eBay、越境EC狙い目「サイバー5」に向け人気商品発表
欧米越境ECの年末商戦おいて重要な時期とされている「サイバー5」の存在をご存知だろうか。イーベイ・ジャパン株式会社(以下、eBay)は、欧米向けの越境ECを手がける、もしくは検討している日本のEC事業者に向け、2015年の「サイバー5」において人気のあった商品のラインナップを発表した。
欧米の年末商戦は「感謝祭」直後が狙い目
近年、欧米ではクリスマスに向けての年末商戦は、11月第四木曜日の「感謝祭」直後から始まる傾向がある。その中でも、感謝祭翌日の「ブラック・フライデー」や週明けの「サイバー・マンデー」を含めた木曜日から月曜日までの時期は「サイバー5」と呼ばれ、オンラインでの購買が最も跳ね上がる時期とされている。
世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス「eBay」においても、例年、サイバー5を含む第47週から第48週にかけての流通総額が年間を通じて最も大きな金額となっている。
会計事務所プライスウォーターハウス クーパース(PwC)によると、2016年の米国の年末商戦における売上は2008年の金融危機以降で最大と予測されており、前年(2015年)比で10%増、オンラインでの購買に限定すると25%の増加が見込まれている。越境ECに携わる企業は、感謝祭を皮切りに始まる商戦期を逃さず、購入者のニーズを捉えた商品を出品することが重要となる。
2015年「サイバー5」人気商品と今年の注目商品
eBayが発表した、2015年の「サイバー5」において人気のあった日本発の商品を、以下にカテゴリー別に紹介する。また、今年の注目商品も発表されている。
【衣類・アクセサリー】
最も多くの点数が販売された商品は、ビーズ株式会社が手掛けるブランド「UNIHABITAT」の猫と過ごせるパーカー「Mewgaroo Hoodie」(調査期間内での販売個数:199点)。また、高級ブランドバッグの中古品も好調であり、ブランド別ではHermes(71点)、その内最も高額だった商品は「エルメス バーキン 35」の9,800ドルだった。
【楽器】
ヤマハ株式会社の楽器類がテナーサックスなどを中心に幅広く販売された(138点)。高額商品は、Technicsの限定ターンテーブル「SL-1200GLD」(2台セット)が8,000ドルで購入されている。
【写真】
富士フイルム株式会社のインスタントカメラ「チェキ」(米国名「Instax mini」)関連商品がフィルムを中心に多数販売された(903点)。高額商品としてはキヤノン株式会社の購買率ズームレンズ、Phase Oneのデジタルカメラパックがいずれも7,000ドルで購入されている。
【おもちゃ】
鉄道模型「N ゲージ」関連部品は人気が高く多く販売され(773点)、また日本発のアニメーション/ゲームの「ポケットモンスター」に関連する様々な商品も多く取引された(677点)。趣味性の高いジャンルに対する日本商品の需要の高さが分かる。
【今年eBay.comでショッピングシーズンに注目される日本関連商品】
・ポケモン関連商品(Pokemon Goの爆発的ヒット+ポケモンシリーズ20周年)
・PlayStation VR
・ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ
・360°カメラ「RICOH THETA」シリーズ
以上のような人気商品を見ると、日本の商品が越境ECで成功する可能性は十分にあると考えられる。既に始まっている年末商戦、特に商品が爆発的に購入される確率が高まる「サイバー5」に向けて、今回の情報は参考になるだろう。また今年は「Pokemon Go」の関連商品など、日本でも欧米でも流行した商品が注目されている。これらの情報を敏感にキャッチしていくことで、売上向上につながるだろう。