宅配クライシス解決に向け 宅配ボックス設置の影響
株式会社ナスタは、2018年に福岡市が主催する「実証実験フルサポート事業」に参画した。今回、同実験において、配達員側の「配送ストレス」について、日本郵便株式会社と福岡市内の郵便局に在籍する約400人の配達員へアンケート調査を行い、結果を報告した。
2回以上再配達が続くとツラい…宅配クライシスの実情
「再配達が何回以上続くとツラいか」という質問に対し、過半数の宅配員が再配達は2回以上続くとツラい、と回答した。
「何回以上続いても辛くない」「無回答」を除いた平均も2.04回となり、宅配クライシスを生み出した原因のひとつに再配達問題が影響していることが明白となった。
宅配ボックス利用で宅配員のストレスも軽減
配達ストレス6項目について、宅配ボックスを使用する前と後とでストレスの度合いがどれほど変わるか調べたところ、すべての項目において宅配ボックスを使うことによってストレスが軽減されることがわかった。
特に、荷物を直接顧客に届けるときに警戒される、遅れると苦情を言われる、などのストレス項目におけるストレスの減少は大きいようだ。
今後の宅配ボックスの利用については、約9割が宅配ボックスを利用してほしいと回答していることからも、宅配ボックスの設置が宅配員のストレス軽減に役立つことがわかる。
これからの宅配ボックスに求めること
「宅配員が宅配ボックスに入れられたらいいなと思うもの」についての質問では、ゴルフバッグや家具などの大型荷物が約半数、食品や書留などが4割程度という結果になった。
ECサービスも拡充し、家具のレンタルや食品のEC販売も増えてきている。
そうしたサービスの拡充スピードに、宅配業界も巻き込んで共にサービスを拡張していくことが、宅配クライシスの解決、顧客満足度の向上につながるのではないだろうか。