非日常体験という“思い出”から発生する~今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方。あなたは知っていますか?
ギフト、それは贈られる側はもちろん、贈る側もあたたかい気持ちになることができる“魔法のツール”。以前は実店舗にて商品を見て選び、手渡しでギフトとともに“気持ち”を伝えていた。その中には、日常とは違った特別なコミュニケーションがあり、そんな場面をギフトは作り出していた。
しかし現在において、ギフトを贈る際にECを利用する人が増えてきた。インターネットを挟んだギフト選びやギフト贈進には、アナログとはまた違った場面が存在しているはずだ。今時のギフトECは、ギフトを贈る現場においてどのようなコミュニケーションを生み出しているのだろうか。
ミニ特集企画「今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方。あなたは知っていますか?」
<目次>
・今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方~概論編
(https://goo.gl/Ye23vr)
・日常の会話をリッチにする、コミュニケーション
(https://goo.gl/jriUA8)
・互いの人生に敬意を払い、節目を彩るコミュニケーション
(https://goo.gl/GYfOms)
・非日常体験という“思い出”から発生するコミュニケーション
(本記事)
・番外編:特別な日をより特別に変化させるコミュニケーション
(https://goo.gl/uiS3L4)
非日常を過ごすための、体験型ギフト
皆さんは、非日常を過ごすためのギフトをご存じだろうか。どうやら、非日常を体験することができるギフトがあるらしい。そんな噂を聞きつけて、記者は、ソウ・エクスペリエンス株式会社 代表取締役 西村 琢氏の元へやってきた。
ソウ・エクスペリエンス株式会社(以下、ソウ・エクスペリエンス)が提供するのは、体験型ギフトサービスである。この体験型ギフトとは、カタログタイプのギフトだ。贈られた人は、掲載されている様々な体験の中から、自分が体験してみたいコースを選ぶことができる。
そして選ぶことができる内容の一部分として、「パラグライダー」「クルージング」「エステ」「忍者」などがある。想像するだけでワクワクするような“エクスペリエンス”な体験ばかりだ。
目的別にも贈るカタログを選ぶことができ、ノーマルな体験ギフトから、赤ちゃん用、2人用、カフェやエステに特化したものまで、多くのラインナップを揃えている。価格帯は3,370円から50,500円まであるため、予算に応じて選択可能だ。
しかしこのギフト、カタログギフトではない。贈るのはカタログと呼ばれる冊子なのだが、ギフトとしてのメインはカタログではない。勿論、カタログを見ながら、体験を選ぶ楽しみはあると思う。しかし、メインはあくまでもその後の非日常の体験なのだ。従って、ソウ・エクスペリエンスが提供しているのは、“カタログタイプの体験ギフト”である。
ギフトだからこそ、体験を贈る。
ギフトというのは、後々手元に残り、見て贈り主を思い出すような、品物だろう。これまでも、ギフトは物として贈られ、その物を通して人々のコミュニケーションを生み出してきた。体験というのは、実際の物品として手元に残らない。体験をギフトとして贈るのは、贈った人の心から消えてしまうようで、気後れしてしまう人もいるのではないだろうか。少なくても取材に伺うまで、記者はそう感じていた。
その考えに対して西村氏は、「弊社は体験型ギフトを通して、“贈られたからやってみる、を贈ろう”を提供しています。今まで興味はあったが、体験するまでに至らなかったことも、ギフトとして贈ることで、実際に体験する所まで持っていくことができるのです。」と語る。
確かに、そうかもしれない。自分が前々から体験してみたいと思っていたこと、しかし実際行動に移せなかったこと、皆さんにもあるのではないだろうか。或いは、行動に移せなかったではなく、興味はあったが行動に移そうとしなかったこと、かもしれない。そういった興味がある体験は、行動に移すきっかけがなくて、いつか忘れてしまうのだ。
しかしソウ・エクスペリエンスは、体験をギフトとして贈ることで、“贈られたから、やってみる”という新しい体験との出会いを促進している。そして新しい体験に出会うということは、ギフトを受け取る側に、本来出会うことがなかった価値を提供しているのだ。
体験型ギフトの間で発生するコミュニケーション
では、体験型ギフトによって生まれるコミュニケーションとは、どのようなものがあるのだろうか。それについて、西村氏はこう語る。「非日常な体験は、その人の記憶に残ります。そして体験した人の人生を彩るような“思い出”になります。その思い出から、贈り主と受け取った側の間で、コミュニケーションを作り出しているのです。」と。
そこで、ソウ・エクスペリエンスのギフトサイトを覗いてみた。そこにはお客様の声として、“思い出”をきっかけに、コミュニケーションの発生を想像させるコメントが多数掲載してあった。
以下は、ソウ・エクスペリエンスのサイトから引用した【お客様の声】である。
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【「退職祝い」で体験ギフトをプレゼントした方からの感想メッセージ】
大変お世話になった法人のお客様の定年退職の贈り物として利用させたいただきました。
定年退職ということで、これからより有意義な時間を使っていただくために、
新しいライフワーク発見の一助としてもらえればと思い貴社の商品を選択しました。
結果として、お客様から大変感激したとの御礼メールを頂戴しました。
「モノ」ではない予想外のプレゼントだったようです。
とても良いプレゼントができました。有難うございました。
また利用させていただきます。
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【「プレゼント」で体験ギフトを受け取った方からの感想メッセージ】
お料理も美味しく、雰囲気もよく、お天気もよく。
最高の時間と体験を、大切な人と共有することが出来ました。
期日ギリギリの申込みで、日にちが限られてしまい、
電話で相談させて頂いたときも、とても良い応対をして頂きました。
利用した期間中(予約時から体験終了まで)すべての点において良い気分で過ごすことが出来ました。
体験を贈ってくれた相手にもすごく喜ばれました。
また利用したいと思います。
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コミュニケーションは、“思い出”とともに。
ギフトを受け取る側が、本来出会うはずのなかった新しい体験に出会ったことで、思い出として記憶や身体に残る。その思い出が、人生の価値観の一部を作り上げていく。そして作り上げられた価値観は、一回の体験から、一生の趣味になる可能性もある。そうなると、ギフトとして贈られた体験は、価値観だけでなく人生全体を作り上げていく。そして人生へ彩りを添えるのである。
また、非日常を体験した本人は、きっとその思い出を贈り主へと伝えたくなる。体験の一瞬を切り取った写真とともに、「ありがとう」や「楽しかった」と言いたくなるのではないか。それは、物では発生することがなかった、新たなコミュニケーションだろう。そしてこのコミュニケーションは、体験という思い出が主軸にある。
つまりは、体験型ギフトだからこそ作り出すことができた場面なのだ。体験型ギフトは、日常から飛び出した非日常の体験から思い出を作り出し、その思い出を通してコミュニケーションを発生させていたのである。