楽天、米ネット通販イーベイツ買収へ:1050億円超で交渉中、海外展開強化

グローバルにサービスを展開するイーベイツ

楽天がインターネット通販のポータルサイトを運営する米イーベイツを買収する方向で、最終調整に入ったことがわかった。楽天はイーベイツの株式の過半を、約1050億円超で取得する方向だ。

イーベイツは1988年に設立され、提携先のネット通販で商品を買った利用者に割引サービスを提供。米アマゾンや米イーベイなど世界1700社以上のネット通販事業者と提携している。

ユーザーは、イーベイツが運営するサイトを経由し、米アマゾンやウォールマートなど1700の店舗で買い物をすると、キャッシュバックやクーポンを受け取ることができる。
受け取ることができるキャッシュバックは店舗によって料率が異なるが、年4回まとめて、小切手やPayPalの送金などで払われる。慈善団体に寄付することも可能だ。イーベイツはこれまでに2億5000万ドルのキャッシュバックを、顧客に支払ってきたという。

この種のサービスは、ネット通販事業者にとって、ユーザーの裾野を広げて行くのに有効だ。多くの事業者の支持を集め、現在、イーベイツはアメリカ、カナダ、ロシア、中国、韓国でサービスをグローバルにサービスを提供する知名度の高い企業となっている。

イーベイツを基盤に、知名度アップをはかる楽天

楽天の狙いは世界的に知名度のあるイーベイツのサービスを基盤に、アメリカなど海外での通販事業を本格化させることにある。楽天はアメリカや台湾など海外13カ国・地域でネット事業を展開しているが、世界での知名度は高くない。その弱点をイーベイツを買収することで補強し、販売をてこ入れするつもりだと思われる。

イーベイツのユーザーを増やす手法は、ポイントでユーザーを増やす楽天とよく似ている。楽天としては、同種の手法を用いるイーベイツの顧客囲い込みシステムを手に入れることで、海外ネット通販事業の強化を狙ったわけだが、相性がよかったのだろう。

買収により、競合サイトでの消費者の購買データの把握も可能になる。
海外でのeコマースの成長が課題だった楽天にとって、グローバル化の大きな足がかりになると思われる。