愛されるノベルティとは?効果的な販促を(ライオン調べ)

福島 れい

 販促手法として定番の”ノベルティ”だが、そのノベルティは本当にユーザーに喜ばれるアイテムだろうか?「愛されるノベルティ」に関する調査の結果がライオン株式会社(以下、ライオン)より発表された。今回は、この結果をもとにユーザーに喜ばれるノベルティについて考えてみたい。

 ノベルティと言えば、商品購入や来店のきっかけとなることを目的とした販促手法の1つだが、そもそも「ノベルティを受け取りますか?」と尋ねると、60%が”受け取る”、37%が”モノによる”、3%が”受け取らない”と回答している。つまり、無料で配布しているノベルティであっても40%のお客様は無条件では受け取らないということ。お客様に喜ばれるノベルティを用意する必要がありそうだ。

 では、「どのようなノベルティなら受け取るか?」尋ねると、65%が”実用的なモノ”、18%が”好きな企業やサービスのモノ”、8%が”かさばらなモノ”、5%が”オリジナリティのあるモノ”、4%が”その他”と回答した。実用的なモノであれば、お客様の性別や年齢、好みなどに左右されにくいという意味でもノベルティとして選択する価値が高いモノと考えられそうだ。


 ”実用的なモノ”と言っても様々なモノが思い浮かぶが、具体的にはどんなものが喜ばれるのだろうか?「あなたがもらって嬉しいと思えるノベルティはどのようなモノですか?」と問うと洗剤やハミガキ用品といった”日用消耗品”、”文房具”、クッキングペーパーやラップなどの”調理関連消耗品”の順に上位を占める結果に。日常生活の中で誰しもが利用する消耗品は、喜ばれるアイテムと言えそうだ。

 一方であまり人気のないノベルティもあるようだ。「あなたが今までに受け取ったノベルティで不満に思ったことはどのような点ですか?」と問うと、”使い道がない”、”品質に対しての不満”、”企業名の印刷が大きすぎる”などの理由が上位を占める結果に。前述の結果と同様、ノベルティには実用的なモノを選ぶべきだろう。

 人気のノベルティは”実用的なモノ”であるとわかったところで、改めてノベルティの役割を整理してみよう。「受け取ったノベルティに印刷されている企業名(サービス名)は覚えていますか?」とユーザーに問うと、全体の66%は”覚えていない”と回答、”覚えている”と回答したユーザーは30%にとどまった。

 また、「あなたはノベルティ欲しさに商品を購入したことがありますか?」という問いかけに対しても”はい”と回答したのは39%という結果になり、ノベルティが必ずしも購入のきっかけになるとは言えなさそうだ。ちなみに”はい”と回答したユーザーに「どのようなノベルティが欲しくて商品を購入しましたか?」と尋ねると、キャラクターやアイドルとのタイアップグッズや複数の種類があってコンプリート欲を刺激するようなアイテムが挙がった。

 今回の調査結果を見るに、ノベルティは販促手法として有効ではあるが、無料であれば何でもよいのではなく、ユーザーを惹きつける一工夫が必要であると言えるだろう。調査結果からは実用的なノベルティの効果が感じられるが、そもそもノベルティが最適なのかどうか検討しておくことも重要だ。その上でノベルティを活用する場合には、獲得したい効果やターゲットとなるユーザーをしっかり定めた上で、ノベルティを作成すべきだと言える。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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