ECサイトのLINE活用方法まとめ。公式アカウントやショッピング機能について解説
LINEは、日本人口の70%以上が利用しているとされる国内最大のSNSです。ECサイト運営者向けにさまざまなサービスを提供しており、うまく活用することで効果的な情報発信や販促を可能にします。
本記事では、ECサイト運営にLINEサービスの導入を検討している方に向け、サービス概要や活用方法、具体的な導入事例を紹介します。
出典:【公式】LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business
https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/
ECサイトで活用できるLINEのサービス
LINEが展開しているECサイト運営で活用できるサービスと、その概要を説明します。
LINE公式アカウント
「LINE公式アカウント」は、企業や店舗が友だち追加してくれたユーザーと直接やり取りができるアカウントです。公式アカウントの作成には、LINEビジネスIDの登録と認証が必要です。
ユーザーに直接、情報発信ができ、集客・販促のための各種機能が充実していることから、活用することで、リピーター獲得や売上アップにつなげられます。
また、友だち数や目的、用途に合わせて料金プランを選べる点も特徴です。
LINEショッピング
「LINEショッピング」は、さまざまなECサイトの情報が集まるショッピングのポータルメディアで、約1600のショップが参加、約4億点の商品が掲載されています。
複数のECサイトを横断して商品を検索することができ、LINEショッピング経由で購入するとLINEポイントが付与されます。LINEポイントは、LINEサービス内での利用だけでなく、1ポイントでPayPayポイント1円相当に交換できるため、多くのユーザーにメリットのあるサービスといえます。
掲載のために、月額費用55,000円(税込)と売上額の一定割合を成果報酬として支払う必要があります。
出典:LINEショッピングへ掲載をご検討されている企業様向けサービス案内|LINEショッピング
LINE Pay
「LINE Pay」の決済サービスをECサイトに導入することで、スムーズなお買い物と販売促進を実現できます。ユーザーが「LINE Profile+」に登録している情報は購入時に入力を省略できるため離脱を防止できたり、LINE公式アカウントの友だち追加を促したり、といった便利な機能が備わっています。
導入・月額費用は0円で、決済手数料として物販・サービスは3.45%(税別)、デジタルコンテンツは5.5%(税別)の支払いが必要です。
出典:決済サービス|LINE Pay加盟店お申し込み
LINEのECサービスで終了しているものはある?
LINEが提供するEC関連のサービスで、2024年6月現在、直近1年間で終了したものはありません。
過去に終了したサービスの一例は以下の通りです。
- CtoC向けのフリマアプリ「LINEモール」
- 曜日ごとにテーマを設定して商品を追加し、1週間限定で販売「LINE FLASH SALE」
- 海外ブランドのアイテムを現地価格で販売「LINEトリップバザール」
上記サービスは、2016年に終了しており、「CtoCではなく、BtoCのEC事業に軸足を置くことにした」というLINEの方針が示されています。
【ECサイト】LINE公式アカウントの活用方法
ECサイトでLINE公式アカウントを活用するための具体的な方法を、機能とともに説明します。
メッセージ配信
友だち追加をしているユーザーに対して、メッセージを配信できます。複数ユーザーへの配信はもちろん、ユーザーの属性やオーディエンスで配信する対象をセグメントできたり、
「LINEチャット」を活用した1対1のコミュニケーションもできたりと、必要に応じて使い分けが可能です。
テキストだけではなく、リッチ(ビデオ)メッセージと呼ばれる画像や動画の活用やカルーセル形式のカードタイプメッセージも使用できます。商品を魅力的に紹介できるだけでなく、新商品やセール情報をリアルタイムで知らせることも有効です。
さらに、メッセージごとに配信数や開封数、クリック数などが計測されるため、メッセージ配信の効果計測ができるのも嬉しいポイントです。
クーポン配信
友だち追加してくれたユーザーに対して、デジタルクーポンを配信できます。割引やプレゼントなどをクーポンとして設定でき、友だち追加や初回購入を促すのに効果的です。
メッセージと同様、クーポンの開封者数や利用者数などを確認できるため、効果検証が可能です。
リッチメニュー
LINEトーク画面下部に固定で表示されるメニュー機能のことを指します。トーク画面の占有率が高く、ユーザーの目に留まりやすいため、適切な項目を設定すればユーザーをうまく誘導できます。
例えば、クーポンやセール情報の掲載、ECサイト・公式サイトへの遷移先を設定するなどの方法があります。
【ECサイト】LINEショッピング活用方法
ECサイトを運営するにあたって、LINEショッピングを活用する方法を解説します。
LINEショッピングに掲載する
LINEショッピングの公式アカウントの友だち登録数は約4,700万人(2024年3月時点)のため、LINEショッピングに掲載することで、多くのユーザーにリーチ可能です。
また、公式アカウントでショップのキャンペーンや商品訴求がおこなわれることにより、自社ECサイトへの送客を見込めます。すでに運営しているECサイトだけでは集客力に不安がある場合は、LINEショッピングを活用してストアの認知度を高めることをおすすめします。
出典:EC(通販)事業におけるLINEの活用法|7つのコツや事例も解説 | Lステップ公式ブログ
セール情報や自社ポイント・クーポン情報の連携
しかし、ただLINEショッピングに掲載するだけでは、十分に活用できているとはいえません。
ECサイトで実施しているセール情報やポイント・クーポン情報をLINEショッピングに連携させることで、LINEショッピング上でお得な情報を発信できるようになります。
多様なECサイトの情報が集まるLINEショッピングでは商品比較がシビアにおこなわれるため、ユーザーの購買意欲が高まる情報はLINEショッピング上でも閲覧できるようにしましょう。
LINEと連携できるECサービス
