PayPalが越境EC調査結果を公表。米・中に次いで日本は・・・
PayPal Pte. Ltd.(以下、ペイパル)は、ペイパルと調査会社イプソスによる越境ECグローバル調査のレポートを公開した。この調査は、オンラインショッピングおよび越境ECに関する消費者の行動と意識について、日本を含む世界32か国の約28,000人の消費者を対象に実施された。
EC市場の規模
2016年時点で、主要32ヶ国のEC市場は約160兆円となっている(1ドル=110円換算)。国別の市場規模はアメリカ、中国、日本、イギリス、フランスという順番になり、上位2国で全体の約60%のシェアを占める結果となった。
2015年〜2018年の年平均成長率では、驚くことにインドが最も高く38%となっている。今後は、インターネット人口の増加やインフラ整備が整っていく中で、他国も大きく伸びていくと予想されるとのことだ。
越境ECの規模(各国ユーザーがどれくらい越境で商品を購入しているか)に関しても、アメリカ・中国が全体の約60%を占めている。規模だけで言うとまだ上位2国に及ばないところはあるが、ここでもインドが3位に入っている。
越境ECユーザーの実態
越境ECユーザーの実態(各国ユーザーがどの国から商品を購入しているのか)ついて、中国の越境ユーザーは日本と韓国から最も購入しているようだ。中国は訪日客による “爆買い”の印象があるが、オンラインショッピングにおいても日本が1番となっている。その理由として「商品の品質(日本から購入した中国バイヤーの59%が回答)」「自国で買えないこと(59%)」「ショップへの信頼性(40%)」が上位にあがっている。
一方、アメリカの越境ユーザーは、中国から最も商品を購入しており、日本に関してはイギリス、カナダについで第4位の購入先となっている。日本に対する購入動機は、「価格」と「新しい商品の発見」が上位になるようだ。
越境ECによるオンラインショッピングの傾向
中国・アメリカのユーザーに、越境ECでのショッピングに対する考え方を調査したところ、両ユーザーとも特に、グローバルプラットフォーム(例、AmazonやeBay)での購入を好んでいる。
越境ECだと買い物をするにも、「商品がしっかりと届くのか」「不良品ではないか」と様々な不安を感じることが多いため、信頼されているグローバルプラットフォームでの購入を選択するのではないだろうか。
越境ECの市場として、アメリカや中国がメインであることは明らかであったが、当調査からもわかるように台湾やインドの成長も著しい。日本もそういった国に劣る事なく成長を続けるためには、言語・配送・決済といった越境ECの課題を解決していかなければならない。決済に関しては、PayPalのようなインターネット決済が越境ECに貢献しているともいえるだろう。
当調査については、【第四回】意外と知らない海外ユーザーの実態Part2~利用者約1.9億人のPayPalが語る決済~にてより詳しく解説しているので、参考にしていただきたい。