資生堂がLINEサービスに『AIみみちゃん』を導入 顧客目線の相談窓口をさらに強化

ECのミカタ編集部

資生堂ジャパン株式会社は、2018年2月より導入を開始した「LINEで美容相談」のサービスに加え、Webビューティーコンサルタント(以下「WebBC」)とチャットボットを連携させた「AIみみちゃん」を2019年1月より導入した。これによりユーザーは24時間365日LINEでの美容相談サービスが利用可能となった。

LINEで気軽に美容相談

「LINEで美容相談」はLINEアプリをダウンロードすれば、すぐに利用できるチャットでの美容相談サービスだ。相談者が相談内容を入力すると、「AIみみちゃん」またはWebBCが質問内容に応じて回答する。

簡単な質問は「AIみみちゃん」を活用し、パーソナルな提案が必要な際は、実際に店頭にてユーザーへ最適な美容提案を行ってきた経験を持つWebBCに直接相談できるなど、内容によって使い分けができることが特徴となっている。なおWebBCの受付時間は月~金曜日10:00~19:30(祝日、年末年始、夏季休暇を除く)で「AIみみちゃん」は24時間365日対応だ。

今回「AIみみちゃん」を導入した、資生堂コンシューマーセンターでは、1968年の設立以来、ユーザーからの意見や問い合わせに真摯かつ柔軟に対応し、ユーザーの役に立つ情報を発信している。

顧客目線の相談体制構築にチャレンジ

顧客目線の相談体制構築にチャレンジ

同社では導入の背景として次のように述べている。資生堂では2012年より、主にPC利用者に向けたWebチャットでの美容相談サービスを提供しており、「すべてのお客さまに寄り添う対応体制の充実」を目標に常にユーザー視点で検討し新しい相談体制にチャレンジしてきたそうだ。

具体的には2018年2月のLINEサービス導入、10月のチャットボット一部導入、2019年1月のチャットボット本格導入というチャレンジに取り組み続けた結果、この度WebBCとチャットボットの連携で新しい美容相談を実現した。

ユーザーよりさまざまな声も届いているようだ。「AIみみちゃん」の導入により、ユーザーがいつでも、どこでも相談できるようになったことや、窓口の営業時間外にも関わらず、すぐに回答がもらえることについて支持が集まっている。

また「AIみみちゃん」の導入後、相談の約80%はチャットボットで対応が可能となった。これにより1日あたりのWebBCの対応人数が削減され、WebBCが相談者1人1人により丁寧に対応することで、満足度向上にもつながっているとしている。

「ベストプラクティス賞」を受賞

「ベストプラクティス賞」を受賞

日々、電話・メール・LINE美容相談などで「お客さま窓口」に寄せられる年間約14万件の意見や問い合わせ、店頭で活動するビューティーコンサルタントが専用のタブレットを用いて投稿した年間約9万件の店頭のユーザーの声、ツイッターをはじめとしたSNS上の声など、コンシューマーセンターではさまざまな場面や手法で生の声を収集しているそうだ。

またそれらの情報をシステムで管理し、ユーザーからの声を社員がイントラネット上で共有し、商品改良やより満足のいただける価値づくりに反映させている。その結果、2018年にはCRM協議会主催「ベストプラクティス賞」を受賞した。

CRM協議会主催「ベストプラクティス賞」は 「顧客中心主義経営(CCRM)」の実現のため「戦略・オペレーション・組織」の観点から顧客との関係を構築、その成果を上げている企業・官公庁・団体を選定し、CRM推進のモデルケース創りや人材育成として広く役立てていくことを目的として実施されている。

同社では引き続き「お客さま起点」ですべての活動を構築し、ユーザーのニーズや期待に応えていくことで、信頼されるコンシューマーセンターを目指す方針だ。

精度かつ品質の高い顧客対応はブランドや企業価値を高める上で極めて重要だ。なぜなら、それらを通して顧客との信頼関係を醸成できるからだ。一方で、そのためのスキームを構築するには、人的リソースやノウハウ、自動化の面でいくつかのハードルがあるのも事実だ。

資生堂はユーザー目線のマインドの上で、高機能なツールを導入することで、そのハードルを乗り越えて質の高い相談窓口の充実を実現し、さらに自社とブランドの価値を高めることになりそうだ。

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