【第2回】ネット通販成功のカギと秘訣~マーケティング戦略論(前編)~

川原 慶明

 ネット通販に携わる皆様が、ビジネスを展開していく上で絶対に押さえておきたい事業戦略の「基本」をお伝えしていきます。

 いつの時代も成功している企業はきちんとビジネスの基本を押さえており、逆に言えば、基本を押さえた企業こそが成功を収めることができるのです。

 本連載を通じて、ネット通販を成功させるために絶対に必要な基礎知識について徹底解説します。

【第1回】ネット通販成功のカギと秘訣~USPとポジショニングについて~
https://ecnomikata.com/column/9468/

通販企業が抱える課題トップ3とは?

 前回はビジネスの基本である「USPとポジショニング」についてお伝えしました。

 簡単に振り返ると、変化の激しい時代において、何となくビジネスをしていては危険。常にこの市場が最適なのかを問い続け、自社商品をお客様の頭の中で連想させることが大切だという内容でした。

 さて、通信販売企業実態調査報告書(2014年)によると、通信販売企業が抱えている課題トップ3に、

1位:売上高の確保
2位:新規顧客の確保
3位:利益の確保

が挙げられており、非常に多くの企業がこれらの悩みを抱えています。

 今回は、こうした背景を踏まえて、「マーケティング戦略」についてお伝えしていこうと思います。

 2回に分けてマーケティング戦略について解説していきますが、その前編としてまずは「戦略」とは何かを明確にし、後編でマーケティングの「フレームワーク」についてお話していきます。 

戦略とは何か

 マーケティング戦略についてお話する前に、そもそも「戦略」とは何かを明らかにしましょう。理由は、戦略の認識や理解を改めて確認することで、後編のフレームワークの話もスッと理解して頂けるからです。

 戦略については色々な定義がありますが、ここでは、「目的を決め、今あるリソースの中でどうやったらその目的を達成できるか、手段を選ぶこと」とします。

 では、そもそもなぜ戦略を決める必要があるのでしょうか。理由は2つあります。

1. 目的があるから
2. リソースに限りがあるから

 ビジネスをする上で、叶えたい目的は100%存在し、それを叶えるためのリソースは企業の規模感問わず、不足しているはずです。「あと少しの資金があれば」「あと少しの人材がいれば」などは誰しも思うものです。

 そのため、ヒト・モノ・カネ・時間など、あらゆるものが不足している状況下において、目的を達成するためには、戦略が必要不可欠なのです。裏を返せば、もし目的がなく資源も常に潤沢に潤っており、時間も無限にあるということであれば、戦略は不必要ということになりますよね。

 企業は叶えたい目的がありながらも、ヒト・モノ・カネ・時間などのリソースが足りないので、どうすれば目的達成できるか、限られたリソースと実現可能な手段のバランスを考えながら選択する必要があるのです。

戦略的事業推進のポイント

 先ほど、戦略についての定義を明らかにしましたが、実際に戦略的に考え事業を推進していくためには、何をすればよいのでしょうか。

 最初に考えるべきことは、目的を明確にすること。より具体的に言えば、「追いかける指標」を明らかにすることです。この追いかけるべき指標が間違ってしまうと、事業は縮小してしまい、最悪の場合、廃業まで追い込まれてしまいます。例えば、液晶テレビや携帯電話などがいい例でしょう。

 日本は20世紀以降、モノづくり大国としてその名を世界に轟かせ、ジャパンアズナンバーワンとまで言われていました。日本人は職人気質が強く、今ある商品をより良くするために改善改良していくことに強みを持っています。

 先の液晶テレビや携帯電話の話でいうと、より高画質・高解像度を求め、より多くの機能を追加することで、消費者の心を掴み、売上が上がると信じていました。

 しかし、21世紀になった今、皆さんもご存知の通り、20世紀を代表する企業が外資の傘下になったりと、市場をあっという間に取られてしまいました。

  一体なぜ、このようなことが起きてしまったのでしょうか。

 もうお分かりかと思いますが、これらの企業が追いかけていた指標は「機能改善」だったからです。時代が変わり、消費者の嗜好ニーズも変わっていながら、なお改善することを選んでしまったのです。

