Amazonや楽天、ZOZOやマガシークなど主要ECサービスと顧客との信頼関係が浮き彫りに【NTTコムオンライン調べ】

ECのミカタ編集部

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下「NTTコムオンライン」) は、ECサイト業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPS®ベンチマーク調査2018を実施し、その結果を公表した。

調査概要

NTTコムオンラインによれば、NPS®(Net Promoter Score®)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを図る指標だ。欧米では公開企業の3分の1がNPS®を使用しているといわれ、日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として、NPS®を活用する企業が増えてきている。

◆【総合ECサイト部門】

[調査対象企業(アルファベット順、50音順)] 
Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピング、イオンドットコム、セブンネットショッピング、楽天市場

[調査対象者]
インターネットリサーチモニターのうち上記総合ECサイトの利用者(過去1年以内)

[調査方法]
NTTコムリサーチによる非公開型インターネットアンケート

[調査期間]
2018/11/13(火)~2018/11/20(火)

[有効回答者数]
2,201名

[回答者の属性]
男性:51.4%、女性:48.6%(20代以下:12.9%、30代:18.5%、40代:21.9%、50代:18.0%、60代以上:28.6%)

◆【アパレルECサイト部門】

[調査対象企業(アルファベット順、50音順)]
MAGASEEK(マガシーク)、SHOPLIST(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)、ユニクロオンラインストア
[調査対象者]
インターネットリサーチモニターのうち上記アパレルECサイトの利用者(過去1年以内)

[調査方法]
NTTコムリサーチによる非公開型インターネットアンケート

[調査期間]
2018/11/13(火)~2018/11/20(火)

[有効回答者数]
1,666名

[回答者の属性]
男性:34.0%、女性:66.0%(20代以下:23.9%、30代:29.1%、40代:20.8%、50代:12.6%、60代以上:13.6%)

ファンの多い総合ECサイトは?

ファンの多い総合ECサイトは?同社資料より(以下、同様)

総合ECサイト5社のうち、NPS®のトップはAmazon(-17.4ポイント)となり、最下位の企業との差は23.9ポイントだった。また総合ECサイトのNPS®平均は-29.2ポイントとなった。

また、アパレルECサイト5社のうち、NPS®のトップはMAGASEEK(マガシーク)(-16.2ポイント)となり、最下位の企業との差は6.5ポイントとなった。アパレルECサイトのNPS®平均は-20.7ポイントだった。

アパレルECサイトは、総合ECサイトよりもNPS®の平均が高く、またトップとボトムの差が6.5ポイントと小さい結果となり、全体的に高い評価を得ていた。

プライム会員がAmazonへのロイヤリティ指標を押し上げる

16の要因別に満足度と重要度を分析したところ、総合ECサイトにおいて、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は、「価格競争力」となった。

総合ECサイト1位のAmazon は、16の要因のうち、「価格競争力」を含む10の要因で、満足度が部門トップの結果となった。またAmazonにおいては、約4人に1人が有料会員サービス(Amazonプライム)を利用しており、会員のNPS®は非会員と比較し20ポイント以上高い結果となり、ブランド全体のNPS®を押し上げていた。

アパレルECで満足度が高い要素は?

アパレルECサイトでは、キャンペーンの実施やメルマガ等による適正な情報発信に加え、サイトやアプリの使いやすさ、購入手続きの簡単さといったユーザーエクスペリエンス(UX)項目で、総合ECサイトよりも満足度の高い結果となった。

またアパレルECサイトにおいて、重要度が高いにも関わらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は、「ポイントサービス」となった。「ポイントサービス」は、16の要因のうち、満足度が最も低い項目となっており、期待値とのギャップが突出して大きい結果となった。

アパレルECサイト1位のMAGASEEK(マガシーク)では、ポイントサービスへの高評価に加え、サイトの使いやすさや、購入手続きの簡単さ、商品到着までのスピードなど、一連のユーザーエクスペリエンス(UX)において、部門トップの評価を得た。

アパレルECのファンはSNSを積極敵に活用

SNS(Twitter, Facebook, Instagram)の利用状況を調査したところ、アパレルECサイトのユーザーは、総合ECサイトのユーザーよりも、活発にSNSを利用し、対象のECサイトや購入商品について、ポジティブな情報を発信していることが分かった。

SNSの利用率は、総合ECサイトでは50.7%、アパレルECサイトでは66.3%となった。SNS利用者のうち、対象のECサイトで購入した商品について、SNSでポジティブな情報を発信したことがあるユーザーの割合は、総合ECサイトでは15.4%、アパレルECサイトでは20.7%と、アパレルECサイトのほうが高い結果となっている。

またセグメント別にみると、「推奨者」の情報発信率は、総合ECサイトでは27.7%(「批判者」は10.7%)、アパレルECサイトでは40.3%(同12.5%)という結果となり、アパレルECサイトのロイヤルティの高い層において、特に高い情報発信率が見られた。

ファンは買い物の額も高い

ファンは買い物の額も高い図_ NPS®セグメント別年間のショッピング金額(批判者を「1」とした場合) (左)総合ECサイト (右)アパレルECサイト

「推奨者」および「批判者」の対象サイトでの年間のショッピング金額を調査したところ、総合ECサイト、アパレルECサイトとも、「推奨者」の金額が特に高い結果となった。総合ECサイトでは、「批判者」に比較して、「中立者」は約1.3倍、「推奨者」は3.0倍の金額を購入していた。一方、アパレルECサイトにおいては、「批判者」に比較して「中立者」は約1.6倍、「推奨者」は約5.1倍、商品を購入している結果となった。

ECと顧客の間のリアルな信頼関係が浮き彫りに

調査結果にある通り、最もNPS®が高いのは、総合ECサイト部門ではAmazon、アパレルECサイト部門では、MAGASEEK(マガシーク)となった。また業界全体としては、アパレルECサイトのNPS®平均は-20.7ポイントと、総合ECサイトの-29.2ポイントよりも高い結果となった。

アパレルECサイトでは、キャンペーンの実施等の評価が高かったのに加え、サイトの使いやすさといった、ユーザーエクスペリエンス(UX)全般の満足度が総合ECサイトよりも高い傾向が見られ、ロイヤルティを押し上げる結果となっている。

各ECサービスがどのような要素によって顧客とのロイヤリティを獲得しているか(また、できていないか)を定量的に浮き彫りにする調査となっており、EC市場と顧客との信頼関係を可視的に把握する上でも非常に興味深い結果と言える。

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