楽天、”耳”に楽しみを提供「Rakuten.FM」スタート

福島 れい

「Rakuten.FM」 楽天市場で活用の可能性は?

 「Shopping is Entertainment!」 これは楽天市場が掲げる言葉だ。楽天市場での買い物というと、各店舗が力を込めて作った商品ページやそこに盛り込まれたストーリー、楽天市場内での広告など視覚的な情報が思い浮かぶが、今回は”耳”からも楽しめるサービスがリリースされた。それは、「Rakuten.FM」。iOS版とAndroid版アプリ、ブラウザのウェブサイトから、様々なジャンルの音楽やトーク番組を、インターネットを通じて無料で聴くことができるインターネットラジオ配信プラットフォームだ。

 7月1日のサービス開始時では、音楽ジャンルの専門ステーションや「楽天イーグルス」「楽天トラベル」が運営する楽天独自のコンテンツ、スポーツやカルチャーなどの情報を発信するステーションなど、計20ステーションを楽しむことができ、これは順次拡充予定となっている。また、「Rakuten.FM」では参画コンテンツ・プロバイダーは自ら制作した音声コンテンツを配信できるようになっており、将来的には広告配信などによる収益獲得機会の提供も予定しているという。

 買い物は、パソコンやスマホのモニターの前だけで行うわけではない。ここに新たに”聴覚的な”きっかけが追加されるとなれば、日ごろからラジオを楽しむリスナーにとって、新たな買い物の楽しみ方として受け入れられる可能性は十分にあるだろう。すでに楽天市場では映像で買い物の魅力を伝える「Rakuten SUPER LIVE TV」(https://goo.gl/ZZp6RM)を提供しており、新たな買い物の楽しみ方として”ラジオ”を活用する流れにも違和感はない。

 また楽天は、かねてよりeコマースと金融サービスとともに、デジタルコンテンツ事業を3つ目の主軸としている。その理由として、これらのデジタルコンテンツは、グローバルにビジネスを展開する上で、非常に有効なものと捉えているからであり、それゆえ、このラジオへの進出も新たな市場の開拓を連想させる。楽天の動きに見られるように、買い物はECにとどまらない価値の提供が求められているようにも思う。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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