ヤマト運輸が注目する沖縄の可能性、JCCと連携発表

ECのミカタ編集部

株式会社ジェイシーシー(以下、JCC)とヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)は、7月4日、日本の生産者や事業者の国内外への販路拡大を支援し日本産品の輸出促進に貢献するため、連携協定を締結した。その背景と具体的な取り組み、両社の今後の戦略について解説する。

JCC×ヤマト運輸、連携に至った背景

 JCCは「沖縄文化を広く深く正しく全世界に発信しよう」を合言葉に沖縄県産品の普及を目的として、県内での外食産業を中心にホテル事業や日本産品の輸出事業など、さまざまな事業を展開し、日本の魅力を発信している。

 ヤマト運輸は日本全国を網羅する宅急便ネットワークを構築しており、沖縄国際物流ハブを活用してアジアへ最短翌日にお届けする「国際クール宅急便」、アジアからヨーロッパ、アメリカなどの地域にも3〜7日程度でお届けする「国際宅急便」を展開し、「旬」の日本産品の輸出拡大を促進している。

 近年、日本の農水産品は食の安心・安全が重視されるアジア市場においてニーズが高まるなかで、日本の生産者や事業者が海外に販路を見出すための海外バイヤーとのマッチング機会の創出が課題となっている。また、訪日旅行者の増加に伴い、沖縄でもアジアからの旅行者が増え、沖縄で日本各地の産品を食べたり、購入したいというニーズが高まっている。

 今回の連携により両者は、海外バイヤーとのマッチング機会の創出と来沖旅行者の日本食ニーズに応え、日本の生産者や事業者の国内外への販路拡大を支援していく。

沖縄から世界へ、JCCとヤマト運輸それぞれの役割

 今回の連携による具体的な取り組み内容は以下の通り。

(1)日本の生産者・事業者の海外販路拡大を支援

 JCCが保有する豊富な海外バイヤーのネットワークと、ヤマト運輸が保有する日本各地の生産者や事業者が有する農水産品や製品情報などのネットワークを相互に提供し、海外バイヤーとのマッチング機会を創出することで、日本の生産者や事業者の海外販路の拡大を支援。

(2)沖縄県内への販路拡大を支援

 沖縄での日本食ニーズに応えるために、JCCが運営する沖縄県内の飲食店やホテルの各店舗で、これまでになかった日本各地の新鮮な産品を多数提供し、ヤマト運輸の高品質なスピード輸送により、日本各地の「旬」の産品を最短翌日で新鮮なままお届け。

ヤマト国際便/クール国際便、どれぐらいかかる?

ヤマト国際便/クール国際便、どれぐらいかかる?

★詳細は以下よりダウンロードいただけます。
https://ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=9902

 沖縄国際物流ハブを活用しているヤマト運輸。その料金は上表の通りだ。分かりやすい料金体系と、ヤマト運輸ならではの宅配の質の高さが、生鮮物など取り扱いに注意が必要な商品にも安心して利用できるようだ。そこにJCCが連携することにより、沖縄における国内外とのつながりがより密になることが予想される。

 沖縄に関して、単純に国内での物流について考えると、料金が高いなどの不利な点もあるが、国内外の交流という意味では国内と国外をつなぐ拠点として重要な存在となる。ヤマト運輸が沖縄に注目するように、今後、海外への日本産品の進出を考える際に、沖縄の重要度は更に増していくのではないだろうか。


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