テレビ朝日・サイバーエージェント・電通などが手を組み、5G時代を見据えた動画広告企業を設立

ECのミカタ編集部

Supershipホールディングス株式会社(以下、Supershipホールディングス)および株式会社テレビ朝日(以下、テレビ朝日)、株式会社サイバーエージェント(以下、サイバーエージェント)、株式会社電通(以下、電通)、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(以下、博報堂DYMP)の5社では、この度、デジタル動画広告配信事業を展開する合弁会社を設立することで合意した。

5G時代の動画広告市場を見据える

Supershipホールディングスでは、合弁会社設立の理由として次のように述べている。さらなる高速大容量通信を可能にする5Gの普及により、インターネット上での動画広告市場の成長はより一層加速することが予想される。

またテクノロジーを活用してターゲットに効率的に広告を配信する運用型広告は、インターネットの世界では主流であり、これを駆使した運用型動画広告は多様化するアドバタイザーニーズに応える有望な広告手段のひとつになっていくと期待される。

拡大する動画広告市場での収益機会を獲得するため、Supershipホールディングス、テレビ朝日、サイバーエージェント、電通、博報堂DYMPの5社は、動画広告を配信する広告配信プラットフォームを構築・運用する合弁会社を設立することとなったのだ。

地上波放送局としては初

地上波放送局としては初

合弁会社はテレビ朝日の連結子会社となるという。国内の放送局が自前のデジタル動画広告配信プラットフォームを本格的に構築・運用するのは初めてだ。テレビ朝日とサイバーエージェントはメディアビジネスで培った資産・知見を持ち寄り、Supershipホールディングスはグループが有する卓越したテクノロジーとDMPを提供し、電通と博報堂DYMPは広告のセールス面で支援する。

◆【合弁会社の概要】

[名称]
後日公表予定

[所在地]
東京都港区六本木六丁目9番1号

[事業内容]
デジタル動画広告配信プラットフォームの構築・運用

[資本金]
400百万円(資本準備金400百万円)

[設立年月日]
2019年5月24日(予定)

[持株比率]
株式会社テレビ朝日 54.00%
Supershipホールディングス株式会社 20.00%
株式会社サイバーエージェント 10.00%
株式会社電通 8.00%
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ 8.00%

動画広告における新時代の幕開け

合弁会社は当初、テレビ朝日の無料広告型見逃し配信サービス「テレ朝キャッチアップ」の広告枠と、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同運営する「AbemaTV」の一部広告枠で配信を手掛けるが、ほかのデジタルメディア等にもプラットフォームの利用を積極的に呼び掛けていく予定とのことだ。

同プロジェクトでは、今後高まる動画広告へのニーズに幅広く応えるべく、高いブランディング効果が見込めるインターネット動画への広告配信において、優良な面と精緻なデータを掛け合わせることでより顧客の投資対効果を高めることができるプラットフォームを提供していく計画だ。

また、今までにない新しい形の動画広告を提供することで、データテクノロジーにおける新規市場の創出を目指すとしている。

インターネットが普及する以前、地上波放送局は絶大な拡散力を背景に、まさにメディアの代名詞と言える存在であった。それがネット市場の成熟にともない、徐々に個人や各企業がメディアを保有できる、いわばメディアの民主化ともいえる状況になりつつある。

一方でネットメディア側でも、既存のテレビ局に代わるべく「AbemaTV」などのストリーミング配信も登場しているが、現在の所、苦戦を強いられている状況だ。その上で、来たるべき5G時代を前に、既存のメディアとネットメディアが、まず動画広告の分野でお互いの知見と技術、資金を持ち寄り、手を携えたことは、むしろ当然の帰結とも言えるだろう。

いよいよ本当の意味での動画広告時代の到来とも言え、EC事業者としてもプロモーションやマーケティングを行う上で、その新時代への備えも必要となりそうだ。

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