【越境EC】日本の中小メーカーに中国市場への販路を提供 ラクーンコマースとアドウェイズの提携で実現

ECのミカタ編集部

卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営する株式会社ラクーンコマースは、株式会社アドウェイズと包括業務提携を行い、中国の主要な BtoC 向け EC モールにて商品販売を行うスキームを構築した。

7月中を目途に開始予定

業務提携の概要は次の通りだ。スーパーデリバリーは日本国内のメーカーと小売店・サービス業などの事業者が利用できる卸・仕入れサイトだ。海外バイヤーの利用増加に伴い、2015年からBtoBの越境 EC専用サイト「SD export」を開始するなど海外市場へ向けた取り組みを行う。

今回の提携ではラクーンコマースはスーパーデリバリーに出展するメーカーから出品商品を誘致し、アドウェイズは越境 EC の物流と中国 EC モールでの販売代行の実務を担う。これにより日本の中小メーカーに、中国市場への新たな販路をワンストップで提供するとしている。なお同取り組みは7月中を目途に開始される予定だ。

メーカーは商品を納品するだけ

メーカーは商品を納品するだけ

またラクーンコマースはスーパーデリバリーに出展するメーカーに同スキームを提案し、販売を希望するメーカーの商品データをアドウェイズに提供する。アドウェイズは中国ECモールにて商品掲載や顧客対応等のショップ運営、プロモーション、物流と販売実務全般を担う。

今回の取り組みにおいてスーパーデリバリーに出展するメーカーには追加の費用や作業は一切発生しないという。アドウェイズが出店する中国 EC モールで注文が入ると、スーパーデリバリー上に注文データが入り、国内にある指定倉庫に商品を納品するだけとなる。

スーパーデリバリーとアドウェイズは87万点を越える日本の中小メーカーの商品と中国市場での販売ノウハウという両社の強みをかけ合わせ、さらなる事業拡大とグローバル市場への展開を進めて行くとしている。

拡大する越境EC市場のニーズをとらえる

業務提携の背景は次の通りだ。スーパーデリバリーは現在、台湾・香港を中心に海外バイヤーを増やし、海外流通額も順調に増加している。一方、アドウェイズはアジアを中心に世界各国へ事業展開をしているインターネット広告企業だ。

2004年に中国市場に進出し、2014年からは広告や物流を中心とする越境 ECサービスにも注力している。今年3月にアドウェイズが提供する海外配送の物流サービス「楽一番」をSD exportが導入し、ともに企業の海外進出をサポートする。

越境ECの市場規模は年々拡大しており、特に中国越境EC市場は大きく経済産業省の発表によると中国消費者による日本からの越境EC購入額は1兆 5,345億円(前年比18.2%増)*1 と拡大を続けている。ラクーンコマースはこのような大きな市場である中国へ積極的に展開するため、既に海外物流で取り組みがあり、中国での販売ノウハウを持つアドウェイズとの提携に至ったのだ。

さらに熱度を増す対中国越境EC。同社も述べているように、その市場規模は依然として拡大を続けている。一方で中小メーカーがそこへ参入して越境ECを展開するには、言語や通関、倉庫の確保などさまざまな課題も立ちはだかる。

今回の提携でそうしたハードルを乗り越えワンストップで対中国越境ECが可能となり、日本国内の中小メーカーと購買意欲旺盛な中国の消費者のかけ橋としてビジネスを支えることになりそうだ。

*1)経済産業省「平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より

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