独占ペイジェントとコイニーの提携の秘策〜DeNA近況4

石郷“145”マナブ

EC事業者朗報!manecoが決済をもっと身近なものへ

 気になるネット企業を追う「近況まとめ」シリーズDeNA。今回は、そのDeNAと三菱UFJニコス株式会社による共同出資の子会社、株式会社ペイジェント(以下、ペイジェント)の新サービスに迫る。実は、ちょうど昨日発表があったところだが、ペイジェントはコイニー株式会社(以下、コイニー)と業務提携契約を締結したのだ。

 というわけで、今日はペイジェントの塩原一慶氏に直撃し、話を伺った。この業務提携によって、新たに始まるサービスは「maneco(マネコ)」という。決済のプラットフォームを目指すとともに、このサービスで一人でも多くの人が儲かるようにと「招き猫」の意味を込めての名前だというのが親近感を沸かせる。
 
 さて、この「maneco(マネコ)」は何をもたらしてくれるのか。「このサービスがあることで、決済が多くの人にとって簡単で、スピーディで身近になる」と塩原氏。たとえば、ネットショップ事業者が、通常、決済を取り入れようとすると、まず申込から利用開始までに1ヶ月以上の期間が必要となるが、あらゆる工数を削減して、最短で4営業日で利用ができる(注:決済サービスの利用には、別途審査を行う。)。今までであれば、テスト環境を使う時ですら、NDA(秘密保持契約)を結んで、クライアント証明書を発行してなどの手続きを踏まえなければならなかったものが、すぐに使うことができるようになる。また、最初から月額料金を開示しており、いわゆる資料請求などの手間もなくなり、「maneco(マネコ)」に興味を持ったその時から、ネットショップ事業者が大体の予算感を思い描いて、この決済をすぐに導入しやすくなるというわけだ。

 また、このECサイトにおけるクレジットカード決済の導入にあたっては、RESTful APIを用いて行われることとなっており、これらは、簡易なコードを入れるだけで導入が可能となっている。様々なプログラミング言語向けのライブラリのほか、すぐに利用できるテスト環境とすぐに反映される管理画面を用意している。管理画面のUIにおける満足度が高く、そうした部分でも、事業者側の手間を一気に軽減した格好だ。

実は、実店舗では更に力を発揮。コイニーとの連携が活きる!

実は、実店舗では更に力を発揮。コイニーとの連携が活きる!

 ここまでの説明では、「maneco(マネコ)」は、ネットショップ事業者にとって、決済をすごくライトな感覚で、身近なものに変えてくれることはわかったが、さらに、ネットショップと実際のリアルなお店を持つショップでは、より実力を発揮することとなる。決済には、いわゆる、先ほど触れたネット通販などの直接お客様とは「非対面」のものと、実店舗のようにお客様と「対面」するものがあって、先ほど、使いやすくなったと説明したのは、この「非対面」での話だが、「対面」でも「対面」なりの手軽さが、このサービスでは備わっているのだ。

 どういうことだろう。たとえば、実店舗においては、実は、いざ店舗でクレジットカードを使う際には、非常に手間を要する。カード番号や暗証番号など、実際に書類に記入し、決済会社にそれを渡してなどのフローが発生するため、時間を要するだけでなく、そうした書類を扱う関係上、セキュリティーに関しては細心の注意が必要であり、安全が保たれる環境でなければならなく、同時に、漏えいのリスクも高いということになる。

 だが「maneco(マネコ)」においては、そうした一切の手間がかからなくなる。実は、今冬にコイニーから登場する端末「Coiney ターミナル」を使えば、それにカードを通すだけで、その情報はその端末にすら残らず、クラウドにある「maneco(マネコ)」で管理されるため、一切、手元に情報が残らない。時間とリスクがどれだけ軽減されるかはいうまでもないだろう。これらの「対面」「非対面」のデータはもちろん、「maneco(マネコ)」で一元管理ができるので、その部分も事業者にとっての利便性を向上させる要因になっているだろう。とくに、エステやスクール系の月額で支払い、それを継続するような、いわゆる継続課金の事業をやっている事業主においては、そうした簡易な手続きで、支払いが完了してしまうのは、非常に便利なことであり、今後、重宝されることになるだろう。

 一言で言えば、決済というと、「使うと便利なもの」でありながらも、実際には事業者にとっては「手間がかかり面倒なもの」であったことで、敬遠したくなるような存在だった。だが、「maneco(マネコ)」であれば、興味を持ってから、サービスの導入も容易となり、かつ使ってからの使いやすさという部分で、一気に、身近なものへと変えてくれたのである。事業の幅が広がるだけでなく、手間が軽減した分、その時間を本来、事業主が打ち込むべきところに集中できることで、事業の発展性がさらに見込まれる。「maneco(マネコ)」は、そうやって事業者の肩の荷を降ろしてくれ、かつ事業者にとって親しみの持てる良きパートナーなのである。今日も事業者の安堵の表情ととも「maneco(マネコ)」が、おいでおいで、とお金を招いている。

構成・石郷“145”マナブ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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