既存のECサービスの中には、LINEと連携して集客や販促ができる機能もあります。具体的なサービス名と活用方法を紹介します。
Shopify
Shopifyの機能拡張アプリ「CRM PLUS on LINE」を、LINEと連携させることで、Shopifyで蓄積している顧客・購買データを活用したメッセージ配信が可能になります。
連携ユーザー数に応じて料金プランが設定されており、初期設定の無料サポートがついているため、設定が不安な方も安心して始められますよ。
主な機能は下記の通りです。
- Shopifyの購入完了ページ・マイページにLINE友だち追加を促進するブロックを表示できる
- LINEで商品発送の通知ができる
- 顧客データをもとに配信対象を絞り込んでLINEメッセージを配信できる
- Shopifyのカゴ落ちメール機能と連携して、LINEでもメッセージを自動配信できる
参考:CRM PLUS on LINE|Shopify App Store
EC-CUBE
EC-CUBEのプラグイン「【ver4】LINEログイン連携プラグイン(4.2系)」を使用して、LINEとECサイトを連携できます。
具体的には、EC-CUBEの新規会員登録やログインをLINEアカウントと連携できるもので、情報入力の手間を省いてスムーズに買い物につなげることが可能です。
無料でダウンロードできるため、EC-CUBEでECサイトを運営している場合には、活用してみましょう。
参考:【ver4】LINEログイン連携プラグイン(4.2系)|EC-CUBE
futureshop
futureshopには、ストアとLINEをつなげる「LINE連携オプション」という機能があり、初期費用0円、月額3,000円で利用できます。自社ECストアの会員IDとLINEアカウントを連携して、会員データを活用したメッセージの配信や自動ログインなどができるようになります。
具体的には下記のような機能があります。
- 注文確認や発送通知などの注文に関するメッセージをLINEで送信できる
- 会員データをもとに配信先を絞り込んでメッセージを配信できる
- LINE公式アカウントとのID連携でポイントやクーポンの付与設定ができる
- LINEアカウントでECサイトにログインできる
参考:LINE連携オプション|futureshop
ECサイトでのLINEサービス活用事例
最後に、ECサイト運営におけるLINE活用事例を紹介します。
株式会社SABON Japan|LINE公式アカウント活用
ボディスクラブやボディソープなどのコスメブランドを展開する株式会社SABONのLINE公式アカウント活用事例です。
SABONは、会員情報の一元管理とOne to Oneコミュニケーションの実現のために2019年4月からLINE公式アカウントを開設しました。
SABONでは、店舗に来店した顧客に対して、LINE公式アカウントの友だち追加とSABONの会員登録を案内しており、顧客はLINE公式アカウントの友だち追加でSABONの仮会員になります。
顧客は、LINEとSABON会員登録の連携後、LINE公式アカウントを会員証として利用できるようになり、誕生日特典やクーポン配信を受け取れます。
SABONのLINE公式アカウントでは、2021年8月時点で約146万人の友だちがおり、週1回のメッセージ配信やリッチメニューの作り込み、カゴ落ちユーザーへのリマインドなどをおこなっています。
LINE公式アカウント経由の売上はメール配信経由の約5倍、ROASは約1,000%を記録しており、メッセージを配信した日のオンライン接客売上は、平時と比較して約3倍となっているようです。
参考:EC売り上げの約3割がLINE経由!LINE公式アカウントを軸にしたSABONのマーケティング戦略とは|LINEヤフー for Business
株式会社メガネトップ|LINEログイン活用
「眼鏡市場」を展開する株式会社メガネトップのコンタクトレンズ・メガネ専門ECサイト「レンズダイレクト」の活用事例です。
「レンズダイレクト」は、リピーターを増やすため、2018年にLINE公式アカウントを開設し、クーポンやセール情報を配信しました。その後、ユーザーの利便性を高めるために「ソーシャルPLUS」というCRMを導入し、ECサイトの会員情報とLINEのユーザーID連携による「LINEログイン」機能を採用しました。
これにより、顧客のショップログイン時のストレスを軽減でき、注文・発送完了通知がLINE公式アカウントから届くようになるなど、ID連携済みユーザーの満足度が上がっていきました。
ソーシャルPLUS導入前と比較すると、月間の新規友だち追加数が約3.5倍、LINE公式アカウント経由のECサイト訪問セッション数が約10倍に増加しています。
また、ECサイトの売上全体に対するLINE公式アカウント経由の売上構成比が、LINEログイン導入後3年で約6倍に伸びた実績もあるようです。
参考:LINE公式アカウント経由の売り上げが約6倍に!LINEログイン導入による効果とは|LINEヤフー for Business
ECサイトのLINE活用はプロに相談するのがおすすめ
ECサイト運営に生かせるLINEサービスの概要や具体的な活用方法、連携できるサービス、活用事例など、幅広く紹介しました。
LINEの利用者数は9,600万人(2023年12月時点)で、幅広い年齢層が利用するSNSプラットフォームといえます。
これまでリーチできなかった層にアプローチでき、サービスをうまく活用することでストアの認知度アップやリピート促進などの集客・販促効果を得られます。
とはいえ、さまざまなサービス・機能の中から適切な施策を選択し、業界特性やブランドイメージに合わせた運用を続けていくことは簡単ではありません。ECサイト運営にLINEサービスの導入を検討されている方には、ECコンサルティングや運用代行会社へ相談するのがおすすめです。
ECのミカタでは、ECコンサル・運用代行会社のマッチングサービスを提供しています。
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「LINEを活用したいけど何から始めたらよいかわからない」「売上につながる新施策を打ちたい」など、ざっくりしたご相談からも可能なので、ぜひECのミカタを利用してみてくださいね。