スタバとLINEがデジタル領域での包括的業務提携を実施

ECのミカタ編集部

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役最高経営責任者(CEO):水口 貴文、以下「スターバックス」)と、LINE株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:出澤 剛、以下「LINE」)は、昨年12月に発表したデジタル領域におけるイノベーションの加速化を目的に包括的な業務提携における取り組みを公表した。

「コミュニケーション」「キャッシュレス」2軸で連携

スターバックスとLINEは、2015年より「LINE」でつながっている友だちにギフトをプレゼントできる「LINEギフト」にて協業している。今年2月28日にオープンした「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」においては、店頭に近づくと「LINE」で通知を受け取ることができる「LINE Beacon」を活用したオープニング企画「BEAN TO CUP JOURNEY」を実施。

共に"コミュニケーション"を信条とする会社として「革新的で人と人とのつながりを作るぬくもりあるデジタル体験」を提供してきた両社。

今回スターバックスがさらに強化していく、デジタルを通じた顧客体験価値向上のための一環として、「コミュニケーション」と、国内で重要度を増す「キャッシュレス」の2軸において強固に連携し、さらなる相乗効果を目指すために包括的業務提携を締結する運びとなった。

LINE Payチャージもできるスタバ カード発行

LINE Payチャージもできるスタバ カード発行スターバックス企業サイトより

スターバックスでは、キャッシュレスで快適にスターバックスを利用できるプリペイドカード「スターバックス カード」を、米国で2001年、国内においては2002年より提供し、キャッシュレス支払いをリードしてきた。

今回より手軽・快適に「スターバックス カード」を作成し、スターバックスの充実したサービスをユーザーに楽しんでもらうため、「LINE」上から発行可能な「LINE スターバックス カード」の提供を開始した。

2社のコラボレーションを記念したこのカードは、LINEキャラクターがデザインされたスペシャル仕様とのことだ。機能面では、「LINE」上から利用できるバーチャルカードとなっており、通常の「スターバックス カード」と同様に店頭でキャッシュレス支払いが可能なことに加え、スターバックスが提供するロイヤルティ プログラム「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」にも参加できる。

企業発行カードでLINE Payチャージができるのは初

両社は今回の取り組みについて、スターバックスが提供する既存のサービスとLINEの融合により、革新的で、シームレスに心地よいデジタル体験を実現するものだとしている。

既存のユーザーに向けては、さらなるスターバックス体験の向上を促し、これまで既存のアプリや「スターバックス カード」を利用する機会がなかった層にとっては、その新しい接点を「LINE」上で提供するものとなっている。

「LINE スターバックス カード」は、「LINEウォレット」内の「マイカード」を経由し、「My Starbucks」への会員登録不要、タップのみで簡単に新規発行が可能だ。

またクレジットカードの情報を登録しなくても、「LINE Pay」からチャージすることで、すぐに決済に利用できるのも特徴だ。企業が発行するプリペイドカードに「LINE Pay」でチャージできるようになるのは今回が初となる。

さらに「LINE スターバックス カード」はカードを発行するだけで、ロイヤルティ プログラム「スターバックス リワード」にも参加でき、Star(スター)が集まる。

ブランドとのつながりをより深いものに

ブランドとのつながりをより深いものに

スターバックスは2017年9月より、顧客の体験をより豊かにする初のロイヤルティプログラム「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」を提供し、ユーザー人ひとりにあった限定商品の購入や限定イベントへの招待などの情報を届けることで、スターバックス体験をパーソナルで価値のあるものとする取り組みを行ってきた。

今後、毎週来店される500万人以上のお客様に向けて一人ひとりにあった情報を届けしていくための選択肢の拡大に向け、今回スターバックスの「LINE公式アカウント」を開設したのだ。

スターバックスの「LINE公式アカウント」においては、新商品や季節のおすすめ情報などのスターバックスの魅力が詰まったコンテンツを届ける。またユーザー一人ひとりに合わせたメニューのご提案や限定商品の購入や限定イベントへの招待など、1to1のコミュニケーションを「LINE」上で届け、ブランドとのつながりをより深いものにして行く方針だ。

LINEを入り口に温かみあるコミュニケーション実現へ

今回の提携に際して、両社のキーマンから次のようなコメントが出されている。

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 代表取締役最高経営責任者(CEO)水口 貴文氏

「スターバックス コーヒー ジャパンは、1996年に東京・銀座に第1号店をオープンして以来22年、コーヒーを媒介とした最高のスターバックス体験の提供を約束してまいりました。加えて、カスタマーのライフスタイルの変化に対応し、常に新しいテクノロジーを取り入れ、デジタル上の人と人とのつながりを作る挑戦を続けてきました。このたび、世界的に浸透し、コミュニケーションの先駆企業であるLINE株式会社との取り組みがスタートできることを大変光栄に思っています。これにより、デジタル領域においてもイノベーションをリードし続け、一人ひとりのお客様の満足度・利便性をはじめとした顧客体験の価値向上をさらに加速してまいります」

LINE株式会社 代表取締役社長 CEO 出澤 剛氏

「LINEは現在『第二創業期』を迎え、スマートフォンでのコミュニケーションをベースに、AIやFintechといった新たな領域でもチャレンジを続けております。このようなタイミングにて、この度、世界中で愛されているスターバックス様とさらに強固に連携させていただくことができ、非常に嬉しく思っています。店舗ではパートナーの皆さまによるあたたかいサービスを、そして、店舗にいない間でも国内で7,900万人にご利用いただいている『LINE』を入り口として、スターバックスのお客様一人ひとりに合った、あたたかみのあるコミュニケーションの実現に貢献してまいります」

デジタル領域でパーソナライズされた体験を提供

デジタル領域でパーソナライズされた体験を提供

今後両社は、お気に入りの一杯をさがせる「カスタマイズ」機能や、モーニングやランチでメニューに迷ったときに、おすすめの商品と出合える機能を、「LINE公式アカウント」でも提供するなど、デジタル領域においても、パーソナライズされたスターバックス体験を提供していくとしている。

またスターバックスとLINEで推し進めていくキャッシュレスの取り組みとして、国内のスターバックス全店に順次「LINE Pay」決済を導入していくそうだ。2018年末より、東京都内と福岡市内の一部店舗に導入しテスト的に運用してきたが、その取り組みをさらに拡大し、全店への導入を目指す。

シアトル発のカフェ文化を世界に発信し続けてきたスターバックス。日本においてもすっかり定着し、ひとつのカルチャーとしての地位を確立している。そのスタバとLINEが歴史的ともいえるデジタル領域での提携を果たした。

単なるメッセンジャー+通話アプリの枠を超え、いまやエコシステムであり1to1コミュニケーションが行えるトップクラスのプラットフォームに成長したLINEとの戦略的提携は、スタバとカフェ文化の未来をさらに豊かにしてくれそうだ。

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