越境ECでのノウハウを生かし、モンゴルに新業態で初のリアル店舗を出店
越境ECサイトの運営・中古自動車および部品の販売及び輸出入を行っている株式会社ビィ・フォアード(本社:東京都調布市 代表取締役:山川博功、以下「ビィ・フォアード」)は、モンゴルの首都ウランバートルに、日用品などを販売する『FUJI SHOP』をオープンした。これは、中古車等輸出の越境ECサイトを運営する同社初の、ライフスタイル関連商品部門における実店舗となる。
有力な市場であるモンゴル
中古自動車および部品の販売及び輸出入を行っているビィ・フォアード社は、2014年から自社開発の越境ECサイト『beforward.jp』内で、時計やスマートフォンなどの商品を試験的に販売してきた。
その過程で、特にモンゴルから一定の需要があることに加え、現地では日本の日用品が高額で売られていることが明らかになった。今回同社は、得意とする自動車販売で培ってきた物流でのノウハウと体制をフルに生かし、同地モンゴルにリアルショップを展開することにしたの。
出店にあたっては、物流コストを徹底して削減し、日本の市場で流通している日本国内向け製品についても可能な限り低価格で提供すること主眼としているそうだ。
越境ECのノウハウを生かしてリアル店舗を展開
越境ECの知見を生かして生み出された『FUJI SHOP』は、日用生活品、家庭用雑貨、バラエティグッズ、家電などが低価格で楽しめるアミューズメント性あふれるストアとなった。バラエティに富んだ商品は、モンゴルの消費者ニーズに精通した現地スタッフがセレクトして仕入れを行っている。
『FUJI SHOP』第1号店は、モンゴルの消費者需要を把握するためのアンテナショップとしての位置づけであることから、場所はウランバートルの中心エリアに立つデパート「Grand Plaza」内にオープンした。
ここで得たマーケティングデータは今後、主たる業務であるECサイト運営にフィードバックし、ECサイトの拡充や、さらなる店舗の展開に繋げていく予定との事だ。まさにオムニチャンネルを活用した好事例と言えそうだ。
O2Oから「オフライン to オンライン」へ
実際、今回の同社の試みは、オンライン(インターネットやスマホアプリ)からオフライン(実店舗)へと消費者を促す「O2O(Online to Offline)」モデルの逆となる。同社はこれを「オフライン to オンライン」という同社の独自のマーケティングモデルとして標榜している。
モンゴルのユーザーに『FUJI SHOP』で「FROM JAPAN製品」を実際に見て、触ってもらい、将来的にはサイト『Beforward.jp』での買い物を促す戦略だという。まさに新しい可能性を探る果敢かつチャレンジングなプロモーション施策となりそうだ。ウランバートルではこの新店舗オープンについて、2017年12月中旬から現地ラジオ局でラジオCMを放送しており、オープン当日には店内は多くの来場客でにぎわったそうだ。
冷戦崩壊後に民主化が進み、一筋縄ではいかなかったが堅調に経済発展をしているモンゴル。大相撲の力士を多く輩出していることでも知られ、日本にもなじみが深いが、その市場に狙いを定め「オフライン to オンライン」という斬新な切り口でリアル店舗を展開する同社の着眼点には驚かされる。越境ECそしてオムニチャンネルの今後を見据える上でも目が離せない。