ヤマト運輸、シンガポール国内へスピード配送を実現

ヤマトホールディングス株式会社傘下の沖縄ヤマト運輸株式会社と東南アジア地域統括会社であるYAMATO ASIA PTE. LTD.傘下のシンガポールヤマト運輸株式会社は、本年8月より沖縄パーツセンターとシンガポールヤマト運輸の「パーツセンター」を連携させ、総在庫量のマネジメントとシンガポール国内へのスピード配送を開始いたします。
1.背景
商圏のボーダーレス化が進む中、海外に製品を販売するメーカーや事業者は、良い製品を速く・安く販売するだけで無く、アフターケアへの対応が非常に重要です。そのため、お客さまの近くに保守パーツを在庫する必要がある一方、国内外の複数拠点における、総在庫量のマネジメントが困難なため、多くのコストが発生していました。また、拠点を持たない地域では、事前にお客様に保守パーツを購入いただく必要があるため、コスト競争力で現地企業に対し不利な状況となっています。

ヤマトグループは「バリュー・ネットワーキング」構想の下、分散在庫のコストを抑制する「クラウド型のネットワーク」の構築を進めています。2013年7月より、那覇空港に隣接した沖縄パーツセンターからアジア地域へのスピード供給を開始し、国内メーカーの海外展開を支援してきました。今回更に在庫の一部を、シンガポール パーツセンターで保管し、出荷することで、シンガポール国内へのスピード配送を実現します。

今回、ファーストユーザーとして東芝自動機器システムサービス様の在庫パーツを沖縄、シンガポールに分散し、総在庫量のマネジメントとシンガポール国内へのスピード配送の運用を開始いたします。

2.メリット
(1)シンガポール国内へのスピード輸送
シンガポールに在庫を保管するため、シンガポール国内へのすばやい配達が可能になります。

(2)在庫圧縮
両拠点の在庫管理の状況をシステム上で可視化できるため、過剰な在庫を持つ必要がなくなります。また、沖縄からシンガポールには日々貨物便が飛んでいるため、在庫を常に補充することができ、シンガポールには必要最低限の在庫を保管するのみで、総在庫量を圧縮できます。

(3)製品購入時の初期コストの抑制・製品の価格競争力の強化
シンガポール国内で、メンテナンスが必要な保守パーツを迅速にお届けすることが可能になるため、お客さまは購入時には必要最小限のパーツを購入するだけで導入が可能になり、初期コストを抑えることができます。

3.今後の展開
今回構築した総在庫量のマネジメントが出来る新たな物流ネットワークを、シンガポール以外の地域にも拡大していきたいと考えています。