クレジットカード取引のセキュリティ対策強化への実行計画が改訂。安心安全な取引のために
クレジット取引セキュリティ対策協議会では、第5回本会議を開催し「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画(以下「実行計画」という)-2018-」を取りまとめた。
国内消費が横ばいで推移する中にあって、急成長するECの拡大とともに、クレジットカードの取扱高は堅調に拡大を続けており、2016年には取扱高53兆円を超えるなど、クレジットカードは社会における取引インフラとして重要な機能を担っている。
政府は「未来投資戦略 2017」において、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向け、「クレジット決済端末の100%のIC対応化」の実現等に加え、国際水準のセキュリティ環境の実現を目指すとの方針を示した。
そうした中で、クレジット取引セキュリティ対策協議会は実行計画を取りまとめ、クレジットカード取引に関わる幅広い事業者と連携しつつ、対策強化の取組を進めていくとした。
改定された「実行計画2018」の主な方策
実行計画2018では、カード情報の保護対策、対面取引におけるカードの偽造防止対策(IC対応)、非対面取引における不正利用対策について、実行計画2017の進捗を反映させつつ、2020年に向けてさらなる取組の推進を図るための改訂が行われた。
加盟店は、カード情報の非保持化、又はカード情報を保持する場合はPCI DSSに準拠することや、クレジットカード決済端末を「100%IC対応」すること。また、クレジットカード会社は、クレジットカードを「100%IC化」することなどが盛り込まれている。
全ての非対面加盟店は、加盟店契約における善管注意義務による不正利用発生を防止するとともに、オーソリゼーション処理の態勢整備を図ることなど、リスクや被害発生状況等に応じた方策を導入するよう改訂された。
クレジットカードでの安心安全な取引を目指して
クレジットカード取引に対する不正を企図する攻撃者の手口は日々巧妙化していくため、加盟店をはじめとするカード取引に関係する事業者は最新の手口やセキュリティ技術等に関する情報を常に収集することが求められている。
特にEC業界はクレジットカードの使用比率が高いうえに、情報漏えいのリスクもあるという事実が存在する。消費者が安心安全な取引を行っていくためにも、責任を持ってこの対策に取り組んでいかなければならない。
2020年に向けてキャッシュレスの波は確実に大きなものになる。利便性とセキュリティのクオリティを双方同時に上げていかなければならない。これはベンダーだけの問題でもなく、加盟店も消費者も一体となって取り組んでいかなければならない課題だ。目をそらすことなく、真摯に向き合って欲しいと感じる。