広告と広報の違いを理解し、脱広告依存!【セミナーレポート】

ECのミカタ編集部

自社商品をメディアなどに取り上げてもらう時の方法は大きく分けて2通りある。一つは広告。そしてもう一つが広報活動によって取り上げてもらう方法だ。意外とこの2つを混同してしまう事業者が多いのだという。

フューチャーショップ主催のこのセミナーでは、株式会社トーモの東氏が自身の事例を基に、メディアを有効に活用する方法を語った。

広告依存を抜け出すためにはメディアとの関係性構築が重要

結論から説明すると、広告と広報の活動はお金が絡むか絡まないかがいちばんの違いになってくる。

店舗からメディアへお金を支払い、自社商品をPRしてもらうのが広告。メリットとしては投資すればするほど、自社努力では拡散できない層に発信ができることと、自身のPRしたい内容が通りやすいことだ。

その一方、広報活動によって行われるメディア掲載には費用はかからない。しかし、商品への目線は店舗ではなく、編集者・ライターの目線になってくる。このことをあまり理解していない事業者とメディアのトラブルも多いのだという。

とはいえ、中小規模の店舗だと広告に投資する余裕がない企業も多い。そのため広報活動は重要な戦略の一つになってくる。

実際に東氏は様々なメディアと関係性を構築し、自社商品の拡散を行なっている。その結果、目玉商品である「ダンボー」は350万〜400万ほど売れているのだという。しかし、施策として行なっていることは非常に地道なことだった。

施策の例としては
・自社商品の開発段階の情報からメディアを巻き込んでおく
・リリース展示会などで行われている他社の製品説明会に来ている編集の人に挨拶をする
・ネットで自社商品を取り上げてくれそうな企業に挨拶をしに行く
など、まさにネットで情報収集を行い、足で稼ぐやり方だ。そしてこの広報活動は経営者自ら行うことが望ましいのだという。

説得力が強くなるという理由もあるが、一番は常に仕事をしなくてはいけないからだという。

メディア同士の飲み会で「ダンボー」が話題に上がり、知り合いの編集の人から夜遅くに「今から来てよ」と言われたらどうすればいいのだろうか。従業員を行かせるのはかなりブラックだろう。

その時に社長自らが広報活動を行っている意識があると、このような飲み会にも顔を出せるため円滑に関係構築ができるのだという。

そこで自ら培った編集者・ライターとの繋がりは自社秘伝のプレスリリースリストになるのだという。

自社で行うオウンドメディアの手法も効果的に

自社で行うオウンドメディアの手法も効果的に

また、メディアに頼らずに自身で情報発信を行う方法も最近では多く見られるという。

コンテンツは消費するもので、期限が切れると枯れてしまう。その為、継続的な発信をすることが求められる。その際に有効なのが、自社コンテンツだ。

オウンドメディアが代表例になるが、実際に運用するとなるとかなり手間がかかってくる。

その為、SNSやコラム・ブログなど自身の手でコンテンツを作り、気軽に拡散するのも戦略の一つである。スマートニュースの鷹木氏曰く、「自身の発信したいことを100%で撃ち出せるのは大きな強みである。」とのことだ。

ただその時に注意しなければいけないことが、「読者目線」と「タイトル」だ。客観性を持たせ、クリックしてもらえるようなタイトルを作成することで初めてスタートラインに立てる。どちらかが欠けていると、コンテンツとして認知されにくいので注意が必要になってくる。

ブログはこう書け。コグレマサト氏が解説

では実際にどう書くか。日本で最も稼いでいると噂されているブログ界のレジェンド「ネタフル」の管理人、コグレマサト氏がブログ執筆の際に気をつけていることを教えてくれた。

まず、多くの人が陥りがちな典型例はすぐに辞めてしまうことだという。書いてみたものの、PVが少なく、反響もないために数ヶ月で書く事を辞める、これが最もしてはいけない事だという。どんなに短くとも1年は継続してみないと効果はわからない。

そして、書く頻度は習慣づけするために週5回がいいのだという。大変に思えるかもしれないが、書くハードルは高くなくていいのだ。

自社商品のことはもちろんだが、昨日何があったか、何を食べたかなどでも構わないし、うまい表現の仕方などを心がける必要もない。書き続けることが何よりも大事なのだという。

そして「イチローでも3割しかヒットは打てないのだから、自分は1割打てれば十分」という心持ちできることも重要なのだという。PVが上がらないことに、都度ナーバスになっていたら書くモチベーションに大きな影響をもたらしてしまう。

書くということに前向きであること、ネタを見つけることに一生懸命であること、この事を1年間続けられるように意識する必要があるとのことだった。

その中でテクニック的な事を意識するのであるとするならば、「マキコミ」、「マキコマレ」を意識するといいという。自分一人での発信だけでは限界があるという事。せっかくのネット社会、共感してくれる人にもシェアしていただいたり、シェアしたりする事を意識することは大切だ。

当たり前のことだが、意外と多くの人ができていないのが現実である。そのブログは、共感性の高いコンテンツになっているか、客観性を意識しながらブログを書いてみるといいだろう。

他にもコグレマサト氏が思う、マキコミ技術は以下の通りだ。

ブログはとりあえずやってみる。そしてやり始めたらやめない。

この行動が将来的に広告依存を抜け出した、広報活動へと発展していく第一歩になるのではないだろうかとセミナーを通して強く感じた。

 


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