スマホ検索はテレビに大きく影響される 新たなクロスメディアの時代を予感させる調査『マルチスクリーンの世界』が電通系企業iProspect社によって公表

ECのミカタ編集部

iProspect Japan (アイプロスペクト・ジャパン株式会社、CEO:金井 耕一、所在地:東京都中央区)は、人々が様々な“スクリーン(画面)”を通し情報と接する現代社会において、消費者がどのようにマルチスクリーンに対応し、企業にとってどのような事業機会が生まれ、テレビとインターネット検索の連動を通しどのような相乗効果が生まれているのかを調査し、マルチスクリーン化する社会でより効果的に消費者の関心を惹くための方法についてケーススタディを元に分析したホワイトペーパー「マルチスクリーンの世界(Fighting For Attention in a Multi-Screen World)」を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

iProspect社はアコーホテルズ、スタンダードチャータード銀行、ゼネラルモーターズ、ペイパル、マイクロソフトなど、世界的クライアント企業のオンラインマーケティングの投資収益率最大化をサポートし、数々の賞を受賞しているデジタルパフォーマンス・マーケティングエージェンシーだ。

英国に本拠地を置き世界55ヵ国、93のオフィスで勤務する4,600人のネットワークで構成されたiProspectチームがグローバルに活躍している。iProspectは電通グループのグローバルエージェンシー・ネットワークである電通イージス・ネットワークに属しており、iProspectの日本法人であるアイプロスペクト・ジャパンは2003年に設立された。

同社が行ったグローバル調査は、電通イージス・ネットワークと共にGoogleと提携して行われ、第一調査では10万6,000本のテレビCMの放送中、テレビがインターネット検索に及ぼす影響を分析するための独自のアトリビューション(効果測定)だ。

同調査では66のブランド、10の異なる商品カテゴリー、98の広告キャンペーンと連携し、様々なユーザー層について徹底したクロスセクションの視点を探るため、22の異なるテレビチャンネルで放送されたCMに焦点が置かれた。また、第二調査ではテレビの広告キャンペーンとペイドサーチによるキャンペーンを連動させることによる影響を定量化し、多様な産業(自動車、美容、エネルギー、金融、保険、ギャンブル、ヘルスケア、医薬、出版、テクノロジー、玩具)から25の異なる広告キャンペーンを選んで調査された。

テレビの影響力は健在だがその受け手には大きな変化も

世界の消費者によるインターネット上のビデオトラフィックは、2019年末までに全体の78%を占めるようになると予測され、ネット上での動画視聴は急速に拡大する中、テレビは未だ世界的に圧倒的優位な視聴時間を誇っている。

しかしテレビ画面の前にいる消費者の行動は明らかに変化しており「テレビを視聴している際に別のデバイスを使わない」と回答した米国人の成人はわずか12%に過ぎず、スマートフォンの急速な普及も関連しテレビ視聴者による「第2のスクリーン視聴」は習慣として完全に定着している。

テレビ画面から流れる映像は無視されているのではなく、世界のメディア視聴者の45%は、メディアで流れた広告をネット上で検索していることが分かっており、視聴者はテレビで見聞きしたブランドを探すため、ごく自然にタブレットやスマートフォン、PC等で検索しているのだ。

検索行動はテレビに大きく影響される

同社ではマーケターにとって、テレビ広告と検索マーケティングの組み合わせは事業目標の達成に繋がる絶好の機会だとしている。今回出されたホワイトペーパーでは、テレビ広告はサイトトラフィックに瞬時に影響を及ぼしており、検索によるサイト訪問数は30%、モバイルデバイスによる検索訪問数は24%増加することが示されている。

カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスが主導して行った学術研究では、テレビで広告を流した場合そのブランドに関する検索数が著しく増加するだけではなく、ライバル企業のブランドに関する検索にもプラスの波及効果があることが明らかになった。

また検索行動への影響は、オーディエンスの規模、番組(ネットワーク、ジャンル、放送時間帯)、広告コンテンツなど、多くの要因によって変化することも分かっている。

新たなクロスメディアの時代

調査結果にあるように、テレビは未だに圧倒的優位な視聴時間を誇っている一方で、スマートフォンやタブレットなどデジタルデバイスの視聴は生活スタイルにすでに浸透しており、かつその検索行動はテレビと大いに連動していることが分かった。また「テレビ+検索」の連動によってキャンペーンの効果が上がることも示されている。

これは伝統的に「クロスメディア」等として表現されてきたように、媒体の異なるメディアを通して作品やマーケティング、プロモーションを行うことで効果を最大化する手法と同列のものだとも見ることができる。また昨今、企業やブランドと顧客のロイヤリティを高める上での効果が実証されつつあるオムニチャネルと同等の構造が潜んでいるとも言えるだろう。

EC市場のみならず、こうした受け手の生活スタイルの変化に従った、より体験としてユーザーの自然な行動を促す施策へと大きくその考え方とシステムそのものをイノベーションしていかなければならない局面ともなりそうだ。


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