「WEAR」、リリース当初の目玉機能停止を発表

開始から、わずか半年。サービス中止のその背景

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイは8日、ファッションコーディネートサービス「WEAR(ウェア)」の「バーコードスキャン機能」を4月30日で中止すると発表した。

先日、スマホアプリの200万件ダウンロード突破が発表され、その好調ぶりが話題になっていたWEARだが、リリース当初の目玉機能として注目されたバーコードスキャン機能の中止には一体どのような背景があったのだろうか。

店内での撮影行為との見分けがつかない」など店舗から心配の声も

バーコードスキャン機能は、店頭で商品タグのバーコードを読み取ることで、商品情報やその商品のコーディネート画像などの情報にその場でアクセスできるサービスだ。スキャンした商品履歴はアプリ内に保存され、友人間で共有したり、アプリを介してその商品ブランドのネットショップやZOZOTOWNで購入することもできた。

しかし、2014年1月に行われたスタートトゥデイの決算説明会で、バーコードスキャン機能はあまり活用されておらず、同アプリ内の「コーディネートレシピ機能」に人気が集まっていることが明かされた。1日あたり1万件以上投稿されているのは十分にその証拠になる。

また、「バーコードを読み取る行為が、店内での撮影行為とまぎらわしかったり、『ショールーミング』(店頭で実物の商品を確かめ、ECサイトで購入する行為)につながるのでは」といった店舗側の心配の声もあったようだ。

機能中止についてスタートトゥデイは「より多くのブランドや商業施設の皆さまにWEARを安心してご利用いただくため、今回の判断に至った」としている。

「WEAR」の今後の展望とは?

今後は店舗での接客ツールとして、アプリでバーコードを読み取り、商品のコーディネート例や商品内容を消費者に紹介するためにショップスタッフ限定の仕様へと変更されるようだ。また、スタートトゥデイは「著名人やショップスタッフ、一般のユーザーの投稿によるコーディネート案を検索、閲覧できるコーディネートレシピ機能を拡充し、引き続きファッション業界全体のマーケット拡大につながるようなインフラサービスを目指す」とコメントしている。

「ショールーミング」は価格競争の起きやすい家電製品などで課題となっているが、比較的、価格差の少ないアパレルでは、売上を圧迫しないだろうという見解もある。そんな中、わずか半年でバーコードスキャン機能のサービス中止へと踏み切ったWEAR。今後の可能性はまだまだ十分に見込まれる。サービスとしての本当の盛り上がりはこれからなのではないだろうか。