世界の消費者は楽観的?ニールセンが世界の「消費者信頼感指数」が高い水準で推移していることを示す調査結果を公表

ECのミカタ編集部

市場調査およびデータ分析のグローバルカンパニーであるニールセンは、コンファレンスボード(全米産業審議会)と共同で、2019年第2四半期「消費者信頼感指数」を公表した。調査の結果、世界全域での指数は対前四半期1ポイント増の107ポイントとなり、消費者が経済に対し未だ楽観視する傾向が続いていることが明らかになった。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

四半期ごとの消費者信頼感指数調査を実施

ニールセンは2005年以来、64カ国・32,000人のオンラインパネルに対し消費者信頼感指数調査を実施している。

同調査はコンファレンスボードと共同で四半期ごとに行われ、市場調査のリーディングカンパニーとしてのニールセンの実績と共に、世界の消費者の動向と経済の見通しを示す代表的な指数として広く認知されている。

100パーセントポイントを基準に消費者マインドの悲観と楽観を数値で示し、通常、指数が100以上の場合は楽観傾向として判断される。

インドがトップ、アメリカも消費の先行きに楽観的

インドがトップ、アメリカも消費の先行きに楽観的

最新の調査ではインドが対前四半期6ポイント増の138と世界全域で最高値を示し、世界トップにランクインした。

トップ10はインドに続き、フィリピン(130)、インドネシア(126)、ベトナム(123)、米国(121)、デンマーク(117)、中国(115)、サウジアラビア(114)、アラブ首長国連邦(113)、マレーシア(110)の各国で構成されている。

地域別指数では、北米が119と地域別で最も楽観的な消費者マインドを示した。カナダでは対前四半期7ポイント減の99となったものの、米国は歴史的に見ても非常に高い121をマークし、調査時点で米国の消費者は、貿易や関税に関する先行きの不透明さを憂慮していない傾向が見られる。

アジア太平洋地域も、中国(115)、インド(138)、インドネシア(126)の3カ国が牽引し、117と高い数値を保った。中東・アフリカ(97)およびヨーロッパ(87)では横ばいもしくは多少の上昇傾向を示したものの、中南米はブラジル(91)およびメキシコ(96)での雇用に対する悲観と経済政策に対する不安感があいまって前四半期からポイントを減らし91となった。

世界全域では消費者信頼感指数は高い水準で推移

調査に際しニールセン・カンパニー合同会社社長のルーク・バーウェイ氏は次のように述べている。

「調査結果が示す通り、世界全域では消費者信頼感指数は高い水準で推移しており、消費者の強い楽観傾向が明らかになっています。一方日本では、世界の動向と相反し対前四半期4ポイント減の79となっており、これには消費者の仕事や収入の維持に関する不安が影響している可能性があります。消費者はお金を使うのに良いタイミングだと考えながらも、預金を優先したり、ハイテク製品や家電製品などの購入を控える傾向にあり、貿易、関税、世界情勢の先行き不透明感もあいまって、消費に関し引き続き注意深い傾向にあると言えます」

世界的な適温経済が続いていたが、ここへ来て貿易面における保護主義の台頭や米中対立が影を落としているようだ。日本においてはアベノミクスにおける日銀の大規模金融緩和の効果で日経平均がかつての7千円台から2万円台中ごろまで回復し、徐々に実体経済に好影響が波及しているものの、実質賃金の上昇が鈍く、また消費増税も控えていることから、大きな買い物には慎重な消費者が多いようだ。

ともあれ世界全域では消費者信頼感指数は高い水準で推移している。今回の調査では、こうした各国の消費マインドをとらえられており、特に越境ECの今後を考える上でも大いに参考にすることができそうだ。


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