凸版印刷が『地域Pay』の提供をスタート 地域のキャッシュレス決済をひとまとめ

ECのミカタ編集部

凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、地域における決済サービスをまとめてデジタル化し、1枚のカードやスマートフォンのアプリだけで複数の決済サービスのキャッシュレスな利用を可能にすることで、地域のキャッシュレス化を実現する決済プラットフォーム「地域PayTM(チイキペイ)」を全国の自治体や商店街に向けて提供開始することを公表した。

地域の消費活性化や観光客誘致に寄与

「地域Pay」は、自治体や商店街における独自の電子マネー、ポイント、プレミアム商品券、給付金、観光客向けのクーポン発行など地域における複数の決済サービスを地域の特長に応じて組み合わせ、まとめてデジタル化するサービスだ。

住民などの利用者はカードやスマートフォンのアプリを通じて各種決済サービスを利用することができる。具体的には、凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーが共同で運営する決済基盤「サーバ管理型プリペイドASPサービス」のシステムを活用することで複数の決済サービスをまとめてプラットフォーム化。

店舗や施設で利用されたさまざまなサービスの決済情報を「地域Pay」のプラットフォームシステムで処理することで、カード1枚やスマートフォンのアプリひとつで各種サービスの利用が可能だ。

自治体や商店街などは「地域Pay」を導入するだけで簡単に地域のキャッシュレス化ができる。これにより決済を切り口とした地域の消費活性化や観光客誘致に寄与するデジタルでのプロモーション展開を実現することができる。

【価格】

サービス運用開始後、導入事業者のキャッシュレス推進支援のため運用コストを抑えて提供される。

・管理運用費:月額 数万円程度~ (プラットフォーム保守・運用費用)

※初期導入費用、カード発行、アプリ開発費用等は別途見積

遅れている地域でのキャッシュレス導入を支援

遅れている地域でのキャッシュレス導入を支援

同社では開発の背景について次のように述べている。経済産業省が2025年のキャッシュレス決済比率40%を目標とする指針を発表するなど、キャッシュレス決済の利用環境を整備する機運が高まっている。

そのような中で、消費税増税に対する消費者還元事業として、中小企業向けの還元補助や決済端末補助が実施されることが決定済みだ。一方で、地域の商店街や中小商店においては、電子マネーやクレジットカードの導入は決済端末や手数料のコスト負担などがネックとなり、キャッシュレス化へ向けての整備がなかなか進まない状況が課題となってきた。

そのような課題を解決するため、凸版印刷は、「地域Pay」を通じて地域におけるキャッシュレス化を推進することで消費活性化の実現とともに、運用業務の低減や観光客誘致などさまざまな業務課題の解決もサポートしていくため、今回のサービス提供に至ったのだ。

商店街ポイントのデジタル化などが可能に

同社がまとめる「地域Pay」の特徴は次の通りだ。「地域Pay」は「サーバ管理型プリペイドASPサービス」のシステムを活用し、地域のキャッシュレス化に必要なさまざまなサービスを実現する。利用者は1枚のカードやスマートフォンのアプリだけで複数の決済サービスをキャッシュレスに利用することができる。

◆【商店街ポイントのデジタル化】

カードまたはスマートフォンのアプリに表示したQRコードで地域の店舗で買い物をした際のポイント付与および利用を実現。

◆【地域限定の電子マネー「地域マネー」】

地域内の商店のみで使えるプリペイド式の電子マネー。地域内での消費を促すとともに、住民の買い物に関する決済手数料流出を削減できる。

◆【プレミアム商品券や給付金のデジタル化】

紙商品券をデジタル化することにより、利用時の回収業務や集計・精算業務を低減するなど運用コストを削減する。また利用状況をデータ化することで発行の効果検証も可能だ。

◆【自治体ポイントのデジタル化】

自治体における健康関連やボランティアイベントの参加で付与される健康ポイントやボランティアイベント、行政サービスの利用などをポイント化し管理することで、地域の活性化を支援する。

◆【観光カード】

地域のさまざまな観光施設の入場パスなどとセットになったお得なプリペイド機能付きの観光カードを提供し、地域外からの誘客を支援する。

2020年度に50億円の売上を目指す

凸版印刷は今後「地域Pay」をはじめとしたキャッシュレス決済関連サービスを提供し2020年度に50億円の売上を目指すとしている。

また地域の観光振興・インフラ整備による業務支援・防災力向上などに関連するさまざまな自治体向けソリューションを拡販し、地方創生に向けた地域活性化を支援していく方針だ。

同社も述べているように、官民あげてのキャッシュレス化の機運が一気に高まっている。しかし地域の個人商店や地域密着型の企業などでは、コストなどの問題から、大手キャッシュレス決済プラットフォーマーのソリューションを導入するには少なからずハードルがある。

その課題を一気に解決し得る新サービスとなっており、新時代のキャッシュレス時代に向けて強力な後押しともなるだろう。地域のEC関連事業者にとっても、ユーザーの囲い込みや観光事業との連携が可能となり、インバウンドを含めた幅広い集客にも寄与することとなりそうだ。

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