【リポート】小規模食品メーカー「ソイコム」に潜入!商品の受注から届くまでを解説
今日は大豆粉を使用した【低糖質・高たんぱく質】な商品を販売しているネットショップ「ソイコム」(http://www.soycom.co.jp/)に潜入リポート!1日の業務を追っかけます。
今回潜入するソイコムは冷凍食品を取り扱っており、自社サイトとAmazonの2つのサイトで注文を受けています。従業員は2名。2名で業務を回すことができるのだから、とても効率のいいシステム、仕組みを導入していることでしょう。楽しみです!
1日の始まり〜地道な受注処理〜
知っている人もいるかと思いますが、ソイコムはECのミカタの子会社です。だから店長と筆者は顔見知りなので、緊張せずにお話ができそうでとりあえずは安心です。
筆者:では早速1日の業務の流れの説明をお願いします。
店長:ソイコムの注文は午前10時締めです。前日10時から今日の締め時間までに注文が入った消費者の情報を物流倉庫にメールで送信します。
これを受注処理といいます。
筆者:受注処理は具体的にどのような業務になるんですか?
店長:ほとんどがコピペでの作業になります。
筆者:コピペ、、、?
店長:はい、コピペです。注文者情報を物流倉庫の指定したフォーマットのCSVファイルにコピペし、メールで送信するのが受注処理です。
自社サイト構築には「Makeshop」を利用しており、物流倉庫の指定したフォーマットでCSVファイルをダウンロードすることが可能となっています。なので自社サイトの受注処理はそんなに大変ではありません。
しかし「Amazon」からの受注処理は簡単ではありません。「Amazon」のCSVファイルは物流倉庫の指定しているフォーマットには適していないので、「Makeshop」のCSVファイルにコピペして行く必要があります。
この作業が想像より大変なんです。そもそも海外仕様なので住所の並びなどが日本とは違います。ここを間違ってコピペしてしまうと商品が届かないといったトラブルにもなるので気をつけなきゃいけないところですね。
筆者:そのフォーマットの違いって見せてもらうことって可能ですか?
店長:これです。全然違うでしょ?そもそも「Amazon」はCSVファイルの各項目のタイトルが英語だし
筆者:Σ( ̄。 ̄ノ)ノ(個人情報のためリアクションでご想像ください)
店長:コピペっていう単純な作業だけど、人の手でやる以上ミスが出る可能性は大いにあります。商品不発送や個人情報の漏洩につながりかねない大切な仕事なんです。
筆者:これはかなり、手間がかかる作業ですね、、、
店長:さらに、まだ大切な仕事があります。それが賞味期限を揃えてもらうために備考としてメモを書いておくことです。同一商品の賞味期限を揃えてもらったり、賞味期限の近いものから出荷してもらうためです。何も言わずとも物流倉庫は気をつけてはくれますが、保険として毎回書いています。
CSVファイルの作成が終わったら、ファイルを物流倉庫にパスワードをかけて送信します。もちろんですが、個人情報の管理にはとても気をつけています。
業務を16時の配送に間に合わせる
店長:CSVファイルを元に物流倉庫は伝票番号を発行します。そして梱包した商品に送り状を貼り付ければ出荷準備は完了です。
筆者:ここに至るころには何時くらいになっているんですか?
店長:16時くらいですね。というよりここまでの作業を16時までに終わらせる必要があります。宅配業者が荷物を受け取りに来るのが16時ごろなので。
あとは宅配業者が消費者に荷物を届けてくれます。
筆者:時間がかかる作業が多いんですね。もう16時なのかという印象です。
店長:適当な仕事をした結果、消費者からの信頼を失うことが一番怖いですから時間がかかっても丁寧な仕事を心がけています。
筆者:イケメン!
あとは帰るだけとはいかない。配送後も業務はてんこ盛り
筆者:配送も完了したし、あとは帰るだけですよね。なんかうまいことシステムがいい感じに動いてくれるんですよね?
店長:いいえ。まだ全然帰れません。
筆者:(ㆀ˘・з・˘)
店長:商品が発送されたら消費者にメールを送ります。発送の報告のみならず、宅配の伝票番号をお知らせする役割も兼ね備えています。
このメールもCSVファイルの注文番号を確認しながら人の手で行なっています。
筆者:自動に送信されるものだと思ってました。かなり大変ですよね。1通ずつ作成するのは。
店長:同じタイミングで在庫の確認も行います。物流倉庫から在庫の報告を受けたら、在庫報告を元にMakeshopやAmazonに登録している在庫数を更新する作業も行います。「在庫管理」は、本当に重要な仕事なんです!
筆者:実際には、倉庫に在庫があるのに、サイトからは注文ができない状態だと機会損失にもなりますもんね。
店長:また、うちでは1週間に1回製造工場に発注をかけます。その際に、先ほど修正した在庫数をみて、来週の販売予測をたてて、新たに商品をどのくらい製造すべきなのかを工場に依頼をかけます。在庫数が正確になっていないと来週の製造分までくるってきてしまい、少なければ欠品も、多ければ過剰在庫でのちのち廃棄になるので、非常に大事な作業になります。
以上が1日のだいたいの流れになりますね。
説明を聞き終えて
筆者:もともとあったネットショップのイメージとは大きく違うことに驚きました。ユーザー側は個人情報を入力し、購入するをクリックすれば家に商品が直接届くのがECの魅力で、技術の進歩あったからこそのサービスだと思ってました。
その事業者側も当たり前のように最新技術を利用し効率のいい仕事をやっているものだと思い込んでいました。
店長:一般の人がイメージする最新の技術を導入しているのはAmazonのような大企業くらいです。ネットショップは事業で行っている人、副業で行っている人様々です。
私たちは事業として行っているので今後一元管理システムを導入し、空いたリソースを販促活動や商品開発に回していくつもりです。
しかし副業レベルで行っている人たちは注文数もあまり多くないから自分のペースでやる人も多いと思います。
筆者:便利にするためには当たり前ですけどお金がかかるんですね。
店長:確かにEC業界は成長しています。しかし、その売上の大多数は一部の大企業が生み出しているものです。中小規模のネットショップが今後いかに成長できるかが鍵になってくると思います。
我々事業者が頑張るのはもちろんですが、EC支援企業にも中小企業向けの利便性の高いサービスを提供してくれればと期待しています。
筆者:EC業界で働いている人は知っておくべきことですね。業界が成長しているからといって安心するのではなく、より高い成長率を目指すために何ができるのかを考えなくてはいけませんね。
その時に中小のネットショップが活躍できる地盤やノウハウを提供できる会社が必要になってきますね。そのような会社になれるように私たちも頑張ります!
本日はありがとうございました。
店長:ありがとうございました!