サブスク型生花販売のCrunch Style社、総額1億円に上る資金調達を実施
『Bloomee LIFE』を運営する株式会社Crunch Style(以下「Crunch Style」)はシリーズAラウンドで総額1億円の第三者割当増資を実施したことを公表した。
3社を引受先とする基盤強化
ワンコインから毎週自宅のポストに花が届く、花のサブスクリプションサービス『Bloomee LIFE』を運営するCrunch Style社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:武井 亮太)は2018年3月19日、シリーズAラウンドで総額1億円の第三者割当増資を実施したことを公表した。
引受先は、KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合(KLab Venture Partners株式会社、以下「KVP」)、朝日メディアグループファンド1号投資事業有限責任組合(朝日メディアラボベンチャーズ株式会社、以下「朝日メディアラボ」)、既存株主のSocialEntrepreneur2投資事業有限責任組合(PE&HR株式会社、以下「PE&HR」)となっている。
なおCrunch Style社は、過去にトレンダーズ株式会社の創業者 経沢 香保子氏や今回のラウンドでも参加しているPE&HR株式会社から資金調達を実施している。
インスタユーザーの心をつかんだ『Bloomee LIFE』
2016年6月にローンチした「Bloomee LIFE」は、花のある生活を手軽に実現できる花のサブスクリプションサービスだ。ローンチから1年半で有料会員は6,500人を突破するなど着実な成長を続けている。
ユーザーの流入経路のメインはInstagramからの口コミだという。毎週異なる花店から花が届くサービス設計になっており、ユーザーはランダムに届く様々な花を毎週インスタに「#bloomeelife」で投稿する仕組みだ。
同サービスには1年半の間、広告を使わず2万人のフォロワーがついており、「#bloomeelife」で投稿された花の画像は8,000枚を越えている。
ニッセンとの協業も予定
今回の調達資金では、ユーザーごとに好きな花店を選べるカスタマイズ機能のリリースや、ユーザーの好きな色や花材などの嗜好性のデータ化を予定しており、後々はD2Cへの展開を目指すそうだ。また同時に病院や歯医者、カフェなどへの展開も実施していく方針だ。
あわせて、今年2月に実施された日本政策投資銀行(DBJ)主催の京都オープンアクセラレーターを通じて株式会社ニッセン(本社:京都市南区、以下「ニッセン」)との協業を予定している。
まずは、検証実験としてニッセンからのBloomee LIFEへの送客を実施し、その後、同社と協力し、ユーザーの生活を豊かにする新たなサービスの展開や、社会に役立つプレゼント需要の創出など、新規事業化に向けての展開についても計画している。ニッセンは、今回の取り組みを将来的に事業の一つの柱になるまで成長させることも視野に入れているという。
2017年は、「インスタ映え」が注目のワードとなったが、Crunch Style社のように、そのプラットフォームを確実にビジネスにつなげている事業者も確実に存在する。特にローンチ段階で広告費を最小限にして、ここまでの展開をしている点は、生花のデリバリーだけに留まらず、広くEC市場において、SNSを活用し新たなビジネスを展開する上での無限の可能性を示していると言えるだろう。同社のさらなる飛躍に注目したい。