大日本印刷がQR・バーコードなど多様な決済手段に対応する『DNPマルチペイメントサービス』の機能を拡張
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義斉 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、多様な決済手段にワンストップで対応できる「DNPマルチペイメントサービス」の機能を拡張し、2019年3月までに各種QR/バーコード決済に対応させることを公表した。
特定の媒体に捉われない決済が可能
同社によれば、この機能拡張により、流通・小売、飲食店等の店舗では、個々の決済サービス事業者との回線接続を行わなくても、クレジットや電子マネー、共通ポイントサービスに加えて、各種QR/バーコード決済への対応が可能になるという。
カードやスマートフォンなど特定の媒体に捉われない決済が可能で、顧客のニーズに合わせた支払い手段が導入でき、キャッシュレス化を推進するとしている。本機能の採用第一弾として、今冬に全国の丸善ジュンク堂書店にてQR/バーコード決済サービスを導入することが決定している。
多様な決済手段に対応
今回の対応の背景として、同社では次のように述べている。キャッシュレス化に対応する国内の決済インフラの整備が加速するなか、流通・小売、飲食店等では、情報セキュリティ対策の強化に加え、決済方法の拡張とそれに対応可能な店舗の増加、インバウンドへの対応などが課題となっている。
これらの課題に対してDNPは、決済情報と顧客情報をセキュアな環境で統合的に管理し、多様な決済手段に対応する「DNPマルチペイメントサービス」を2017年2月から提供しており、今回、アジアを中心に利用が拡がっているQR/バーコード決済に対応したサービスを開始することになったのだ。
将来的に同社の決済サービスの全ラインナップを提供
「DNPマルチペイメントサービス」は、加盟店のPOSや決済端末にクレジットカード情報を保持させることなく、セキュアな環境で多様な決済手段を利用できる。今回、QR/バーコード決済で多数の実績を持つ日本ユニシスグループのキャナルペイメントサービス株式会社とシステム連携を行い、将来的に同社の決済サービスの全ラインナップを提供していく予定とのことだ。
サービスの機能拡充を推進していく
DNPは、今後も市場ニーズに応えたあらゆる決済手段に対応するべく、同サービスの機能拡充を推進していく方針だ。「DNPマルチペイメントサービス」の決済サービスに加えて、決済データなどを活用したマーケティング施策などを金融機関や流通・小売業等に提供し、2020年度までに累計20億円の売上を目指す。
ECはもちろん、オムニチャネル化の文脈でも多様な決済手段を導入することは、ビジネスの成否にも直結することになる。ユーザー側がより利便性が高く、使える決済手段で買い物をしたいと考えていることは自明の理だからだ。
一方で、現在はエコシステム間の競争もあり、多種多様な決済手段が乱立しており、事業者側も提携の縛りや物理的な導入障壁などがあり、一部の決済手段しか導入できないなど、その対応状況には大きなバラつきがある。
この課題を一気に解決し得るソリューションとも言え、今後いかに市場に浸透していくか、大いに注目すべきだろう。