越境を加速せよ。イーベイ・ジャパン、リユースフェス2026にてECモール“3つの鉄則”を紹介
渋谷ストリームで開催「リユースフェス2026」現地レポート
9月29日(月)・30日(火)の2日間にわたり、株式会社ワサビ主催で渋谷ストリームホールにて「リユースフェス2026」が開催されました。オンラインとオフラインを組み合わせ、リユース業界の実務に直結するセミナーと事業者同士のネットワーキングを融合した“学び×交流”設計を実現。盛況のうちに終了しました。
オフライン当日は、多くの事業者がブースを出展。業界動向の解説や大手モールの販売戦略セッション、国内のオフライン集客術まで、幅広いテーマが並びました。
弊社、イーベイ・ジャパンもブースを出展し、セラーや越境ECに関心の高い事業者の皆さまと熱心に交流することができました。

会場の関心は「真贋・トレーサビリティ」「AI/データ活用」「越境展開」に集中しており、名刺交換や交流企画などの接点づくりも機能し、各所でビジネスにつながる前向きな対話が生まれていました。
会場全体には、「リユース市場を業界一体で盛り上げたい」という機運が、穏やかに広がっていました。
2025年・リユース市場の最新動向を知る
イベントはリユース経済新聞・瀬川淳司編集長のセッションからスタートしました。瀬川編集長は、リユース市場は拡大を続けており、2025年には3兆円を突破する見込みであると述べました。その背景として、物価高による割安品ニーズの増加、訪日外国人の伸び、金相場の高騰をあげ、さらにテクノロジーの進化や事業者間連携の加速が成長を後押ししていると分析しました。
また、2025年の競争力を左右する要素として「唯一性 × 透明性 × 越境」を提示し、データの活用による顧客理解、信頼関係の可視化、グローバル販路の最適化が鍵になると指摘しました。最後に、人口減少が進む日本でもリユース利用者数は増加傾向にあり、市場拡大への期待が一段と高まっていると総括しました。
業界を俯瞰するデータとともに、「唯一性」と「越境」というキーワードが印象的に響いたセッションでした。
ECモールを徹底攻略!リユース販売力を最大化する3つの鉄則
続く、大手ECモール4社の共同セッションでは、イーベイ・ジャパンで新規戦略の策定に携わるビジネスデベロップメント部 部長・篠原 星が登壇しました。大手4社がそれぞれの意見を出し合い、ECモールで“売る”ために欠かせない3つの鉄則をまとめるというセッションでしたが、ここでは、eBayユーザーに向けた「3つの鉄則」をご紹介します。
鉄則1:データドリブン――「顧客を知る」を仕組みにする
まず篠原は「顧客を知ることが極めて重要だ」と強調しました。eBayについては、販売用アカウントを開設すると、その時点で実際に売れている商品や価格、カテゴリの動向をデータで閲覧できる仕組みが整っていると説明。そうしたデータを活用し、いま何が、いくらで、どのカテゴリで動いているのかを分析し続けることが重要なポイントだと述べました。
また、分析のためのツールが整備されていること自体がeBayの強みであり、時間をかけてデータ分析に向き合うことで、eBayで売るための戦略を構築できるとの見方を示しました。
セッションを通して、特に実務に即したデータドリブン設計を採用している点が、eBayの強みとして際立っていました。個人的には、感覚や経験論に流れがちな部分を可視化された指標で律する運用が、越境ならではの不確実性を和らげるポイントだと実感しています。
鉄則2:オーセンティシティ(信頼性)――「このセラーから買いたい」をつくる
グローバル市場では、信頼の可視化が選ばれる条件です。eBayでは、時計やハンドバッグなどの高額商品を対象とした「真贋保証サービス(Authenticity Guarantee)」や、さらに、家電などを対象とした「eBay Refurbished (保証付き整備品)プログラム」を日本セラーに提供し、安心・安全に販売・購入ができる仕組みを用意しています。
あわせて、配送品質・返品対応・評価を基準とするセラーレベル(最上位はTop Rated)が信頼の指標として機能します。状態説明の正確さや価格運用の一貫性を徹底することで、プラットフォーム内での露出や転換率にも良い影響が生まれます。
