チケット転売、促進しているのはEC?Yahoo!とUSJがSTOP

ECのミカタ編集部

株式会社ユー・エス・ジェイ 公式HP

 ヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)の運営会社・株式会社ユー・エス・ジェイ(以下、ユー・エス・ジェイ)は、インターネット企業としては初となる「マーケティング・パートナーシップ契約」を締結した。

 今回の締結には、昨今問題視されているチケットの転売防止を目的とした狙いがある。

Yahoo!チケットとUSJがチケット転売撲滅へ

 ECといえば、モノの売買が主流であるが、コトの売買を行うことも立派なECだ。そのコトの例として、最もわかりやすいのがチケットの売買ではないだろうか。しかし、チケットの取引が行われるECサイトに対しては、チケットの転売に反対する声が年々高まっている。それゆえ、チケットの転売も歯止めをかけるべく、企業も本腰を入れるようになっており、これもまた時代の節目なのではないかと思われる。

 そこでYahoo! JAPANでは、オンラインチケット情報サービス「Yahoo!チケット」にて、新しいチケット流通・認証の仕組みの構築を進めており、今回、第三者による人気チケットの不正な転売行為に対して、不正転売撲滅を推し進めてきたUSJと協力し、適正な価格でチケットを提供できる販売体制の構築を実現させるため締結を行った。

 これに伴い「Yahoo!チケット」にて、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの1デイ・スタジオ・パス、2デイ・スタジオ・パス、そしてユニバーサル・カウントダウン・パーティ 2017 パーティ・パスを10月1日(土)より取扱いを開始する。また、今後各種イベントのチケットのほか、年内をめどにユニバーサル・エクスプレス・パスの取扱いも予定しているとのこと。

 ユー・エス・ジェイが昨年発表した情報によると、転売目的に買い占められたUSJの各種チケットの総額は約10億円にものぼる。本当にチケットを購入したいと考えている人々からすれば、許せない行為だ。

 こうしたチケットの転売は、USJに限ったことではない。

SNSやCtoC 低くなる転売の敷居、ECは何ができるか

SNSやCtoC 低くなる転売の敷居、ECは何ができるか

 音楽業界の名だたるアーティストが、チケットの転売及び高額取引に反対する公式反対運動“転売NO”をご存知だろうか。この反対運動は、新聞各社に「私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」といった文言が添えられた意見広告が出されたことで話題となった。

 音楽業界にとってもチケットの転売は大きな問題となっており、転売業者との取引が注目されがちだが、SNSやCtoC ECサイトで転売の取引を行う比較的若い世代の消費者間のトラブルも多い。

 実際のところ、スマートフォンの普及や若い世代がインターネットを使いこなしているために、チケットの転売取引を行う敷居が低くなっていることが転売を促進させているようにも思える。

 実は、インターネット上のチケットの転売に関しては、日本の法律が追いついておらず、現状、取り締まることができない。だからこそ、今回のYahoo!JAPANとUSJの取組みのように、ECが積極的にチケット転売に対して「NO」を発信していくことが、消費者を転売の誘惑から守ることに繋がるのではないだろうか。

 インターネット上の安全を守るためにも、ECで何ができるのか、消費者の立場から考えていくべきだろう。


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