 代わりに、米国AppleのiPhoneや韓国SAMSUNGの液晶テレビが、日本を始め世界の市場を席巻していることはご存知の通りです。

 ではなぜ、これらの企業は市場を席巻し、パイを勝ち取ることに成功したのでしょうか。理由はシンプルで、時代に即した追いかけるべき指標を自ら作ることができたからです。モノ余りと言われている時代において求められるものは、より良い商品よりも、新たな体験や経験ではないでしょうか。

 そう考えると、Appleはスマートフォンという今までにない革新的な体験を提供し、SAMSUNGは液晶テレビ=高価格という常識を破壊し、安価で手に入るというある種の体験を提供してくれました。

 つまり、彼らは20世紀まで通用した「機能改善」という指標ではなく、21世紀に即した「新たな体験」という指標を自ら作り追いかけていった結果、成功を収めたのです。

 【戦略とは何か】でもお伝えしましたが、もちろんAppleもSAMSUNGもリソースが完全に足りていたということはありません。大なり小なり必ずどこか不足はあったはずです。

 しかし、そうしたリソース不足の状況でも、どこにどれくらいのリソースを投下すべきかという、いわば「選択と集中」を徹底的に行っていたことでしょう。

 つまり、何を行うか考えることは大切ですが、同時に何を行わないか考えることも大切だということです。さて、ここで弊社の戦略の話をさせてください。

 例えば、クライアントからコンサルティングのご要望があった際、まずは徹底的なヒアリングを行います。つまり、クライアントが何を目指し、現状何に困っているのかなどの課題を浮き彫りにすることから始めるのです。そして、ヒアリング情報をもとに、この事業・この商品を販売する目的・目標などを策定します。

・売上の向上
・獲得効率の最適化
・継続率の最適化

など、クライアントによって目的・目標が様々なため、ヒアリングは徹底的に行います。そこで決定したいわば追いかけるべき指標を達成するために、弊社では膨大なA/Bテストの結果およびノウハウを元に、最適な施策を講じていくといったフローになります。

 もちろん、ヒアリング情報を元に、基本的にはクライアントの要望を第一に考えていくのですが、もしそれが間違った方向や結果を生む恐れがあれば、別の指標を設けることもございます。

 なぜなら、クライアントの費用対効果を最大化することが弊社のミッションであり、それを叶えるためには正しい指標を設け、追いかける必要があるからです。

 詳しくは弊社ホームページより無料相談にお申込み頂くか、限定10名の完全無料セミナーにお越し下さい。あなたの悩みに合わせた解決策とそれに伴う戦略選定のお話することができます。

 今回は前編ということで、「戦略」をテーマにお伝えしました。ここで理解していただいたことが、後編の「マーケティングフレームワーク」に活きてきますので、ぜひ繰り返し読んで頂けましたら幸いです。


著者

川原 慶明 (kawahara yoshiaki)

1991年東京生まれ。早稲田大学卒。学生時代はインターンに注力。インタビュアーとして述べ50名以上の起業家に取材を敢行したほか、Webマーケティング企業にてグロースハッカーとして活躍。そこでは年に4回海外のマーケティングカンファレンスに参加し、最先端のwebマーケティングノウハウを取得。担当サイトの売上を3ヶ月で4倍の引き上げに成功するなどの実績を残し、2016年 株式会社売れるネット広告社へ入社。通販エキスパート検定1級取得。

売れるネット広告社:https://www.ureru.co.jp
無料セミナー開催中:https://lp.ureru.co.jp/mini
自己紹介ブログ記事:http://www.ureru.co.jp/blog/archives/3419