越境取引の人気ファッションブランド・ランキングを「楽天ラクマ」と「FROM JAPAN」が発表

三浦真弓【MIKATA編集部】

楽天グループ株式会社(以下「楽天」)が運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」と、株式会社FROM JAPANが海外在住のユーザー向けに運営する越境EC サイト「One Map by FROM JAPAN」(以下「FROM JAPAN」)が国・地域別で取引数が多いファッションブランドのランキングを共同で発表した(※1)。アメリカでは1位「LOUIS VUITTON」、2位「GUCCI」に続いたのは自国発祥のブランドだという。

※1:本調査は「FROM JAPAN」において、2023年の1年間に「楽天ラクマ」を通じて取引されたファッションブランド品の実績に基づき、特に取引数が多い9つの国・地域ごとにランキング形式で集計したもの

アメリカでは「LOUIS VUITTON」「GUCCI」に続き「NIKE」が3位に

アメリカでは、1位が「LOUIS VUITTON」、2位が「GUCCI」とラグジュアリーブランドが続き、3位に自国発祥ブランドの「NIKE」が入った。1位の「LOUIS VUITTON」は、レディースバッグを中心に多く取引されたという。

注目は4位の「Angelic Pretty」と5位の「A BATHING APE」。どちらも日本のブランドだ。

「FROM JAPAN」によれば、「日本で出品されているラグジュアリーブランドのリユース品はアメリカでとても需要が高い状況。背景には、日本には状態が良いリユース品が多く商品レパートリーも豊富にあることをはじめ、近年は『為替の影響から購入しやすい』という声が多い」という。

香港では1位「HERMES」、2位「CHANEL」と高価格帯人気

香港では、1位が「HERMES」、2位が「CHANEL」、3位が「Supreme」で、ラグジュアリーブランドの中でも特に高価格帯の商品が多いブランドが上位に並んだ。また4位「NEIGHBORHOOD」と5位「G-SHOCK」は日本のブランドだ。

「FROM JAPAN」によれば、「香港は今、他の地域と比較しても越境取引がとても活性化している地域で、高価格なブランドの人気がある。背景にはアメリカと同じく、日本のリユース品における品質の良さなどがあると考えられる」という。

なお香港同様に越境取引において大変活気のある台湾では、1位が「agete」、2位が「BURBERRY」、3位が「marimekko」、4位が「minä perhonen」、5位が「SNIDEL」と、日本でも女性に人気のアクセサリー・アパレルブランドがランクインしている。

イギリス2位は「ISSEY MIYAKE」、フランスでは日本の「Kawaii文化」に注目

イギリスでは、1位が「NIKE」、2位が「ISSEY MIYAKE」、3位に「canterbury」、4位が英国発祥ブランド「ROLEX」、そして5位には日本を代表するファストファッションブランドの「UNIQLO」がランクイン。

要因として「イギリスは、『FROM JAPAN』利用者層では若年層ユーザーによる購入が多いため、若者に人気があるブランドがランキングの傾向に現れていると考えられる」(「FROM JAPAN」)という。

またフランスでは、1位が「GU」、2位が「Angelic Pretty」「GRL」「Secret Honey」、そして5位が「EATME」および「NIKE」と、ランキング全体を通して日本の「Kawaii文化」(※2)を象徴するブランドが多い結果となっており、「FROM JAPAN」によれば、「フランスはフリルやリボンのついた『原宿系ガーリースタイル』なファッションブランドが名を連ねており、フランスでの日本ブランドの人気がうかがえる」とのこと。


(※2)「FROM JAPAN」によれば日本の「Kawaii文化」とは、可愛らしさを楽しむファッション、アート、アニメ、マンガなどの文化であり、世界中で若者に人気があるのが特徴

シンガポールでは、5位まですべて日本ブランド カナダ

シンガポールでは、1位が「HUMAN MADE」、2位が「A BATHING APE」、3位が「NEIGHBORHOOD」、4位が「Ank Rouge」、5位が「G-SHOCK」と、今回の調査で唯一、1位から5位までがすべて日本のブランド。これは「FROM JAPAN」利用者層では男性が比較的多い国であること、メンズファッション、カジュアル系のブランドの支持が多いという傾向が出ているという。

その他、カナダでは、1位が「LOUIS VUITTON」、2位が「Angelic Pretty」、3位が「GUCCI」、4位が「Vivienne Westwood」、5位が日本のブランド「HYSTERIC GLAMOUR」

マレーシアでは1位が「MARC BY MARC JACOBS」、2位が「Oakley」、3位が「G-SHOCK」、4位が「CHANEL」、5位が「COACH」。イタリアでは1位が「ROLEX」、2位が「SEIKO」、3位が自国発祥ブランドの「BVLGARI」、4位が「axes femme」、5位が自国発祥である「GUCCI」、日本の「UNIQLO」および「Yohji Yamamoto POUR HOMME」となっている。


■掲載中の会社名および製品・サービス名は、一般に各社の登録商標または商標

日本の商品を世界へ送るためのサイトでの調査だからこその結果ではあるが、今回の調査結果を受けて、国ごとの利用者層や、売れる商材を把握し、越境ECに役立てていくとよさそうだ。

■調査概要

調査エリア:アメリカ・イギリス・イタリア・カナダ・シンガポール・台湾・フランス・香港・マレーシアの計9つの国と地域(五十音順)
調査対象者:「FROM JAPAN」から「楽天ラクマ」の商品を購入した海外ユーザー
調査期間:2023年1月1日(日)~2023年12月31日(日)
調査実施機関:「楽天ラクマ」 「FROM JAPAN」

※出典:「楽天ラクマ」と「FROM JAPAN」、越境取引における国・地域別ファッションブランドの人気ランキングを発表(楽天グループ)