インバウンド消費から発掘!越境ECのヒント【トゥルーデータ調べ】
購買ビッグデータ分析の株式会社True Data(トゥルーデータ/本社:東京都港区/代表:米倉 裕之)は、全国ドラッグストアのPOSデータによる2018年8月のインバウンド消費動向調査を発表した。
≪本調査におけるインバウンド消費の定義≫
全国のドラッグストアにおける店舗情報をベースに、「銀聯カードが利用可能」「外国人観光客が多く集まる観光エリア」など複数の条件から「インバウンド店舗」を設計。
その「インバウンド店舗」の購買情報をもとに、「1レシートあたりの購入金額が5,000円以上(免税対象)」の購入といった条件によってインバウンド消費を特定し、分析を実施している。
前年比5.6%増!過去最高件数を記録
2018年8月のインバウンド消費1店舗あたりの購買件数は、前年同月(1,310件)比5.6%増の1,383件。トゥルーデータの調査開始以降、8月としては過去最高件数を記録した。
1レシート当たりの購買単価は前年同月比3.6%増の15,176円で、ドラッグストアの国内消費平均レシート単価(8月:1,558円)と比べて約10倍という高単価を維持している。
上位は化粧品、シートマスクが牽引
売上個数ランキングでは、上位30位のうち化粧品が最多の14商品ランクイン。それを牽引しているのは、保湿用のシートマスク(パック)だ。
シートマスクはインバウンド消費で以前から人気のある定番商品で、2018年8月は発売されたばかりの商品もランクインしている。
訪日外国人は、あらかじめ用意している「買い物リスト」だけではなく、店頭で見かけた新商品や数量限定品も購入することが増えてきている。かつては「神薬」に代表される定番商品に集中していたインバウンド消費が、多様な商品へ広がりを見せているようだ。
ポイントは「北海道産」!?
インバウンド消費売上個数ランキングの14位にランクインしたのが、2018年8月1日に発売された化粧品「プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク ラベンダー(ウテナ)」。
「プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク」シリーズは訪日外国人に人気が高く、7月のランキングでも「ヒアルロン酸」と「コラーゲン」の2商品がランクインしている。8月はこの2商品に、「ラベンダー」、「ローヤルゼリー」を加えた4商品がランクインした。
新発売の「ラベンダー」は、訪日外国人に人気の高い観光地である北海道産のラベンダーエキスを使用した数量限定商品。昨年おこなった同様の調査で、「北海道産全粉乳100%使用」とパッケージに表記されたインスタント紅茶の売り上げが急上昇した例があったことからも、「北海道産」はインバウンド消費においてインパクトのあるキーワードとなっているようだ。
インバウンド消費から越境ECのニーズにも注目
訪日旅行を終えた外国人が、のちに帰国しても日本の商品を購入したいとなったとき、活躍するのが越境ECだ。現在、そのようなニーズをとらえた越境ECサイトも多く存在している。
インバウンド消費動向を探ることは、今後越境ECを拡張していきたい企業にとっては大きなヒントとなりうるだろう。