ヤマト運輸が消費増税に伴う運賃・料金等の改定を実施 キャッシュレス決済等に適用される『デジタル割』を強化

ECのミカタ編集部

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長 栗栖 利蔵、以下、ヤマト運輸)は、2019年10月1日(火)に実施される消費税率引き上げに伴い、同日宅急便をはじめとする運賃・料金等を改定することを公表した。

同社はまた宅急便は2種類の運賃「キャッシュレス決済運賃」と「現金決済運賃」を定め、併せて「デジタル割」の割引額拡大などにより、キャッシュレス化に向けた取り組みを推進するとしている。

運賃・料金改定の概要

◆宅急便、宅急便コンパクト

[1]キャッシュレス決済運賃

現行の基本運賃(税抜)に消費税率10%を乗じた1円単位とする。

直営店持ち込み、またはドライバー集荷で「宅急便」を発送時に「クロネコメンバー割」「電子マネー」を利用して運賃を支払う場合や、9月3日から開始した「宅急便はスマホで送れる。」の決済手段である「ApplePay」「クロネコペイ」「キャリア決済(ドコモ払い、auかんたん決済/auWALLET)」を利用して運賃を支払う場合に適用される。

※「宅急便はスマホで送れる。」は今後全国のセブン-イレブン、ファミリーマート約39,000か所の店頭にサービスを順次拡大予定。

[2]現金決済運賃

1円単位の小銭の取り扱いに発生する手間や煩わしさを軽減するため、現行の基本運賃(税抜)に消費税率10%を乗じ、1円単位を切り上げた10円単位とする。

【例】:東京都から愛知県に60サイズの宅急便を送った場合の運賃(税込)

◆宅急便オプション料金およびその他商品の運賃

宅急便オプション料金(クール料金、タイム料金、空港手数料等)、宅急便以外の商品は、現行の基本運賃(税抜)に消費税率10%を乗じた1円単位とする。

◆包装資材

包装資材は、現行の料金(税抜)に消費税率10%を乗じ、10円単位とする。また原材料費等の高騰をうけて一部包装資材料金を改定する。

割引サービスの拡充について

◆「デジタル割」割引額の拡大

店頭端末「ネコピット」などで発行したデジタル送り状を利用し、直営店持ちこみ、またはドライバー集荷で宅急便を発送する場合や、「宅急便はスマホで送れる。」を利用して宅急便を発送する場合に適用される「デジタル割」の割引額を、現行の「50円」から「60円」に変更し、デジタル送り状を活用して宅急便を利用するユーザーのメリットをさらに拡大する。

◆クロネコメンバー割(※)の1回あたりのチャージ下限金額を改定

宅急便運賃が割引となるクロネコメンバー割の1回あたりのチャージ下限金額を、現行の5,000円から3,000円とし、より気軽に利用できるようにすることで、さらなるキャッシュレス化を推進する。

(※)クロネコメンバー割とは、宅急便の送料に利用できる、ヤマト運輸独自のプリペイド型電子マネーだ。事前にチャージすることで、キャッシュレスで支払える上、チャージ金額に応じて宅急便運賃が10%または15%割引になる。

◆「宅急便センター受け取りサービス」割引額の拡大

日本全国約4,000ヵ所の宅急便センターを指定して、宅急便を受け取る場合に適用される「宅急便センター受け取りサービス」の割引額を現行の「54円」から「60円」に変更する。

【例】:10月1日改定後、各種割引を活用した場合の運賃(税込)(東京から愛知県へ60サイズの宅急便を送った場合)

(※1)(※2)本割引サービスはクロネコメンバーズ会員向けとなる。
(※2)は会員ではない方は、100円の割引となる。

迫る消費増税

いよいよ消費増税の実施時期が近づいてきた。今回の再増税では軽減税率の導入も相まって、EC市場を含む外食や食品分野を中心に前例の無い対応に迫られている事業者も多い。

増税への対応の必要性はECのラストワンマイルを支える物流業界も当然にして例外ではない。その物流業界のトップクラス企業であるヤマト運輸が今回、いよいよ増税に伴う運賃と料金改定についてアナウンスを出した。

その内容はキャッスレス決済をはじめとするデジタル決済についての割引が強化されるなどの点が特徴となっており、増税にともなって同決済方法の浸透を図る市場のトレンドに沿ったものとなったようだ。


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