篠原は「品質や評価を基準にしたセラーレベル(最上位はTop Rated)も信頼の指標として機能するため、総じて“信頼されるセラー”を目指すことが2つ目のポイントです」と強調しました。
リユース市場が加速する今、やはり買い手は“偽物リスク”に敏感です。だからこそ真贋保証サービス(Authenticity Guarantee)が安心材料として効き、購入の一歩を後押ししていると感じました。
鉄則3:マーケット分散――「どの国に、何を売るか」を前提設計する
需要・規制・為替が変動する今こそ、販売先を世界規模で分散しておくことが大切です。eBayは、北米国約73%/欧州約16%/アジア約8%という買い手構成が強み。
篠原は「世界的に認知のある商材(例:ラグジュアリーブランドのリユース、アニメ・トレカ、ギターなど)は特に相性が良く、とりわけeBayは、“Enthusiasts(エンスージアスト:熱狂的なファン)”が集う市場です。『ここでしか買えない一品』や希少バリエーションは価格弾力性が高く、唯一性と信頼性の設計が収益性を押し上げる」と述べました。
国・地域ごとの売れ筋の違いをデータで把握し、発送先・関税・リードタイムまで含めて、あらかじめ「どの国に、何を売るか」を前もって準備しておくことが、成功への近道になることは間違いありません。
取材者としても、日本から離れた北米や欧州のコアファンたちに“ワンクリック”でアクセスできる手軽さはeBayならではであり、越境を前提にした在庫と運用の設計が、その強みを最大化すると感じました。
越境リユースの拡張へ―eBayの最新動向と活用ポイント
米国発で30周年を迎えるプラットフォームであるeBayは、これまで越境前提の需要を着実に取り込んでいるーー日本のセラーにとって「活用のカギ」は何か。ここでは、イベント取材を踏まえて整理したeBayで勝つためのポイントをコンパクトにまとめてみました。
バイヤー分布を意識する:eBayのバイヤーは米国比重が高い一方で、欧州・その他地域にもリーチがあります。eBay.comで購入されても配送先は世界各国に及ぶため、国別の嗜好差をデータで確認し、季節・イベント需要にも配慮しながら、訴求・価格・配送条件を調整します。
“熱狂的ファン”に刺す在庫を用意する:量産・汎用品よりも、希少性・物語性・状態の良さが際立つ在庫が好相性です。レビューの積み上げと丁寧なQ&Aで、「このセラーから買いたい」という気持ちを育てます。
真贋・保証で信頼を可視化する:真贋鑑定サービス/eBay Refurbished (保証付き整備品)プログラムを活用し、状態写真・欠点の明示、返品・保証条件の明文化で、継続的な信頼関係を築いていきます。
国内モールでも海外購入は伸びていますが、取材を通じて感じたのは、eBayが欧米圏の厚い需要とコアファン層に支えられた独自のマーケットを形成していることです。
イベントでも終始言われていたとおり、世界的認知のあるカテゴリは特に伸びやすく、日本のリユース品は世界市場での評価も高い――そのぶん、「唯一性」と「信頼性」を両立できる日本セラーは、中長期で優位を取りやすいと言えます。
また、例えばスニーカーダンクのような国内モールで仕入れてeBay で海外に販売する動きも目立ってきました。ECモールや中古買取店を横断し、チャネルごとに適材適所で使い分ける戦略は、今後さらに多くのセラーが取り入れていきそうです。
なお、共同セッションを通じてイーベイ・ジャパンは、データドリブンな販売支援を軸に日本のセラーの越境展開を後押ししていく方針を示しました。市場拡大の追い風が続く中、データ×信頼×在庫戦略の実装度合いが成果を分ける――これが今回の取材で得た結論です。
■過去のブログ記事
国際ファッション専門職大学特別講義レポート
https://ecnomikata.com/blog/47445/
OpenCampus オフラインセミナー
https://ecnomikata.com/blog/47099/
eBayJapan Awards 2024
https://ecnomikata.com/blog/46469/
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筆者:Sasaki Natsumi


