋松柏」の松下さんからいただいたあかもくを実際に食べてみて、「小倉屋松柏」の魅力に触れてみたいと思う。まず、「小倉屋松柏」はどういった店舗なのだろうか。

早さだけが重要じゃない。”勘違い”をなくしていくということ

 「小倉屋松柏」は、松下さんの祖父が大阪の梅田に実店舗を構えたところから始まった。そして、約40年前から大阪の茨木に実店舗を移し、松下さんは2000年からECサイトを始めた。

 「当時、ホームページ作成ソフトである”ホームページ・ビルダー”を使ってECサイトを作成したものの、買い物カゴの機能を付ける方法がわからず、小倉屋松柏のECサイトにはしばらくお問い合わせフォームしかありませんでした。そうしてECサイトを立ち上げてから今年でもう16年。今では、実店舗を抑えてEC店舗での売り上げが順調に伸びています。」

 そうして売り上げを伸ばしている「小倉屋松柏」だが、松下さんは”インターネットで商品を販売する”からこそ気を付けていることがある。

 それは、店舗と顧客の間での”勘違い”だ。実店舗であれば、顧客自身で欲しい商品を選定し、それに合わせた要望などを店舗側が直接聞くことができるが、ECではその一連の流れが不透明になりやすい。

 そのため「小倉屋松柏」は、ECで注文のあった商品は当日発送を行わず、半日から1日ほど時間を置き、顧客に対して電話で注文内容を確認する。実際に、過去には即日配送を対応していたが、顧客との”勘違い”が発生したことがあった。

 「地域に根付いた実店舗とは違い、インターネットがあるところならばどこでも買い物をすることができるEC店舗では、地方のお客様からのご注文も多く入ります。すると、イベントごとの習慣や時期が地方によって異なってくるので、店舗とお客様の認識のズレから”勘違い”が生まれてしまうこともありました。ご注文に対して早く対応することも大切ですが、店舗のクオリティを上げるためにはただ”早い”だけでは足りないと思います。」

あかもくとちりめん山椒の丼

 ECサイトで注文した荷物は最短で即日届くという環境が当たり前になってきているなかで、「”早い”ことが結果としてお客様の満足に最大限に繋がっているか?」ということを考え、一度立ち止まる。そうした「小倉屋松柏」の心遣いには、顧客を思いやる商売の基礎が感じられる。

 また、問い合わせなど早く対応しなければいけないところは素早く対応するのも、「小倉屋松柏」のこだわりだ。全ては、ECという相手の見えない環境から”勘違い”を生み出さないためなのだろう。

 さて、次のページではそんな「小倉屋松柏」から頂いた「乾燥あかもく」を実際にECミカタ編集部で食べて、「小倉屋松柏」の魅力に迫ってみた。

食べて実感、「小倉屋松柏」の真心とは

 松下さんに「乾燥あかもく」の美味しい食べ方を聞いてみたところ、「ちりめんじゃこと一緒にご飯の上にのせて食べるのが美味しいですよ。」とのことだったが、生憎、ちりめんじゃこが手に入らなかったため、シラスと鰹節と一緒にご飯の上にのせていただいてみた。

「乾燥あかもくとしらすごはん」

 「あっ、あかもくってこんなに食べやすいんだ。」と、思ったのが最初の一口。そして、この記事を書いている間にも、思い出すだけでお腹が空いてくるくらい、しらすとの相性も抜群で美味しかった。

 混ぜご飯にしても美味しそうだな~と、料理のレパートリーも膨らんでくる。また、編集長以外の記者全員が女性であるECのミカタ編集部内でもあかもくをお味噌汁に入れてみたりと、使いやすいだけでなく、手軽に健康を取り入れられることが非常に好評だった。

 ちなみに、様々な料理に使え、手軽に健康も取り入れられる「乾燥あかもく」は、「小倉屋松柏」でしか手に入らないのでお早めに。

 インターネットが無い時代から、ずっと愛されてきた「小倉屋松柏」。インターネットが普及してからも、変わらず愛され続けるその理由は、商品の良さだけではない。

 全国に商品を届けるという意識のもと、”勘違い”を生み出さないという姿勢が多くのファンを作っているのだろう。その姿勢とは、配送の”早さ”ばかり重視されている現代の流れにのるよりも、何が一番お客様のためになるのかという、顧客満足を最優先で考える姿勢のことだ。

 そうした姿勢を持ち続け、ECサイトを始めてからすでに16年の時が経った。時間は経っても「小倉屋松柏」の商品は、何か特別な変化を遂げるわけでもなく、とてもシンプルなのだ。

 しかし、そのシンプルな商品の中にも温かみがあるのが何故か伝わる。その温かみとは何か、真心なのだ。その「小倉屋松柏」の真心には、他のEC店舗も学ぶことが多いのではないだろうか。


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